|
|
ランタン谷(ネパール)
ランタン谷、世界で最も美しい谷のひとつ(1949年イギリス人探検家ティルマンの言葉)。ランタンという単語の響き、美しい谷という言葉に惹かれ、谷を目指してカトマンドゥからバスに乗り込む。静かな谷の中で自分自身を見つめるトレッキング。夜の星空も一級品、暖かい暖炉を取るか、星のシャワーを浴びるか?仰ぎ見た白い銀嶺の向こうはすぐチベット。
(2006.01)
|
|
パンク修理中のローカルバス
ビッグサンダーマウンテン、スプラッシュマウンテン、そしてスペースマウンテン。そんな言葉が出てくるほど、きつく揺れ、しかしハプニングを楽しむ12時間のTATA製バスの旅となった。カトマンドゥからランタントレッキングの出発地、シャブルベシへ向かう。屋上にもたくさんの人。ひさしぶりの埃の中の旅行、ひさしぶりのトレッキング、ひさしぶりのチベットに気持ちは高ぶる。こんなこともあった。自分は、旅行社の手違いでバスを1便間違えた。途中でバスを降りろという。そんなのは無茶すぎる。同乗するチベタン大学生も助けてくれ、後でバクシーシをやるからこのまま乗らせろとうそぶき...結局、お金をやるはずもなく無事シャブルベシに到着。
|
水力マニ車
トレッキング1日目で見つけた、全く合理的な、お祈りマシーン。水の力でマニ車を回すことによって永遠に祈っていられるわけである。シャブルベシを出発した1日目は、ジャングルの中をひたすら進む道のり。牛も猿も、冬なのに野花までも迎えてくれた。しかし、ランタンの山はほとんど見えない。
|
|
ランタンリルンの赤焼け
トレッキング1日目、ガイドブックの宿泊地はラマホテルという集落だったが、ランタンの山々を見たいという気持ちでさらに先へ進んだ。山が見えない宿には泊まりたくなかった。陽が暮れるころ、グムナチョクという地点にある、チベット人の若夫婦が経営するリバーサイドゲストハウスからランタンU(6561m)、そしてランタンリルン(7234m)の赤焼けが見えた。今日はここに泊まろう。ちなみに、このトレッキングでは前にも先にも2つのランタンを代表する山の夕焼けを同時にきれいに拝めれる場所はなかった。そういう意味ではお薦めの宿である。
|
暖炉がわりのかまど
リバーサイドゲストハウスのかまど。ここで、もちろん湯を沸かし、料理を作るのだが、暖炉にもなっている。会話の場となるのだ。宿のチベタン夫婦と他愛ない会話をする。側に川が流れ、木々が生い茂るウッドランドに建つこのゲストハウスの夜は、意外に静かである。明かりのない世界で星の下の一服は最高に気持ちが良い。
|
|
チベット人家族
2日目、リバーサイドゲストハウスを出発し、しばらくすると標高3000mまで達する。樹林帯を抜けるこのあたりから、ジャングルから低木に変わり、見通しが良くなってくる。理想の谷の姿となる。ランタン手前の村で紅茶休憩。かわいい子供が元気よく遊んでいた。ところでネパールのトレッキングでは紅茶を飲むことが多い。ストレートティやミルクティ、レモンティと何でも揃う。疲れているのでレモンティは格別に身体に効く。
|
ランタン村の子供たち
ランタン村の入り口で子供とすれ違った。シャイのくせにチョコレートが欲しいという。チョコは虫歯になるかもしれないのであげない。かわりにペットボトルに付いてくるようなおまけのおもちゃ(もちろん日本で...)をあげた。そして、カメラを向けるとこのポーズ。
|
|
ランタン谷を進む
ランタン村は、人が少なく寂しいトレッキングルートの中で唯一、人が少なからず住んでいる。開けたきれいな形の谷に、おばあちゃんと孫が歩いてゆく。どこへいくのだろうか。ガンチェンポというこれまたきれいな山を正面にして歩いていった。ランタン村で日本へハガキを出してみた...5ヶ月経っても届いていないらしい。
|
ランタン村
