【答88】 @しんしゅく Aしんじく Bあらじゅく Cにいじゅく
[解説]「宿」という字音語の地名用語は、古代官道の駅家(うまや)が中世に廃れて、交通の要所に私設の宿泊施設の「宿(しゅく)が発生したことに始まる。この宿は当然、宿泊機能に加え商工機能・歓楽機能など都市的機能を兼ね備えていた。したがって「〜宿」という名の集落は、江戸時代の公認の宿場に限らず農村部にも多数見られ、ほとんどはすべて〜シュクと音読された。
 「新宿」の場合、公認の宿場に隣接して町場機能(宿泊・飲食・歓楽・物品売買)を持った集落が寄生的に発生、おのずから「新宿」と呼ばれたケースが多い。
 たとえば東海道品川宿は当初、北品川宿と南品川宿の2町だったが、やがて江戸に近い北品川宿の北側に町場が延び、享保7年(1722)に歩行新宿(かちしんしゅく)として正規に品川宿の1町と認められた。
 そのほか、宿場と宿場の中間にできた茶店・昼飯屋などからなる「間(あい)の宿」を「新宿」と称した例もある。BCは「新」の和訓を使った湯桶読みの地名。
   (後略)