
(児玉龍介)





|
1.VM法の誕生
VM法とはVisual Motivation の略です。カメラを使用して「改善前」「改善後」の写真を撮影し、この写真を囲んで、がやがや討論したり、一人静かに写真を見つめて改善方法を考えます。
解決の糸口や方向や手段が自然と想起されて、改善提案に結びつきます。多くの企業では小集団活動でVM法を採用、各社とも『表示・標識づくり』とペンキ塗りによる『職場色彩改善』の2大テーマで職場環境改善を長期的(3〜10年)に展開しています。 (VM作品集参照 )
VM法は昭和47年6月10日、弊社創立者児玉龍介(1921〜1990)- (社)日本経営能率研究所所長・日本提案活動協会会長-が創案開発した、カメラ等を使用して視覚に訴えて職場改善のやる気を起こさせる動機付けの手法 を言います。しかし、単なる改善手法ではなく、そこには職場で働く人々に少しでも幸福になって欲しいと言う児玉哲学が流れています。
2.児玉哲学とは
児玉l龍介は(株)田村電機製作所の製造課長、部長、工場長としての現場経験を通じて
『幸福になる権利は神様から、誰でも公平に与えられている』 遠慮なく幸福を求めなさい。
『自分の職場は自分で改善、楽しく働きやすい職場づくりをやってよい』職場づくりは他人にやってもらうことは出来ない。
『1日24時間の3分の1は職場で働く。就寝が3分の1,通勤その他が3分の1となると、職場で働く時間が人生そのものと言える。職場が楽しくなかったら、その人の人生は楽しいと言えるか』労働災害の発生なんてとんでもない。
『今日も楽しく、安全に』これが工場の職場の目標だ。そのためにVM法を活用しよう。
『仕事を楽しくする色彩? それは自分の好きな色を塗ることだ』
『楽しい職場が出来上がる、その結果頭の回転が速くなってアイデアがどんどん出る』
『彩りに力あり』 (いろどりに力ありと読みます)人は色彩の持つ力によって心の持ち方が変わってくる。
『改善には素直な心』が必要。素直な心とは、きたないところを見たら「汚いなー」と、美しいものを見たら「なんて美しいんだろー」と心の底から思うことだ。感動する心にも通じる。
『表示・標識はブルーアンドホワイトを基本とする』 職場の白黒の表示は職場を暗くする。白黒に替えて白地にブルーの文字を使おう。
『白は気高く美しく、すべての色を活かす色なり』 VM活動の中で色々と色彩を使用してみると、白色との組合せが、一番美しいことに気が付く。
『製品を作る前に職場という作品を作れ』『美しい職場に怪我は無い』
『怪我の起らぬ環境づくり 怪我を起こさぬ人間づくり』 最後の言葉はこれ。
3.表示・標識の重要性
VM法創案から、約15年間にわたり、様々な規模・業種の企業を対象にVM指導を続け、日本全国の工場を巡回指導した結果、児玉龍介は表示標識製作活動をVM活動の中心に位置づけました。
これはどんな意味を持っているのでしょうか。
表示の一枚もない職場を想像してみて下さい。
『何がどこにあるか。(消火器)』
『どちらに行けばよいか。(非常口・避難経路)』
『入っていいか。(立ち入り禁止)』
『火を使ってもいいのか。(火気厳禁)』
『この部品は加工前か後か?』
『装置は通電中か?』
『この部屋の火元責任者は?』
等々、表示は管理の象徴なのです。つまり目で見る管理の完成は表示の徹底によってこそ達成されると言ってよいでしょう。
|