鹿苑寺金閣 (1/70)


 


製作のコメント

 
  こう見ると金閣は、いままで作った木造建築の中で
一番こじんまりとしています。

  完成までには、こんな経緯がありました。

ベースと二層床、三層床の色は、カシュー(黒)を
何回も塗って光沢をだしました。

  最終段階の各層の接着で、いかに床(天場)の中央に固定するか考え、
二層目を載せた時にズレないよう隙間をなくすようにしました。
初層壁の内枠に3本の柱を立てることで隙間をなくし、
二層床の接着が、ズレルことなく中央に固定できました。
三層目では接着面が狭かったので、二層目の屋根の天場に
巾6ミリ程度の接着板を付けて接着面を広くして、
三層目を安定に固定することができました。

  他に鳳凰のベースの中にバルサ材を埋め込んで
接着面を広くしたり、漱清の固定では、断面の接着の他に、
双方の床下に板を貼って接着面を広く取りました。

  一番の難関は、屋根材の取り付けでした。
金閣は合わせ目にごまかしが効かないのである。
二層目で、屋根受けに屋根材を接着していったので、
4枚目でどうしても隙間が出てしまいました。
三層目では、屋根材のみで屋根の枠を組んだ後、
屋根受けに接着することで、隙間をなくすことができました。

  風鐸では、隅垂木の接着中に根元から折れたのが2個発生し、
風鐸にドリルで穴を開け、まち針の先端を代用しました。

  屋根裏の金箔の貼り付けは、予め屋根裏の寸法に切った後、
屋根裏が完全に固定された後に、屋根裏に ボンドを塗って貼るべきでした。
二層の部分で手順を誤り、屋根裏が弓なりに反ってしまいました。
三層目では克服、手順を誤るとしわや反りに発展しかねないので
金箔の貼り付けは貼られる部品の反りを考慮して行なう必要があります。