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死刑判決ニュース

since 2003


国内での死刑判決および判決公判で死刑判決となる可能性のある判決予定公判を記しています(国外での日本人に対する死刑判決も含む)。

マークの判決予定公判の文章内にある被告人の年齢は判決予定日のときの年齢とは必ずしも一致しない。

死刑判決(予定)日とその裁判所に続いて、ひと目で分かるように事件概要や被告人名を赤文字で記しています。

判決に対する上訴(猶予期間は判決の翌日から2週間)があった場合、その判決についての記載に補足する形で記すようにしています。

参考文献・・・『毎日新聞』など

死刑判決ニュース [ 2003〜2005 ] [ 2006〜2008 ] [ 2009〜2011 ] [ 2012〜2014 ] [ 2015〜2017 ]

[ 2018〜 ] ↓

---判決予定  ---判決済み

<日付は下(↓)が古く、上(↑)が新しい>

★2020年(令和2年)3月16日、横浜地裁で2016年(平成28年)7月26日未明、相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害され、職員を含む26人が重軽傷を負った事件で、殺人罪などに問われた元職員・植松聖(さとし/30歳)の裁判員裁判の判決公判が開かれ、青沼潔裁判長は「計画的かつ強烈な殺意に貫かれた犯行。犯行態様の悪質性も甚だしい」として、求刑通り死刑を言い渡した。植松はこれまでの公判で起訴内容を認め、「意思疎通できない重度障害者は不幸であり、安楽死させるべきだ」「事件は社会に役立つ」と差別的な持論を展開。事件当時の刑事責任能力の有無や程度が最大の争点となった。判決は植松の犯行動機について「園での勤務経験から『重度障害者は周囲を不幸にする不要な存在』と考えた。自分が殺害すれば不幸が減り、賛同が得られ、自分は先駆者になれると考えた」と指摘。「思考障害によるものとはいえない」とし、「到底是認できる内容ではないが、動機の形成過程に病的な飛躍はなく、了解可能」として責任能力はあったと認定した。大麻による精神障害で心神喪失状態だったとする弁護側の無罪主張については、大麻の長期常用者であることは認めつつ、「幻覚や妄想は否定できないものの、動機に沿った行動を取る一方、状況に合わせて合理的な行動をしていた」として退けた。その上で、19人もの人命が犠牲になったことについて「結果が他の事例と比較できないほど甚だしく重大だ。遺族らが峻烈な処罰感情を示すのは当然だ」とした。公判では、被害者は1人を除き匿名で審理。傍聴席内の遺族らの席は、ついたてで遮蔽(しゃへい)する異例の措置が取られた。植松は判決前、「どんな判決でも控訴しない」との意向を示していた。起訴状によると、植松は2016年7月26日未明、入所者の男女を刃物で突き刺すなどして19人を殺害、24人に重軽傷を負わせたとされる。また、職員5人を結束バンドで廊下の手すりに縛り付け、2人を負傷させたとしている。

★2019年(令和元年)12月17日、東京高裁は2014年(平成26年)と2015年(平成27年)にフィリピンの首都マニラで知人の男性2人を保険金目的で殺害したとして、殺人などの罪に問われた山梨県笛吹市の無職・岩間俊彦(46歳)の控訴審判決で、死刑とした1審・甲府地裁の裁判員裁判判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。被告側は無罪を主張していたが、高裁判決も1審と同様、被告が事件の首謀者と認めた。判決によると、被告は受刑者の久保田正一(46歳)=同罪などで無期懲役確定=らと共謀し、実行役を雇って2014年、山梨県韮崎市の整骨院経営鳥羽信介(32歳)を拳銃で殺害。2015年に笛吹市の会社役員中村達也(42歳)も拳銃で殺害した。

