ハンナ講座 やさしい社会問題 

第55回講座(2025年2月8日)まとめ

「格差の問題から今の社会や人間のあり方について考える」

昨日から、関西では今年初めてのかなりの積雪があり、真冬の寒さの中、講座を開催しました。

 

●Fさん

いちむらみさこさんの「ホームレスでいること」をもとに、ホームレスについての考えを交流する特別講座を4月12日(土)に開催することの提案・了承。

●Kさん

@群馬県桐生市の生活保護申請に関する不適切対応を取材した「半減した生活保護利用・窓口で何が」という記事を紹介。申請権侵害・不当な申請抑制・保護費管理の強制等多くの問題が明らかとなった。

A奥田知志さんの著書「逃げおくれた伴走者」を紹介し、Kさんの妻が奥田さんと親戚関係であることやホームレスとKさん自身の出会いや思いなどについて言及。

●Uさん

@「キョ―トット通信第5号」を紹介。昨年キョ―トット出版から出版された小川てつお著「ホームレス文化」の紹介とそれに関連してホームレス文化についての原島康晴さんの文が掲載されている。

A地下鉄サリン事件30周年に際して、サリン事件を扱ったドキュメンタリー映画を制作した森達也さんのメッセージ記事を紹介。社会の一つの見方に染まらず自分なりの視点を持つことが 大切だと言う森さんのメッセージは、情報などの同質化が進む現在の日本社会に大きな警告を発している。

B近々上映される映画「事実無根」の柳裕章監督の「京の喫茶で挫折を生き直す」という記事を紹介。柳監督自身、東京で挫折を味わって京都に移住し救われた経験から京都を舞台に撮影をしたと語る。

●Hさん

@大阪コリアタウン歴史資料館特別企画展「猪飼野今昔写真展」と「足代健二郎さんのマイ猪飼野ヒストリー」というイベントを紹介。

A京都のフリーマガジン「ハンケイ500m」掲載の、映画「事実無根」のモデルとなった京都の「そのうちカフェ」の店主・浅井琢也さんへのインタビュー記事を紹介。浅井さんは、分断が進む世の中を少しでもよくしたいという思いからボーダーレスな人々が好きなことを言い合える場所を目指している。映画「事実無根」の予告チラシも紹介。

●SEさん

@「ふるさと納税本当にオトク?」という記事を紹介。住民が享受できる公共サービスの総量はふるさと納税を利用しないケースで最大となる。問題の多い制度であり住民の生活向上にはつながらない。

A「礼儀正しい日本人?」という記事を紹介。観光客のマナーの悪さの例を筆者は列挙するが、実はそれは、外国人ではなく過去の日本人観光客の姿であった。マナーは国民性や民族とは何の関係もない。

●SIさん

「断絶のS字社会 蛇は何思う」という中村文則さんの投稿記事を紹介。現代は保守とリベラルが押し合って争いと断絶のS字社会になっているが、本来人間を含む生物は保守的であり、改革を目指すリベラルは本能より面倒な理性に働きかけねばならず難しい。リベラルへ優しく誘う、蛇のような脱皮は私達には無理なのか?

●Mさん

  「働く尊厳を取り戻すために」という米政治哲学者・マイケル・サンデルさんへのインタビュー記事を紹介。サンデルさんは、新自由主義による富の偏在に留まらない、労働者への尊敬や名誉、承認をめぐる不平等感と暗黙の侮辱がトランプ政権を生み出したと言う。そして、生産者としての労働者の働く尊厳を取り戻し、共通善に基づく市民の共同体と公共の地域社会の再構築が求められると言う。

  

 

次回は、3月8日(土)の予定です。