ハンナ講座 やさしい社会問題 

第66回講座(2026年3月14日)まとめ

「格差の問題から今の社会や人間のあり方について考える」

3月になってからもまだ少し寒いですが、少しずつ春の気配が感じられる中で講座を開催しました。

 

Uさん

①3月20日(金)に長谷川書店水無瀬駅前店で行われる予定の小川てつオ「ホームレス文化」出版記念のブックマーケットやトークの紹介。トークはホームレスの小川てつオさんと作家の姜信子さんのお二人。

②新聞記事を二つ紹介。

・ドキュメンタリー映画「父と家族とわたしのこと」(島田陽麿監督)の紹介記事。世代を超えた戦争トラウマによる虐待や暴力の連鎖の中で、当事者たちの苦悩と希望への歩みを見つめたドキュメンタリー。この映画は戦争によって後の世代に起こることを描いているが、戦争に関わりがなくても家族の問題や様々な生きずらさを抱えている人にも届いてほしいと島田監督は語る。

・三牧聖子さんのコメントプラス「スペイン反戦 日本のあるべき立場」という記事を紹介。スペインのサンチェス首相が米国とイスラエルによるイラン攻撃を国際法違反だと非難した。アメリカ追従の政策に順応・諦観している日本の私たちも考えるべき多くの論点を含む演説だったと三牧さん評価する。

・カナダのカーニー首相が国際会議で米国を中心とした国際秩序の断絶を語り、「ミドルパワー(中堅国)の結束を呼びかけた。中堅国の結束と大国との対話によって国際秩序を作る大切さを実感する演説であったと、コラムニストの吉岡桂子さんは言う。

Fさん

2024年兵庫県知事選挙でネットによる誤情報などによって斉藤元知事が再選された背景には、ヘブライ大学教授のノア・ハラリさんがその著書(サピエンス全史)で述べた「虚構を共有するという人間の本性」が関係している。人間の本性がそうであれば、我々は正解とされるものを鵜吞みにせず、少しでも蓋然性の高い解答を推論する訓練をしなければならないと、日本総合研究所の藻谷浩介さんは言う。

Hさん 

今なお厳しい軍政と内戦が続くミャンマーから避難して日本にきて出産・子育てをしている母親の思いや日常の奮闘を綴った福島在住の詩人・和合亮一さんの詩「一番星よ(ミャンマー語訳付き)」を紹介。

Mさん

新聞記事を二つ紹介。

 「私は米国人だ」戦時中に強制収容を拒否し、戦後不当な判決を無効にする裁判で勝利したフレッド・コレマツさんの半生を描いた劇をサンフランシスコの小学生たちが演じた。コレマツさんの弁護をしたデール・ミナミさんは「今同じことが起きている」と言い、日本人街でコレマツさんの追悼集会に参加した人は「今、コレマツさんが生きていたら移民の強制送還に反対し「声をあげろ」と言うだろうと述べた。

 外国人や移民をめぐって、日本でも、政治家が選挙などで争点化し、様々な意見や主張がされている。日系移民のピ二ロス・M・Ⅾ・ケンジさんは、人口減少社会を迎える日本にとって、包摂を前提とした制度設計へとかじを切ることが建設的な選択肢ではないかと言う。一方、不安定な生活や将来の不安から移民反対・制限を主張する人もいる。また、SNSが外国人や移民を争点化する役割を果たしており、外国による論争工作の疑いも強くあり、情報リテラシーの必要性や規制なども必要だと一橋大教授の市原麻衣子さんは言う。

 

次回は 4月11日(土)の予定です。