★2019年(令和元年)12月17日、大阪高裁の村山浩昭裁判長は2015年(平成27年)8月、大阪府寝屋川市の中学1年の男女2人が殺害された事件で、自ら控訴を取り下げて1審・大阪地裁の死刑判決が確定した死刑囚の山田浩二(49歳)について、控訴取り下げを無効として控訴審を再開する異例の決定をした。決定によると、山田は昨2018年12月の1審・大阪地裁で死刑判決を言い渡された後、判決を不服として控訴。だが、2019年5月に控訴を取り下げて1審判決が確定した。決定は、死刑囚が拘置所内で貸し出されたボールペンを時間内に返却しなかったことを刑務官にとがめられて口論になった末、自暴自棄になって控訴を取り下げており、死刑囚は深く後悔していると指摘。「死刑判決に対する死刑囚の不服に耳を貸さずに、ただちに確定させてしまうことは強い違和感と深いちゅうちょを覚える」などとして、取り下げを無効と結論づけた。1審判決によると、山田は2015年8月13日夜、大阪府またはその周辺で、中学1年の平田奈津美(13歳)の首を手か鈍器で圧迫して窒息死させ、同日に平田の同級生の星野凌斗(12歳)も首を何らかの方法で圧迫して窒息死させた。山田の弁護人が、被告の控訴取り下げは無効だとする申入書を高裁に提出していた。

★2019年(令和元年)12月13日、福岡地裁(柴田寿宏[としひろ]裁判長)で2017年(平成29年)6月、福岡県小郡(おごおり)市の住宅で母子3人の遺体が見つかった事件の裁判員裁判で殺人罪に問われた夫で父の元福岡県警巡査部長・中田充(みつる/41歳)に対し、求刑通り死刑を言い渡した。 2017年6月5日深夜から6日未明にかけ、中田は小郡市の自宅で妻の由紀子(38歳)、長男涼介(9歳)、長女実優(みゆ/6歳)の首を絞め、殺害したとして起訴された。「一切身に覚えがなく、事実無根です」と起訴内容を否認していた。被告の関与を直接示す証拠がない中、検察側は3人の死亡推定時刻に中田が家にいたことや、防犯カメラに第三者が被告宅に侵入する映像が残っていないことなどから「被告が犯人であることは明らか」と指摘していた。一方の弁護側は、死亡推定時刻には幅があり、防犯カメラにも死角があることなどから「第三者の犯行の可能性は捨てきれない」として、無罪を主張していた。弁護側が即日控訴。

★2019年(令和元年)7月19日、最高裁は1998年(平成10年)、愛知県碧南市で夫婦を殺害したなどとして強盗殺人の罪などに問われ、1審と2審で死刑判決をうけた堀慶末(44歳)について上告を退ける判決を言い渡した。死刑判決が確定する。堀慶末は1998年、ほかの男2人と共謀し、愛知県碧南市内の住宅で馬氷一男(45歳)と妻・里美(36歳)を殺害し現金を奪ったなどとして強盗殺人などの罪に問われ、1審と2審で死刑判決をうけた。19日の判決で最高裁は「強盗の計画性は高く態様も強固な殺意に基づく冷酷なもので人命軽視の態度は顕著」、「何の落ち度もない命が奪われるなどした結果は誠に重大」と指摘し、堀被告の上告を退けた。これで堀に対する死刑判決が確定することになる。 堀は2007年(平成19年)に名古屋市の磯谷利恵(31歳)が殺害された「闇サイト事件」の実行犯3人の一人で、今回の事件での逮捕前に無期懲役が確定していた。 利恵の母・富美子は「12年間裁判と関わってきた。気になってきた。それがもうなくなった。すごく大きな区切りです」と話していました。

