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簡易テストボードを作る

回路図

こんな回路を組んでみます。

必要最低限の要素は、 の4つです。(今回は非常に小規模な回路なので、“電源”と“リセット回路”は無くても動作します) それに加えて、8個のLEDと保護抵抗をつけました。

それでは、1つ1つの要素について詳しく見ていきます。

dsPIC 30F4012

今回使用するdsPICデバイスは、30F4012です。
ほどほどのピン数で、値段も手ごろ、内蔵モジュールは豊富…という理由から選びました。 (でも、LEDを点滅させるだけならこんな高性能なもの要りません。あくまで最初の実験用回路ですので…)

上の図は30F4012のピン配置ですが、端子名がやたら長いですね(汗)
どうやら1つのピンに対して、3つも4つも機能を持たせているようです。 各ピンの機能は、プログラムの記述で決定します。今回はLEDを点滅させるだけなので、 単に入出力ポートから信号を出すだけです。RB0〜RB5の“ポートB”と、RE0、RE1の“ポートE”を使用します。


(※ 端子名の前についているスラッシュ(/)は、そのピンの入力が負論理であることを示します)

PICkit2の接続コネクタ

基板側にピンコネクタをつけて、同じ名前のdsPICのピンと配線すればOKです。Vccは電源の+極、Vssは電源の−極 です。このPICkit2からは(ある程度)電源電流が供給されます。よって、今回のように低消費電力な回路で、かつ 単なる実験目的の場合は外部電源や電源回路は不要となります。 dsPICにプログラムを書き込む時は、基板にとりつけたピンコネクタにPICkit2を挿してプログラムを転送するだけです。 従来のようにPICを抜いて、書き込み機にセットして、書きこんで、書き込み機からはずして…という煩わしさが一気に 解消されました。 デバッグとかに便利ですねー。

コネクタには、1番ピンの目印をペン等で適当につけておきます。逆に取り付けると、いろいろコワイので…。

あと、個人的にハマったところは“PGD”端子と“PGC”端子を逆に取り付けてしまった点です。 「PICkit2のピン番号が若い順に、アルファベット順で“C→D”だろう」とか考えてました。 アルファベット順とか意味分からんですね(汗)もちろん、コレ間違えると動作しませんよー

(※ Dは“DATA”、Cは“CLOCK”の略っぽいです。うん、確かにDATAの方が先な感じがする…気がする)

電源

dsPICはクロック周波数を大きくすると100[mA]以上の電流を消費するそうです。それに加えて、アナログ信号を 扱うケースも多々考えられますので、安定化電源回路は確実な動作のために必要な部分だと思われます。

しかし、今回はとても単純な回路なので、そんなこと気にしません。
繰り返しになりますが、PICkit2からも電源は供給されるので今回の回路には電源部は必要ありません。 今後製作する回路のひながたとして利用するために、とりあえず電源回路も付けてみました。


要は、めんどくさかったら無くてもいいよ〜 ということです(爆)

リセット部

/MCLR端子を“0”にすると、リセットされて初期状態に戻ります。そして、再度/MCLR端子を“1”にすると 動作を再開します。よって、通常は“1”にしておくためにプルアップ抵抗を入れてVccに接続します。
あとは、dsPICからの吐き出し電流とかを考えて、スイッチを押すとdsPICからは1kΩの保護抵抗を通して GNDへ電流が流れだす仕組みで…。スイッチと並列に入っているコンデンサは、例のごとくチャタリング防止用です。 積層セラミックコンデンサーとか使います。

クロックについて

10MHzのセラロックを、9・10番ピンにそぉい!とつけましょう。終わり。

dsPICの電流容量

PICシリーズは、入出力端子に流せる電流が大きい(というイメージを個人的に持っています)。 最大定格は、1ピンあたり25mAとなっています。これはLEDを光らせるには十分な電流かと。 ただし、全体での消費電流は250mAなので(Vss端子は300mAまで流せます)、その上限を超えないように だけ注意しつつ…。

ただ、dsPICは普通に発熱します。もし不安な場合はトランジスタをつけてLEDを光らせたほうが無難ですね。 今回の目的はdsPICの開発環境を整えてちょっと動かしてみることなので、LEDは暗くても構いませんし、 長時間稼働させることもありません(と思います)。よって最も簡単な回路というのを優先しました。




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