ハンナ講座 やさしい社会問題 第48回講座(2024年6月22日)まとめ 「格差の問題から今の社会や人間のあり方について考える」 今回は大山崎町で農家をされている島照子さんを迎えて、食料自給や食の安全供給の問題などについて共に考えていくことになりました。体調を崩しやすい季節ということもあり、コーディネーターの方など当日2名の欠席が出て、進行などに不安が出ましたが、参加者のみなさまのおかげで無事終えることができました。 最初に島照子さんから農業従事者として現状や思いを語って頂きました。30数年前に大山崎町に嫁いできてから兼業農家として、お米、たけのこ、くわいやれんこん、露地野菜を作ってきた事。数年前に田畑の仕事を担って来られたご両親から農地を引き継がれ、農業を引き継ぐか迷われたが、夫婦で話し合い引き継ぐことにしたこと。米作りの手順。トラクターなどの機械は欠かせず買い替えには費用がかかること。シカなどの動物の被害もあること。最近は気候の影響が大きく、昔の方法が通用しなくなっているなど。高温に強い品種改良も行われつつあるが、気候変動はどうしようもなく受け入れるしかないとの思いも話されました。また島さん自身、最初は無農薬をめざしていたが、家庭菜園では可能でも、なりわいとして考えた時に大変難しいことに気が付かれたこと。適正な価格とは?消費者、生産者の立場、農家にも色々な販路があり、それについての思いも語ってもらいました。 〈資料として提示して頂いた新聞記事〉以下一部抜粋 23年度の農業白書→輸入穀物や食品などが高騰する中で「国民一人一人の食料安全保障を確立」が問われているが、白書ではその書きぶりが弱い。水田をはじめ農地をどう維持し、担い手を確保するか。政府として具体的な道筋を描くことが食料安保を確保する上で欠かせない礎となる。コストの転嫁が難しい農産物については「合理的な価格の形成に向けた対応の推進」という文が盛り込まれた。これまでは「適正な」価格形成となっていたが、なぜ「合理的」となったのか。誰にとっての「合理的な価格」なのか問いたい。国内の生産基盤は弱体化、担い手は減り続け、スーパーなどからは不当な安値を求められ、離農も相次いでいる。農村を大事にする国づくりを求めたい。 このような現状を踏まえ、お話からはこれからなりわいとして農業をされる若い人たちをどう支えていくのがよいのかと葛藤されるお気持ちも話されました。 島さんから最後にまず立場の違いを知って共有する事が大事では、と話された事が印象に残りました。土を耕すように自分の考えも日々耕していかなくては、と感じました。 やさしい社会問題は月一回(土)で開催。疑問に思う事や気になる事などを交流する会です。ちょっと誰かに話してみたい、あるいは誰かの話を聞いてみたいと思う方はお気軽にハンナまでご連絡ください。次回は7月20日です。
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