★2019年(令和元年)7月11日、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は2013年、山口県周南市で同じ集落に住む男女5人を殺害したとして殺人などの罪に問われ、1、2審で死刑判決を受けた無職・保見光成(ほみ・こうせい/69歳)の上告審判決で、被告の上告を棄却した。死刑が確定する。被告側は、妄想性障害の影響で心神耗弱状態だったとして死刑回避を訴えていた。小法廷は「被告は自らの価値観などに基づいて犯行を実行し、妄想が犯行に及ぼした影響は大きくない」と指摘。「強固な殺意に基づく執拗(しつよう)かつ残忍な犯行。刑事責任は極めて重大だ」と述べ、死刑とした1、2審判決は妥当だと結論付けた。裁判官5人の全員一致意見。1、2審判決によると、保見被告は2013年7月、近隣住民から挑発や嫌がらせをされていると思い込み、報復しようと民家4軒に侵入して5人(当時71〜80歳)の頭を木の棒で殴るなどして殺害。2軒に放火し、全焼させた。

★2019年(令和元年)5月24日、大阪高裁で京都、大阪、兵庫で起きた青酸化合物を使った連続不審死事件で、高齢男性4人への殺人罪などに問われた筧(かけひ)千佐子(72歳)の控訴審判決があった。樋口裕晃裁判長は「1審判決に事実誤認はない」と述べ、死刑とした1審・京都地裁の裁判員裁判判決を支持し、被告側控訴を棄却した。被告が犯人かどうかや、認知症の影響、責任能力の有無などが争点だった。樋口裁判長は殺害行為や完全責任能力を認定した1審判決を「相当で、正当と言うべきだ」と指摘。認知症についても「訴訟能力に影響を与えたとしても限定的」と判断し、既に裁判を行う能力を失っているなどとした弁護側主張を退けた。2017年(平成29年)の1審判決は「被告が遺産を取得し、債務を免れることを目的とした連続毒殺事件」と認定。病死や事故、自殺の可能性もあるとした弁護側の無罪主張を退けた。3月に開かれた控訴審の第1回公判で、弁護側は公判の停止か新たな精神鑑定の実施を求めたが、高裁は認めず即日結審。筧被告は第1回公判に姿を見せなかったが、判決公判には出廷した。判決によると、筧被告は2012〜13年(平成24〜25年)、遺産取得目的で青酸を飲ませて夫の勇夫(75歳)ら3人を殺害。2007年(平成19年)には借金の返済を免れるため1人を殺害しようとした。筧は4月、大阪拘置所で時事通信の取材に応じ、「死んでおわびをします。死刑にしてください」などと話していた。弁護側が即日上告。

★2019年(令和元年)5月18日、山田浩二(49歳)が控訴を取り下げ、死刑が確定した。2015年(平成27年)8月、大阪府寝屋川市の中学1年生・平田奈津美(13歳)と同級生の星野凌斗(りょうと/12歳)を窒息死させたとして殺人の罪に問われた山田浩二に対し、2018年(平成30年)12月19日、大阪地裁は求刑通り死刑判決を言い渡した。山田本人と弁護人それぞれが判決を不服として控訴していたが、大阪高裁によると、山田本人が控訴を取り下げたということで、1審の死刑判決が確定した。裁判では殺害を否認していた山田。自らの言葉で殺害について話すことなく、死刑判決が確定することになる。

★2019年(平成31年)3月15日、神戸地裁姫路支部(藤原美弥子裁判長)は2010〜2011年(平成22〜23年)、男性3人の殺害や死亡に関与したなどとして、5事件で殺人や逮捕監禁致死など6つの罪に問われた無職・上村隆(52歳)の裁判員裁判の判決で、求刑通り死刑を言い渡した。上村が起訴事実の大半を否認し、うち2人の遺体が見つかっていないなど直接証拠にも乏しく、裁判は長期化。審理期間は昨年10月の初公判から判決まで166日だった。事件の共犯者として起訴され、昨年11月に同支部で無期懲役(求刑・死刑、控訴)の判決を受けた無職・陳春根(48歳)の207日間に次ぎ、裁判員裁判では2番目の長期審理となった。判決によると、上村は陳と共謀し、2010〜11年、男性2人を殺害し、男性1人を監禁して死亡させるなどした。上村は3人の死亡には関与していないと主張していた。弁護側が即日控訴。

