ハンナ講座 やさしい社会問題 第68回講座(2026年5月9日)まとめ 「格差の問題から今の社会や人間のあり方について考える」 新緑が鮮やかな季節となりましたが、日中は少し汗ばむほどで、すでに夏の暑さを予感する中、今回は久しぶりに新たな参加者を迎え、自己紹介のあと、いつものように講座を開催しました。 ●OHさん自己紹介およびOさんによるPDSDの記事紹介などに関連して発言。 前回Nさんが紹介した戦争トラウマに関する映画と同じ体験を自分もしている。父親の暴力の連鎖が自分にも現れ子育てにもその影響が出ていたが、人との出合いや体験の中で克服できた。これまでの人生の中で様々な困難もあったが、多くの人との交流や出会いの中で自分を見つめられ、前向きに歩んでこられたと語るOHさんの言葉は、戦争トラウマを乗り越え歩んできた人生経験に深く根差した心に響くものであった。 ●SIさん 二つの新聞記事を紹介。 ①「震災復興の暴力性 問い続ける」梅原猛人類哲学賞を受賞した宮城県石巻市在住の写真家志賀理江子さんは、石巻の漁師町で人名に使われていた「褜(えな)」という文字から、災難を幸運に転じる風習が、海で生きる漁師の価値観から生まれたと考えるようになった。そして、巨大な防波堤など、震災からの復興過程が自然との共生を無視した暴力的で破壊的なものだったと感じ、写真制作を通して復興のありようを見つめ続けている。 ②「軍隊も原発もない国を訪ねて」という山極寿一さんの記事。生物多様性で知られる中米のコスタリカは、内戦を経て軍隊を放棄し、また原子力発電所を持たず自然エネルギーで生活している。成熟した民主主義や国民の平和への高い意識と愛国心がそうした政策を後押しし、農業と観光で経済成長率10%を達成し、今後の世界のモデルになるだろうと言われており、見習うべきところがたくさんあると山極さんは言う。 ●Oさん ①ヤンヨンヒ監督の映画「スープとイデオロギー」を紹介。ついに母が教えてくれたおいしいスープのレシピと済州4・3事件の実体験。一人の女性の生き様をとおして国家の残酷さと運命に抗う愛の力を唯一無二の筆致で描きだす。 ②「PTSDの日本兵と家族の思いと願い・第四回大阪証言集会」の案内。記念講演「イスラエル軍元兵士ダニー・ネフセタイさん 私の気づき・戦争と人権」「PTSDの日本兵の家族の証言」「PTSDの日本兵の家族交流会」 ➂「ヒロポンと特攻(相可文代著)梅田和子さんの戦争体験」前回のKさんによる相可さんの本の紹介を受けて、「タチソ(高槻地下倉庫)への派遣」「馬の世話」「朝鮮人労働者へのリンチ」など、梅田さんの戦争への動員体験の詳細を紹介。 ●Uさん 「総選挙一色で視界の外か・再審制度見直しに注視しよう(高村薫)」という記事を紹介。昨年4月から法制審議会の部会で再審制度の見直しが行われてきた。公正で迅速な証拠開示や手続きの簡素化による再審決定の迅速化、検察の不服申し立ての制限など、今こそ国民の人権を守る再審制度の見直しと法の正義確立について注視すべきだと高村さんは言う。 ●OHさん 前回のHさんによる「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の有効性への疑問と副反応の危険性についてのパンフレットの紹介に関連して、それを裏付ける年齢階級別罹患率などの各種データを紹介(前回のパンフもOHさんからの紹介)。このデータからも分かるように、若い層や子どもの罹患率や死亡率は低く、2年に1度の検診をすれば前がん段階で発見できるので、副作用を考えると若い層や子どもへのワクチン接種は必要ないということになる。 ●Nさん 二つの新聞記事を紹介。 ① PFAS(有機フッ素化合物)マウス胎児に悪影響。安全とみなされている水道水レベルの濃度でも、PFASを含んだ水を母親が飲み続けると胎児に悪影響を与え将来世代に受け継がれる可能性があると、マウスを使った実験結果をオーストラリア・アデレード大学の研究チームが発表した。 ② 極端な高温で食・農が限界点。国連の世界食糧計画(FAO)と世界気象機関(WMO)が各地で多発する極端な高温が世界の食料生産と農業を脅かしているとする報告書を発表した。気候変動が現在のペースで進めば、世界の食料・農業システムが回復不可能な限界点に近づくと警告し、温室効果ガスの排出削減を強く求めた。 次回は 6月13日(土)の予定です。- |