Cool Struttin(Vol.2)/Sonny Clark




  昔ジャケ買いした作品の一つであり、ゆかりの多い作品でもある。
 モダンジャズ史の残る永遠のベストセラーアルバムが故、
 ジャズを聴く人は知らない人はいないくらい有名なアルバムである。
 なぜか不思議なのは、何度聴いても飽きることを忘れさせてくれる。

 それは何故なのかを、探るべく、当時ブルーノートが、東芝EMIに移籍する前、 キングレコード時代に購入したアルバムのライナーノーツを覗いてみると・・・

  クラークは31歳の若さでこの世を去ってしまった。
 サイドメントとしての参加のアルバムは数多いが、リーダーとして残した
 アルバムでこの「クール・ストラッティン」の人気は抜群である。
 クラークのピアノは堅くなったところが全然ないこと、更に強いブルース
 感覚。そして何よりも特筆したいのが、クラーク自身が選んだメンバー
 著名なアーティスト揃いにある。
 その一人一人がすばらしいアドリブソロを披露していることだ。
 これは人気と飽きさせない所以でなり功を奏している。

  このジャケの美脚はブルーノートの創設者アフルレッド・ライオン氏の
 あと妻ルース・メイソンだそうです。
 美声であり美貌でもある、アルバム「ムーズ」のジャケに採用している。

 このジャケデザインにあやかってこんなビデオも出回ってるほどだから
 人気の高さがうかがえる。
 ジャズ評論家市川正二はこの作品にこんなコメントを残しているので
 記載する。

  スリット入りのタイト・スカートを履いたキャリア・ウーマンらしき女性が
 さっそうとマンハッタンを闊歩しているジャケットもかっこいいが、
 演奏もこれまた最高にかっこいい。
 ジャズに限らず音楽には、その時代の空気を真空パックして後世に伝える
 タイム・カプセル的効用があるが、1958年録音の本作を聴くと、
 即座にあの時代にタイム・スリップできる。
 なにしろこのアルバムには、これぞハード・バップ、
 これぞファンキー・ジャズといった空気が充満しているのだ。 
  なにがいいといって、まずソニー・クラークのオリジナルが泣かせる。
 覚えやすいメロディのタイトル曲で聴く者の心をぐっとつかみ、
 マイナー・ムードの< Blue Minor>でダメ押し。
 この2段攻撃はすこぶる強力で、あっという間にその世界に引き込まれてしま う。
 アート・ファーマー&ジャッキー・マクリーンをフロントとする2管クインテットは、
 ハード・バップ時代の王道といえる編成。
 そして、そのマクリーンの泣きのアルトが情感たっぷりで、
 これまた素晴らしい。


 Side.1
 1.クール・ストラッティン
 2.ブルー・マイナー

 
Side.2
 1.シッピン・アット・ベルズ
 2.ディープ・ナイト





 【パーソネル】
 アート・ファーマー(トランペット)
 ジャッキー・マクリーン(アルト・サックス)
 ソニー・クラーク(ピアノ)
 ポール・チェンバース(ベース)
 フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラムス)


 

プラグド・ニッケルのマイルス・デイビス




  マイルスを聴かずしてジャズは語れない、と言われるほど、
 マイルスは沢山のアルバムを世に送り出した。
 優に1200点を超えるほど、ジャズ史を塗り替えてきた程だ。
 この作品はシカゴにある「プラグド・ニッケル」という
 クラブで行われた伝説のライブ。
 このライブが行われる前、様々な若手ジャズミュージシャンを擁して
 バンドを組んできて湧き出る創作意欲と共にスタジオ録音等も手がけ、
 その活動は順風満帆であった。ところが思わぬアクシデントで体調を崩し、
 それからの復帰したのが本作のライブなのだ。
 ライブでしか見せないマイルスの強面が感じられ、
 荒々しく勢いを感じる演奏となっている。

   このプラグドニッケルのジャケットデザイン。
 当時何を隠そう全く理解できなかった。
 長い年月の果て、今の職場に入ったら意味が理解できたのである。

  謎に包まれたジャケットのデザイン。
 今となっては廃棄同然の化石と化した過去の製品に
 実装されたと思われるIC(12pin)の内部を
 拡大撮影されたものであるが、
 これが後の重厚長大から軽薄短小へと時代が変わる。
 その突破口の鍵を握った、橋渡しをした
 ICの原点であったかも知れない。
 当時としては偉大な発明で驚異的存在だっんでしょう。



  MILES DAVIS
  At Plugged Nickel,Chicago


   SIDE ONE
  1.ウォーキン
 2アジテイション

  SIDE TWO
 1オン・グリーン・ドルフィン・ストリート
 2ソー・ホワット
 3ザ・テーマ

 

  MILES DAVIS
  At Plugged Nickel,Chicago Vol.2


   SIDE ONE
  1.ラウンド・ミッドナイト
 2.星影のステラ 

   SIDE ONE
 1.オール・ブルース
 2.イエスタデイズ
 3ザ・テーマ



 【パーソネル】
 マイルス・デイビス(トランペット)
 ウェイン・ショーター(テナー・サックス)
 ハービー・ハンコック(ピアノ)
 ロン・カーター(ベース)
 トニー・ウィリアムス(ドラムス)