ランタン村は、戻るときに宿泊した。そこまで明るくはないが電気も付き、ソーラーシャワーも設備されている宿も多く、トレッカーも多い。自分のような個人旅行者にとっては、他のトレッカーとの会話が楽しい。イングランドのおじさん、スロベニア出身の女性や彼らのガイド達と石投げゲームをした。ゲームをしている最中にも遊び相手が増えていく。夕方のランタンの谷に子供になった大人たちの声がこだまする。夜は日本人のおじさん達と話をする。自分よりも年上の人と話すのは楽しい。
|
|
ギャンジン・ゴンパ
ランタン村からこのトレッキングの目的地、ギャンジンゴンパ(3800m)までは、木も少なくなり、荒涼とした谷を歩いていく。日陰の部分を歩いていると、こういう闇の風景が月にいるように思えるのかも。ギャンジンゴンパ...雪のかぶった山々に囲まれた茶色の大地にロッジが立ち並ぶ場所であった。名前の由来、ゴンパは鍵を持っている人がランタンに行ってしまったという事で開かない。チーズを作るロッジ(工場?)もあるらしい。
|
きれいな空気を吸う
ギャンジンゴンパに着いた時には、もう夕陽が落ち、暗くなってきていた。それぞれの峰の高い部分が赤く照らされる。2日でたどり着いた目的地で大きく深呼吸する。達成感が満ち溢れる。ギャンジンゴンパはロケーション美がある。映画のシーンに出てきそう。ランタン谷は、暖かい季節には色とりどりの花が咲くらしい。青いケシの花も咲くらしい。残念ながら、自分がトレッキングした季節は真冬だが、花の咲く鮮やかさと銀嶺を見れば確かに世界一になるのだろう。
|
|
月がのぼる
ギャンジンゴンパが闇に包まれ、月が出てきた。月のかすかな明かりが山を照らす。月は明るい。外は寒いが、ロッジの中は暖炉を囲み、旅人たちが語らう。ガスランタンがともされる。このトレッキングの食事は、ネパールの主食ダルバート、焼き飯、パスタ、ピザ、パンケーキ、イモ料理...と何でも作ってくれる。特に美味しかったのは、ポテトモモ(チベット風餃子のモモとは違ってデカイ、イモ料理)とシェルパスープ(カレー風味)。
|
ギャンジン・ゴンパの夜空
星空の写真も撮った。北の方角(のつもり...)を2時間流してみた。星のことはあまり知らない。北極星がどれなのかすらよく分からない。言い訳をすれば、ギャンジンゴンパで見る星は、数が多すぎて、どれが明るくて暗い星なのかも区別がつかない。でも、星はただ眺めるにしても知っていた方が面白いと思った。
|
|
ランタンリルン(7234m)とリルン氷河
3日目、展望が期待できるということで、ギャンジンゴンパより、小高い山のピークを目指した。ランタン谷の最奥方向が望め(滑走路があった)、ギャンジンゴンパは小さな粒に見えるようになるころには、写真のようなランタンリルンと氷河の迫力ある姿に対峙する。標高は4000mを超えるため、息が苦しくなる。牛歩戦術で尾根を進む。そして、タルチョがはためくピークが見えてきた。
|
ギャンジン・リ
このトレッキングの最終地点、ギャンジン・リと呼ばれるピークに着いた。360°パノラマで地球はまるいと感じる。ランタンの山々に向かいひざまづき、目をつぶり、神々に祈りを捧げる。日本から5日目に着いたこの地で、疲れや感激と共に涙が溢れてくる。トレッキングはこの後、ランタン村へ下り1泊、そして4日目に麓のシャブルベシまで歩ききった。
(2007.04作成)
|
※ランタン谷メモ
旅行 2006年1月/カトマンドゥ→bus→シャブルベシ(泊)→ラマホテル→グムナチョク(リバーサイドホテル/泊)→ランタン→ギャンジンゴンパ(泊)→ギャンジンリ→ギャンジンゴンパ→ランタン(泊)→ラマホテル→シャブルベシ(泊)→bus→カトマンドゥ
ランタンの意味 ランタンという単語の響き、持ち運びしやすいロウソクや電球の照明器具を連想する。ランタンという化学元素もあるらしい。では、このランタン地方の名は?それは、"牛が横たわる"という意味で、牛がチベットから草を探して谷に来たら、草がたくさんあって、お腹いっぱいになって寝てしまったということだそうだ...なるほど。
|