アキバっぽいアーカイブス
ライブレポート 夢月まりあ・佐々木かの feat.TRUX
(2008年1月14日)
0114_0a 0114_0b
2008年に至るまで、秋葉原でのストリートライブは拡大の一途をたどる一方。
しかも秋葉原を「ストリートライブの街」と公言する声さえ聞かれたのも、この頃。
しかし逆にストリートライブから手を引くアーティストも、わずかながら存在しました。

そんなアーティストの一人、夢月まりあさんが、
佐々木かのさんとの2人ライブをこの日ラオックス音楽館で開催。
しかもバンドにTRUXを迎えた、豪華なフリーライブ。

このステージ、あきばちっくさん(2008年7月閉鎖)と共同取材させていただく機会に恵まれました。
しかもインタビューつきという、いまだかつてないライブレポートをさせていただける厚遇ぶり。
これにはいくら感謝しても、感謝し足りません。

まずは吉例により、口上抜きでステージの模様をレポートしたいと思います。

stage1 佐々木かのさん
0114_1a 0114_1b 0114_1c
stage1 夢月まりあさん
0114_2a 0114_2b 0114_2c
stage2 佐々木かのさん
0114_3a 0114_3b 0114_3c
stage2 夢月まりあさん
0114_4a 0114_4b 0114_4c
バンドメンバー紹介、そしてギャラリーとともに…
0114_5a 0114_5b 0114_5c

さきに書いたように、ステージばかりか終了後のインタビューにもお呼びいただきました。
そればかりか、質問させていただく機会にまで恵まれました。
(インタビュー本文の敬称は省かせていただきました)
0114_21 0114_22
−今の秋葉原、駆け出しの頃に比べて一番変わったと思うところはどこでしょう?
まりあ 変化が二極化しているような気がします。「萌えバブル」真っ盛りの去年の夏頃は、秋葉原の街を本当に思っている人とそうでない人とで「二極化」。自分の活動がチープになるんじゃないか、と思ったほどでした。
そうしたら今度はバブル崩壊、あれほど盛んだった路上ライブも今やアーティスト指向の人だけが残っている。結局変化はしているけれど、自分たちが元々いた状態に戻っているんじゃないのかなぁ、と思うのです。

−まりあさん自身、何か変化はありましたか?
まりあ 私自身は、秋葉原の変化を受けて変わっていると思うんです。今までIT系、あるいはクリエーターへのメッセージソングが多かったので。秋葉原での自分本来のあり方というものが活かされているように思う、そのことが自分にとっての活力や励みになっているわけです。
「(箱)ライブするために(路上で)歌わなくなったね」と言われたりするようになったし、仕事取るためにラジオとかも始めるようになったし、「夢に向かってるね」と言われるようになったし…。歌(詞)以外にも生き様や、与えられるメッセージが出てきたんじゃないのかなぁ、と、最近は感じてます。

−かのさんは路上(ライブ)の経験はありますか?
かの 数回ほどあります。…でも秋葉原だとちやほやしてくれるし、うまくなくても人が集まってくれるから、それに甘えてしまうんじゃないかと思います。
−実際、そういった傾向はあると思うんですよ。

−もし自分たちが「駆け出し」だったとしたら、こんな形でのライブを開ける自信はありますか?
まりあ 駆け出しだったら…無理ですね(笑)。度胸なんかないし、路上で歌うのもドキドキしながらやってたんで。
かの 今日みたく一般の人もたくさん来るような立派なライブは、無理だったんじゃないかと思います。そもそもコネクションもないし。誰も来ないんじゃないのかな、って心配しそうで。

−でも実際は大盛況でしたよね。
まりあ 感動しました…でもやはりあの頃があったからこそだと思います。路上でやってた自分だと思って、見に来てくれた人もいたでしょうし。

しかし実際ステージを見て思ったことは、むしろまりあさんのMCにこそ聞くべきものがあった、ということではないでしょうか。特に冒頭のMCがそうでした。そこではこのような話をしてくれました(概略)…

−自分の届けたいものが、まっすぐ届かなくなった気がしたのです。自分の歌が「いい」と思ってくれる人ばかりではなく、自分のパフォーマンスを嫌がる人、邪魔だと思う人もいるわけです。そんな人たちに対しては、自分のメッセージは届かない。それってとてももったいない気がするのです。
−「ここでなら自分の夢が叶う」そんな夢を持って通ってきた街、秋葉原。この街だからこそ「個人レベルの頑張り」が活かされると思っていたのに、今では大手のレコード会社や事務所にいなければ歌えない、そんな「オトナの事情」が見受けられます。個人レベルで頑張る人にとって、活動しづらい街になったような気がします。
−この街で今の活動を始めることができ、今こうしてステージに立たせてもらっている、こういう街を大切にしていかなければ、そう思うのです。
−自分自身の路上ライブに対する偏見も膨らんで、他にライブをしている人が歌いにくくなっていくのがどうしても見ていられない。それで路上ライブをやめたんです。(管理人注:最後の路上ライブは2007年10月14日)
0114_23
special thanks:夢月まりあさん、佐々木かのさん、TRUX、あきばちっく(閉鎖)、MUSIC VOX AKIHABARA

※記述はすべて当時のものです。

もくじへ
ノンセクションページへ
topページへ

Copyright(C) 2008,2010 Naicom press shinsya, Ltd. All rights are reserved.