歴史科学協議会編『歴史が動く時−人間とその時代−』青木書店、2001年
*人間は「ひと」と読みます
刊行にあたって 深谷克巳・安井三吉
1 時代の転換
第1章 原始農耕と水稲農耕−縄文から弥生へ− 高橋龍三郎
はじめに
一 問題の所在と視点
二 縄文時代の生業
三 縄文時代の栽培植物
四 縄文時代晩期の稲作
五 縄文時代中期の稲作
六 焼畑農耕と稲作
七 採集と栽培の間
八 縄文農耕の評価
九 弥生時代と水稲農耕
十 弥生時代の集落と耕地
まとめ
第2章 田堵の経営-古代から中世へ 木村茂光
はじめに
一 田刀の性格と王朝国家
二 田堵の出現とその性格
三 田堵経営の具体像
第3章 天皇家の戦国克服−中世から近世へ− 池享
はじめに
一 天皇家の戦国
二 天皇家と織田政権
三 天皇家と豊臣政権
おわりに
第4章 村の用水・地域の用水−近世から近代へ− 渡辺尚志
はじめに
一 溜池潅漑をめぐる論理の相克
二 変わるもの、変わらぬもの
おわりに
第5章 中華人民共和国建国前夜−北平の和平解放− 安井三吉
一 一九四九年一月二一日一北平と南京
二 華北固守
三 北平包囲
四 和平交渉
五 接収管理
2 危機の襲来
第6章 「倭乱」と朝鮮両班社会の変化 R榮
はじめに
一 倭乱を経た人々
二 ある両班士族の倭乱体験
三 倭乱前後の朝鮮社会の変化
結びにかえて
第7章 朝鮮出兵をめぐる戦争体制と国内支配の実態−浅野長政の動向を中心に− 曽根勇二
はじめに
一 浅野長政の存在
二 朝鮮出兵における兵粮米供給
三 戦時体制における政権の集権化への道
おわりに
第8章 天明の飢饉−天変と政災− 菊池勇夫
一 「鬼国」の出現−人種尽きる南部・津軽
二 凶作・飢饉の爪痕
三 大豆生産と全国経済
四 飢謹の階層性と社会変動
第9章 満州移民−帝国の裾野− 森武麿
はじめに
一 山形県萩野開拓地
二 大和村農村経済更生運動
三 大和村満州移民運動
四 揚栄庄内開拓団
五 満州移民の壊滅
六 サロベツ庄内開拓
3 転変の人生
第10章 和泉式部−浮かれ女と呼ばれた女− 服藤早苗
一 各地にのこる和泉式部
二 伝説和泉式部像の創造過程
三 和泉式部の実像
四 中世物語に造形された女性像
第11章大江広元−京と鎌倉の政治世界を生きる− 上杉和彦
はじめに
一 広元の出自
二 外記としての広元
三 鎌倉への下向
四 頼朝の腹心として
五 頼朝の対京都交渉の場で
六 二代将軍頼家の時代の広元
七 承久の乱と執権政治晩年の広元
おわりに
第12章 西郷隆盛変革−変革への情熱・変革への反発− 猪飼隆明
はじめに
一 西郷隆盛と藩主島津斉彬
二 島津久光と西郷の遠島
三 討幕派の軍師として
おわりに−西南戦争への道
第13章 金九−貧農の子から民族の指導者へ− 鶴園裕
はじめに
一 金九の生まれた時代と家庭
二 彷徨の青春から民族の覚醒へ
三 壮年期、亡命前後の金九
四 中国亡命時代の金九
五 まとめにかえて−晩年の金九、解放と分断のはざまで
第14章 戴晴−異論を容れる社会の創造をめざして− 前山加奈子
はじめに
一 出生と生い立ち
二 養父・葉剣英と「党のよい子」
三 文化大革命と二人の父のこと
四 婦女大会の選挙
五 ノンフィクションヘ
六 三峡プロジェクトと『長江長江』
七 「党の天下」と言論の自由
八 天安門事件と「私の入獄」
おわりに