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犯罪関連用語の基礎知識

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【 わ行 】

- 50音順 -

 

わいせつ、不同意性交等及び重婚の罪
割れ窓理論

 

 

わいせつ、不同意成功等及び重婚の罪

わいせつ、不同意性交等及び重婚の罪

公然わいせつ

刑法174条  公然とわいせつな行為をした者は、6ヶ月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

わいせつ物頒布等

刑法175条  わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。

2 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

不同意わいせつ

刑法176条  次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6ヶ月以上10年以下の拘禁刑に処する。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

2 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。

3 16歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。→ つまり、その対象者よりも5歳以上年齢が上の者)も、第1項と同様とする。

・・・交際している者同士が同意の上でのケースを除外するために設けられた規定。

不同意性交等

2023年(令和5年)7月13日から施行された改正法により、刑法の強制性交等罪(177条)と準強制性交等罪(178条)を統合して制定された罪(刑法177条)。

刑法177条  前条第1項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第179条第2項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、5年以上の有期拘禁刑に処する。

2 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。
3 16歳未満の者に対し、性交等をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。→ つまり、その対象者よりも5歳以上年齢が上の者)も、第1項と同様とする。

・・・交際している者同士が同意の上でのケースを除外するために設けられた規定。

準強制性交等) 刑法178条  (削除)

監護者わいせつ及び監護者性交等

刑法179条 18歳未満の者に対し、その者を現に観護する者にあることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は第176条第1項の例による。

2 18歳未満の者に対し、その者を現に観護する者であることによる影響力があることに乗じて性交した者は、第177条第1項の例による。

未遂罪

刑法180条  第176条から第177条までの罪の未遂は、罰する。

不同意わいせつ等致死傷

刑法181条  第176条、179条第1項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の懲役に処する。

2 第177条、第179条第2項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は6年以上の懲役に処する。

16歳未満の者に対する面会要求等

刑法182条  わいせつの目的で、16歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。

一 威迫し、偽計を用い又は誘惑して面会を要求すること。
二 拒まれたにもかかわらず、反復して面会を要求すること。
三 金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をして面会を要求すること。
2 前項の罪を犯し、よってわいせつの目的で当該16歳未満の者と面会をした者は、2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処する。
3 16歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為(第二号に掲げる行為については、当該行為をさせることがわいせつなものであるものに限る。)を要求した者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。
一 性交、肛門性交又は口腔性交をする姿態をとってその映像を送信すること。
二 前号に掲げるもののほか、膣又は肛門に身体の一部(陰茎を除く。)又は物を挿入し又は挿入される姿態、性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下この号において同じ。)を触り又は触られる姿態、性的な部位を露出した姿態その他の姿態をとってその映像を送信すること。

淫行勧誘

刑法183条 営利の目的で、淫行の常習のない女子を勧誘して姦淫させた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

重婚

刑法184条  配偶者のある者が重ねて婚姻をしたときは、2年以下の懲役に処する。その相手方となって婚姻をした者も、同様とする。

割れ窓理論

割れ窓理論

Broken Windows Theory たとえばビルの窓ガラスを割られたままに放置すると、さらに他の窓も割られ、次第にその建物自体が壊されたり、いたずら書きされたりして廃墟と化していくが、そのような建物があちこちで見られるようになると、犯罪者、非行少年、薬物中毒者のたまり場となって危険地帯となり、地域社会全体が荒廃し、治安が悪化するという理論で、窓が壊されたささいなことでも放置せずにすぐに修復してきれいな窓にしておくことが必要だということである。同様に、地域社会も軽微な犯罪を放置するとさらに重大で凶悪な犯罪が多発するようになり、地域全体の治安の悪化を招くことになるということである。

この割れ窓理論を支える戦略は徹底した取り締まりであり、ニューヨーク市が採用した「ゼロ・トレランス(非寛容)」“Zero Tolerance”がいい例で、この戦略によって治安は飛躍的に改善されたとも言われているが、街角のあちこちに警察官が目を光らせている状態も逆に「快適な生活」とは言えず、学者の間では賛否両論が起きている。

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