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ハンナ講座 やさしい社会問題
第64回講座(2026年1月24日)まとめ
「格差の問題から今の社会や人間のあり方について考える」
新年を迎え、厳しい寒波が続く中、今年最初の講座を開催しました。
●Kさん
「在日団体・弁護士排外主義抗議」と「三重県最初伊賀市が職員に外国人枠導入」の記事を紹介。
三重県知事が外国籍職員の採用を見直す方針を表明したことについて、在日コリアン団体と弁護士有志が「社会に広がりつつある排外主義に迎合するものだ」などと抗議し方針の撤回を求めた。一方、三重県伊賀市は2025年度の市職員採用試験において県内の自治体で初めてとなる「外国人枠(事務職)」を設けることを発表した。外国籍職員の採用をめぐって排外主義的な対応と多文化共生の推進という、相反する行政の姿勢が同じ県内で鮮明になり、今後、全国的にも同様の事態が起こることが想定され、国の対応も含め、外国籍の人の職業選択の保障や排外主義的な対応の是非など考えていく必要がある。
●Hさん
昨年ハンナのFWで行った神戸長田のナドゥリミュージアムで講座があったので再度行ってきた。前回のFWで十分わからなかったことなどを学習でき、一過性の学習ではなく継続して学ぶことが大事だと感じた。1月25日に、映画「港に灯がともる」の中の食べ物に焦点をあてた、監督などによるトーク会が神戸元町の書店1003で開かれるので行ってこようと思う。
●Uさん
「日本最難関の灘中学の国語の入試問題でガザ地区のパレスチナ人の子供の詩が出題された」という記事を紹介。SNSや教育関係者の間で賛否両論の大きな話題となっているのは、パレスチナの現代詩「おうちってなに?」と「おなまえかいて」だ。灘中の出題の意図は、国語の読解を通してこれまでも同校が大切にしてきた民主的な社会の構成員として欠かせない思考力や判断力を問うということだが、題材が社会的・政治的な内容を伴うものだけに、中学校の入試問題として適切かどうかなど、SNS等では議論が分かれている。
●Mさん
@「原発回帰 置き去りなのは」と「不安抱えた再稼働 原発に国の未来は託せない」という記事を紹介。
東京電力が新潟県柏崎刈羽原発を再稼働させた。国の原発最大限活用の政策に沿うものだが、福島原発の事故以来の安全性への疑問や、専門家や政治家はもちろん住民を含めた熟議や合意も不足している中での再稼働に、国民自身が当事者としてどう向き合っていくのかが問われている。
A「力と交換様式」「トランスクリティーク」「世界史の構造」(いずれも柄谷行人著)「人類はどこで間違えたのか」(中村桂子著)「共感革命」(山極寿一著)などの本を紹介。
現在は人類の歴史の中で、様々な課題が錯綜している大きな転換の時代。人間とは何か、世界はどうなっていくのかなどに関心を持ってきたが、これらの本はそうした問題に向き合っている。柄谷は、マルクスに依拠しながら、社会の上部構造は自律性をもっており、それは下部構造の交換様式からくる力によるものだという。そして、現在の問題に満ちた「資本・ネーション・国家」の三位一体の世界はやがて互酬性と協同性を基盤としたアソシエーション社会へと転換していくだろうと予測する。一方、中村は人間を「すべての生命体の中の人間」として傲慢さを捨て他の生命と共生すべきだと説き、山極は弱まっている共感力を取り戻すことこそが人間の未来を創ると説く。人間と社会の問題は、危機の現在において喫緊の問題であり、これらの本を参考に考えていければと思う。
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