★2019年(平成31年)3月15日、東京高裁で2016年(平成28年)、浜松市の浜名湖で男性2人の切断遺体が見つかった事件で、強盗殺人などの罪に問われた川崎竜弥(35歳)の控訴審判決があった。藤井敏明裁判長は1審・静岡地裁の死刑判決を支持、被告側控訴を棄却した。静岡地裁は2018年(平成30年)2月、川崎が被害者2人と最後に接触したとみられることや、被害者のマンション名義などを自身に移していたことを指摘。「被告が犯人でないなら合理的な説明がつかない。半年以内に2人の命を奪った刑事責任は極めて重大」などと述べ、求刑通り死刑を言い渡した。その後、弁護側が上告。

★2019年(平成31年)2月12日、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は2011年(平成23年)、堺市で象印マホービン元副社長の尾崎宗秀(そうしゅう/84歳)ら2人を殺害し、金品を奪ったとして強盗殺人などの罪に問われ1、2審で死刑判決を受けた無職・西口宗宏(むねひろ/57歳)の上告審判決で、被告の上告を棄却した。死刑が確定する。岡部裁判長は判決で「犯行は強固な殺意に基づく計画的なもので、殺害方法も冷酷というほかない。被害者に全く落ち度はなく、動機も身勝手で酌量の余地はない」と指摘した。1、2審判決によると、西口は2011年11月、堺市南区の商業施設で、主婦の田村武子(67歳)を車に押し込み、現金約30万円などを強奪して殺害。同12月には、堺市北区の尾崎宅に侵入し、約80万円などを奪った後、尾崎を殺害した。弁護側は「絞首刑は首が切断される可能性もあり、残虐で違憲だ」とも主張。1審大阪地裁堺支部の裁判員裁判では「死刑制度の是非」が争点となり、死刑執行に立ち会った経験のある元刑務官らの証人尋問など憲法論議が中心となる異例の経過をたどった。1審に続き、2審大阪高裁判決も死刑は合憲と判断したが、第3小法廷は、死刑制度が憲法の規定に違反しないことは過去の判例からも明らかとの判断を示した。

★2018年(平成30年)12月21日、 最高裁2小法廷は2012年(平成24年)12月、スイスに住んでいた資産家夫婦を一時帰国中に殺害したとして、強盗殺人などの罪に問われ、1、2審で死刑とされた元会社役員・渡辺剛(つよし/49歳)の上告審判決で被告の上告を棄却した。死刑が確定する。鬼丸かおる裁判長は「周到に準備された高度に計画的な犯行で、2人の生命を奪った結果は重大だ」と述べた。被告側は、死刑は重すぎるなどと主張していた。判決によると、2012年12月、金品を奪う目的で、親交のあった会社役員・霜見誠(51歳)と妻・美重(48歳)を誘い出して車に乗せ、2人の首をロープで絞めて殺害した。

★2018年(平成30年)12月19日、大阪地裁で2015年(平成27年)8月に大阪府寝屋川市の中学1年・平田奈津美(13歳)と同級生の星野凌斗(りょうと/12歳)が殺害された事件で、2人への殺人罪に問われた山田浩二(48歳)の裁判員裁判の判決公判が開かれた。浅香竜太裁判長は山田の2人への殺意を認め、殺人罪の成立を認定。「子供2人を出会ったその日にうちに殺害した。非難の程度は格段に高い」などとして求刑通り死刑を言い渡した。公判で山田側は、星野が体調不良で死亡した可能性を指摘。平田については「口をふさいだ手が首にずれた」と傷害致死罪の適用を主張し、犯行当時の刑事責任能力について、心神耗弱状態で量刑は懲役12年が相当ともしていた。浅香裁判長は判決理由で、2人の死因について、生前の健康状態や遺体の解剖結果、歯や頭の骨に残っていた特徴から窒息死と認定。「窒息するまで数分間、人間の急所の首を狙った」などとして、2人への殺人罪の成立を認めた。犯行当時の刑事責任能力は、発達障害の特徴があったと考えられるとしながらも、犯行への影響は限定的だったと判断。完全責任能力があったとした。動機や殺害順は明らかにならなかったとしたが、「1人目への犯行は突発的に犯行に及んだ可能性があり、2人目は口封じと考えられる」と認定。計画性は認められないものの、「生命軽視の態度は著しく、2人が殺害された事件の中でも類例をみない極めて重い事件」などとして、死刑はやむを得ないと判断した。判決によると、山田は大阪府内かその周辺で、2015年8月13日夜、平田の首を手などで圧迫し、窒息させて殺害。同日ごろ、星野の首を何らかの方法で圧迫し、窒息死させた。弁護側が判決を不服として即日控訴。

