棺桶ジャズの一番手にあげのはアル&ズートの
 モータリング・アロングっていうアルバムです。
 自称ミミスペシャルアルバムでございます。
  メロディックな詩情感とジャズのスィンギーな
 アドリブの展開が小気味よいほどに響く。
  このアルバムのいいところは、パーランの参加にある。
 彼の独自な左手奏法は健在であり、アルバムに華を添えている。

  協調性に富んだインタプレイが生み出す高い音楽性。
 寛ろぎに溢れた爽やかなスウィング感が
 大人の風格をもつ香り高いジャズの真髄を聴かせてくれるアルバムだ。

  このアルバムはアルとズートが北欧諸国で演奏活動を行うよう要請され、
 渡欧した際に録音されたアルバムである。
 この演奏旅行にはアル&ズートの2人だけが呼ばれ
 現地で活躍しているミュージッシャンが共演することになった。
 ユーゴ・ラスムッセン(ベース)とスヴェン・エリック・ノルガード(ドラムス)は
 共にデンマーク・ジャズ界きっての逸材であり、
 アル&ズートのプレイを見事にサポートしている。
 さらし嬉しいことはパーランの参加であろう。
 彼はこのアルバム録音の5年前に渡欧して以来
 その活躍を全く聞かなくたってしまったが、
 久方振りの新作の録音を済ませた後に再びユニークなスタイルを引っさげて
 我々の前に姿をあらわしてくれたのだ。
 彼は小児麻痺によって右手が不自由で、
 彼独自の左手奏法は見事であり健在である。
 それがこのアルバムの華やかさを兼ねそなえている。
 まさに夢の顔合わせアルバムと逝っても過言ではあるまい。

 LPは全6曲、CDは別テイクが3曲追加となっており
 聴き比べができて嬉しい。
 
 
  
モータリング・アロング/アル・コーン&ズート・シムズ

 (第1面)
 1.ストックホルム−L.A.
 2.マイ・ファニー・ヴァレンタイン
 3.ヤード・バード組曲

 (第2面)
 1.モータリング・アロング
 2.フォーリン
 3.ホワット・ザ・ワールド・ニーズ・ナウ

 
 
【パーソネル】
アル・コーン(テナー・サックス)
ズート・シムズ(テナー・サックス)
ホレス・パーラン(ピアノ)
ユーゴ・ラスムッセン(ベース)
スヴェン・エリック・ノルガード(ドラムアス)

  


棺桶に持ち込みたいアルバム