ハンナ講座 やさしい社会問題 

第50回講座(2024年9月7日)まとめ

「格差の問題から今の社会や人間のあり方について考える」

まだまだ真夏のような暑さの中での開催となりました。今回は大黒柱のコーディネーターが欠席となり、参加者で役割分担をして進行しました。感想や意見交流の様子をまとめるのは難しく省略させてもらいます。紹介された資料を一部抜粋して載せます。


(Hさん)
スイカ美術館の紹介
「2024年9月6日から10月5日迄、パレスチナ/ガザへの人道支援チャリティを目的とした無審査・アンデパンダン形式の公募展」http://hrdfineart.com/exb-watermelon24.html
映画「ワタシタチハニンゲンダ!」の紹介
クロスパル高槻で10月6日上映。監督は高賛侑(コウ・チャニュウ)さん。
外国人学校に対する官製ヘイト、技能実習生、難民、入管の実態など外国人差別の本質にせまる。https://ningenda.jp/

(Uさん)
この夏NHKで特攻の番組を見た感想と関連記事。
2024年8月13日京都新聞、〜家族と戦痕〜戦場から生還した元兵士は心に深い傷を負った。「戦争トラウマ」近年注目される。
@アナウンサー桑原さんは出征兵だった父親の壮絶な体験を日記で知る。帰ってきた兵士の家族も地獄。
A日本社会は長く戦争による心の傷に向き合わなかった。影響は今も残っている。
B2023年10月14日朝日新聞、田中泯さんインタビューより「管理・型・商業主義身体性失った表現現状にムカムカ」「我を手放し自然へ生命の奇跡を思う人の存在こそ踊り」
〜大勢って危険な感じがする。その時だけ『共同体』になるのがこの時代のやりとりなのかもしれませんが、そこに偶然紛れこんじゃった僕にあるのは、やっぱり違和感なんです〜


(Sさん)
2024年8月17日毎日新聞。「近代史の扉」井上寿一さん
〜戦争体験を継承すべきことに異論はないが被害視点だけでは不戦守れず。生存証言にこだわらなくてよいのではないか。継承すべき記憶は広範な史料にも存在する。私たちが能動的な継承者にならなければ。第一次世界大戦後生存者がいても第二世界大戦は起きている。考えた事を自分の言葉で表現する。被害者であり加害者であった戦時下の日常を直視すべき〜。

(Fさん)毎日新聞2024年8月31日記事。米が買えない本当の理由。元農水官僚の山下一仁さん
〜減反政策こそ主因、生産態勢ギリギリ、目指すべきは増産。50年も減反し続ける国はない。どんどん米を作って輸出すべき。米は日本がほぼ国内で生産できる唯一の穀物。有事などで輸出入が止まった時、輸出の米を国民の食料に充てる。日本はいつまでも国内の米価を高く維持することだけに注力するつもりなのか〜

(SIさん)
2024年5月14日京都新聞。
現論@「ガザ襲う飢餓、地に落ちた尊厳」藤原辰史さん
〜イスラエルによるガザへの意図的な飢餓。封鎖による飢餓政策は良心の呵責をあまり抱かずに大量に人を殺す極めて悪質な行為。サピエンス全史のハラリはイスラエルを批判するが、撤退の勇気を持たないイスラエルとずるずる戦争を続け原爆を落とされた日本との比較は浅すぎる。なぜ土地を奪いパレスチナ農民に農業をあきらめさせたと言わないのか。なぜパレスチナの農地にモンサント社の除草剤を散布しても裁かれないのか。ハラリも日本やドイツも犯罪を覆い隠してきたことこそ問わねばならない〜

2024年8月27日、現論A「生きものが祝福する再生」藤原辰史さん
〜学生たちと歩いたダークグリーンに輝く水俣。3日間はかけがえのない思い出。澤井健太郎さんの担う事業体「もじょか堂」七面鳥農法のレモン。七面鳥は終身雇用。石牟礼道子さんが住んでいた家に京都からやって来た古書店「カライモブックス」が水俣にある幸せ。「魚湧く海」といわれた水俣湾、チッソで封鎖されたがふたたびその美しさを取り戻す。ちりめん漁を営む杉本さんの患者であった母親は漁に出て元気が湧いてきたという。海に湧くのは魚だけではなく力も湧くのだ。「水俣は水俣病より大きい」民俗学者、谷川健一さんの言葉。環境省、水俣病被害者との懇談会、マイク音の遮断。水俣病事件の歴史に耳を閉ざす者は、生命の湧く海と森の豊穣さに耳を閉ざす。水俣から日本の首都はまだ何も学んでいない〜

2024年9月3日京都新聞「現代のことば」鴨志田祐美さん
〜9月26日袴田事件は再審無罪判決は確実だろう。しかし死刑恐怖に晒された巌さんの悲劇を繰り返さないために再審制度を改革しなければ。8月18日京都弁護士会「今変えんと。再審法〜新聞記者と語る、他人事ではない『えん罪』という名の地獄〜」シンポジウムの報告。ペンの力で自民党総裁選の候補者にこの問題に向き合わせたい〜

2024年9月3日京都新聞「凡語」ドキュメンタリー「マミー」の映画について。


最後に
この講座では資料などをもとに、個々が思う疑問や気持ちを出して交流しています。それついての考えは違っていても批判することはありません。一回きりの参加も大丈夫です。興味のある方はハンナ迄。次回は10月12日です。