★2018年(平成30年)9月6日、最高裁第1小法廷(木沢克之裁判長)は2009年5月、愛知県蟹江町の住宅で山田喜保子(きほこ/57歳)一家3人を殺傷したとして強盗殺人罪などに問われた中国籍の無職・林振華(リン・チュンホア/当時35歳)の上告審判決で、被告の上告を棄却した。死刑とした1、2審判決が確定する。1、2審判決によると、林は2009年(平成21年)5月1日夜、山田方に侵入して金品を物色中に喜保子に見つかり、モンキーレンチで頭部を多数回殴って殺害。帰宅した次男・雅樹(26歳)も包丁で刺殺し、三男(当時34歳)もナイフで刺して2週間のけがをさせ、現金約20万円と腕時計1個を奪った。弁護側は上告審の弁論で「強盗の計画性は無かった」などと主張し、死刑を回避するよう求めていた。

★2018年(平成30年)7月30日、東京高裁で2012年(平成24年)、伊東市八幡野の干物店「八八ひもの」で社長ら2人を殺害して金を奪ったとして、強盗殺人の罪に問われた元従業員の無職・肥田公明(65歳)の控訴審判決が開かれた。大島隆明裁判長は、死刑を言い渡した1審・静岡地裁沼津支部の裁判員裁判判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。大島裁判長は判決理由の中で「元の勤務先経営者らの命を奪ってまで、当面必要となる現金を得ようという犯行動機に酌量の余地はない」と断じ、「計画性があるとはいえないとしても、現金を強奪するために確定的殺意の下で首を刃物で切り裂き、確実に殺害するため生きたまま冷凍庫内に閉じ込めるという行為の残虐性、殺意の強固さ非情さから、被告の刑事責任は誠に重大。不合理な弁解に終始して反省の情も示しておらず、死刑を選択することはやむを得ない」と述べた。控訴審で弁護側は、別の犯人がいる可能性もあるとして「午後7時ごろ干物店駐車場から車が急発進して道路に出た目撃情報」「午後9時ごろ、駐車場に2台の車がライトをつけて止まっていて2人の人物がいた目撃情報」「午後9時10分ごろ、干物店2階に明かりが点灯しているドライブレコーダーの影像」などの新たな証拠を示していた。これについて大島裁判長は「駐車場には適度な広さがあり、休憩するために車を止めることはしばしばある。交差点をショートカットするために通過する車もある。2階の明かりが干物店のものかはっきりせず、被告がいたこともあり得る。被告が犯人であることに疑いが生じるものではない」と退けた。肥田は紺のスーツに白いワイシャツ姿で判決公判に臨んだ。深々と一礼して入廷。落ち着いた様子で席に座り、膝に手を置いて目線を落とし、ほとんど身じろぎせずに判決の言い渡しを受けた。2016年11月の1審判決によると、肥田は2012年12月18日、「八八ひもの」で経営者清水高子(59歳)と従業員小淵慶五郎(71歳)を刃物で突き刺すなどして店内のプレハブ型冷凍庫に閉じ込めて殺害し、売上金など現金約32万円を奪った。7月31日までに判決を不服として上告した。

