ハンナ講座 やさしい社会問題 第69回講座(2026年6月13日)まとめ 「格差の問題から今の社会や人間のあり方について考える」 初夏の汗ばむような陽気の中、クーラーや扇風機をつけて、講座を開催しました。 ●SIさん 三つの記事を紹介。 ①俳人の橋本夢道は、自由な長屋暮らしと自由律俳句を愛したが故に治安維持法違反容疑で逮捕された。反戦的とみなされた夢道が愛した自由とは何か。治安維持法施行から101年の今日、思いをはせる。 ②北海道旭川市に住む菱谷良一さんは、1941年、師範学校の美術部員だった時、日常の生活を描くことを共産主 義的だとみなされて治安維持法違反で逮捕された。今、こうした理不尽なできごとが再び起こることが懸念される。 ➂武器輸出解禁のニュースがNHKニュースの4番目だった。熟慮されるべき事柄なのに軽い扱いは懸念される。 ●SEさん 二つの記事を紹介 ① 日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介さんの「東日本大震災15年に考える原発~稼働仕方ない、不可解」 東日本大震災での福島原発の検証もないまま、再び再稼働や建設が始まっているのは不可解で懸念きわまる。 ② 小國綾子さんの「AIとシコファンシー」の記事。AIが客観的な正しさよりユーザーへの同調を優先してしまう シコファンシーという現象が注目されているが、客観性を重視するAI開発やユーザーの判断力が問われている。 ●Uさん ①大阪中之島美術館で、画壇に属せず独自の境地を追求した画家・高島野十郎の展覧会が開かれていることの紹介。 ③ カンヌ国際映画祭で女優賞に輝いた「急に具合が悪くなる」の原作で、哲学者の宮野真生子さんと人類学者の磯 野真穂さんによる往復書簡の「身体性」をめぐって、監督の濱口竜介さんと磯野さんとの対談の記事を紹介。濱口さんは、二人の人間同士の魂の分け合いのような関係性と言葉に感動し、それを観客に伝えたかったと語る。 ➂政治学者の山本圭さんの「他者と出会えてますか」という記事を紹介。分断社会を克服し民主主義を再生させるた めに対話が大事だと言うが、今、異なる考えの人とのトラブルを懸念し委縮して対話を避ける傾向がある。しかし 他者と論理×情動で対話することは民主主義本来の姿であり、委縮しない公共空間の構築が大切だと山本さんは言う。 ④フランスの「市民議会(経済社会環境評議会が主催する公共機関)」では、くじ引きで選ばれた性別・年齢・居住地・社会階層などが異なる普通の人々が求められた課題について議論し、政府国会に提出されて法制化されるという制度が定着しつつある。課題の多い代議制を補う形で生まれた市民議会だが、日本で導入されうるだろうか? ●Hさん 毎年開催されている「京都グラフィー京都国際写真展」の紹介。南アフリカのアパルトヘイト後の芸術の状況などについてのシンポジウムに参加し、アパルトヘイトについて改めて考えさせられたとHさんは言う。 ●OHさん 公害の原点と言われる水俣病についての是枝裕和さんへのインタビュー記事を紹介。国が加害と向き合わず責任を矮小化した結果、なお多くの未認定患者が苦しんでいる。加害責任を認めず、患者が放置されている現状は、HPVワクチンの問題も同じ構図だ。ワクチンの危険性を指摘した学者がバッシングされるのも水俣病と酷似している。 ●Nさん 四つの記事を紹介。 ① 脱税が指摘されたトランプ氏が米税務当局と取引し、一族の納税監査を永久禁止とする米司法省の判決が出た。 ② ガザ地区では、医師362人がイスラエルにより拘束され、現在も83人が収監中で獄死者も出ている。 ③ 高市内閣が現行法の米の安定供給や備蓄米に関する国の責任を放棄し生産者などに責任を押し付ける食糧法改定案を国会に提出した。国産米が食べられない国になるのではと農民連会長の長谷川さんは危機感を募らす。 ④ 政府自民党は、長期戦を前提とする「継戦能力」の強化のためとして自衛隊の戦闘能力の維持を強調しているが、国民の食料やエネルギーの確保などの具体策は軽視しており問題だと、東京大学の鈴木宣弘さんは言う。 次回は7月4日(土)で、高槻市にあるJT生命誌研究館へのFW訪問を行う予定です。 - |