★2018年(平成30年)3月22日、横浜地裁(渡辺英敬裁判長)は2014年(平成26年)、川崎市幸区の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で入所者3人が転落死した事件で、3件の殺人罪に問われた元施設職員、今井隼人(25歳)の裁判員裁判の判決で、求刑通り死刑を言い渡した。今井は公判で「何もやっておりません」と一貫して無罪を主張。転落死は事故や自殺の可能性があり、事件だとしても被告が犯人だと裏付ける客観的証拠は一切ないとした。逮捕直前に3人の殺害を認めたとされる自白は「取調官の圧迫や誘導により、意に沿うようにうそをついた」とした。また、地裁の精神鑑定で発達障害「自閉スペクトラム症」と診断され、仮に被告の犯行だったとしても、心神喪失もしくは心神耗弱だとしていた。検察側は、被害者3人の遺族や施設職員ら約20人を証人に呼び、状況証拠を積み上げて事件性や犯人性を立証してきた。自白時の取り調べを録音・録画した映像を法廷で再生し、取調官に圧迫や誘導はなく、被告自ら詳細に説明していたとして「自白の信用性は十分」と主張した。責任能力についても問題ないとした。その上で、論告で「高齢入所者の介護職員への信頼を利用した連続殺人だ」として死刑を求刑した。起訴状によると、今井は2014年11〜12月、当時86〜96歳の入所者の男女3人をホームの居室のベランダから転落させ、殺害したとされる。弁護側が即日控訴。

★2018年(平成30年)3月9日、さいたま地裁(佐々木直人裁判長)は2015年(平成27年)9月、埼玉県熊谷市で小学生2人を含む6人が殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われたペルー国籍のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン(32歳)の裁判員裁判で「強固な殺意に基づく残虐な犯行」などとして求刑通り死刑を言い渡した。被告は地裁の精神鑑定で統合失調症と診断され、弁護側は心神喪失を理由に無罪を主張。責任能力の有無や程度が争点だった。判決理由で佐々木裁判長は、被告に被害妄想や追跡妄想があったことは認めつつ、現金の他に車を奪って逃走するなどしたことは「金品を入手する目的に沿っている」と指摘。現場の血痕を丁寧に拭き取るなど証拠隠匿も図ったとして「自己の行為が法に触れると理解していた」と完全責任能力を認め、「何ら落ち度のない6人もの生命が奪われた結果は極めて重大。死刑をもって臨むことがやむを得ない」と述べた。判決によると、ナカダは2015年9月14〜16日、金品を奪う目的で3軒の住宅に侵入し、田崎稔(55歳)と妻・美佐枝(53歳)▽白石和代(84歳)▽加藤美和子(41歳)と長女・美咲(10歳)、次女・春花(7歳)−−の6人(年齢はいずれも当時)を包丁で刺して殺害した。弁護側が即日控訴。

★2018年(平成30年)2月23日、静岡地裁(佐藤正信裁判長)は、2016年(平成28年)、浜松市の浜名湖で男性2人の遺体や骨が見つかった事件で、強盗殺人罪などに問われた浜松市北区三ヶ日町大谷、宅地建物取引士の川崎竜弥(34歳)の裁判員裁判で求刑通り死刑を言い渡した。起訴状によると、川崎は2016年1月29日頃、元勤務先の同僚で浜松市西区の須藤敦司(62歳)の自宅マンションに侵入し、須藤を殺害してキャッシュカードなどを奪い、7月5日頃には、静岡県磐田市のアパート自室で知人の工員の出町優人(32歳)を殺害。それぞれ遺体を浜名湖周辺に遺棄したとされる。裁判で弁護側は無罪を主張。川崎は一貫して黙秘していた。3月9日、弁護側が控訴。

★2018年(平成30年)2月14日、東京高裁(栃木力裁判長)は、2014年(平成26年)、前橋市で強盗に入った民家の高齢者3人を相次いで殺傷したとして強盗殺人罪などに問われた土屋和也(29歳)の控訴審判決で、死刑を言い渡した1審・前橋地裁判決(16年7月)を支持し、被告側の控訴を棄却した。判決によると、土屋は2014年11〜12月、同市日吉町の小島由枝(よしえ/93歳)方に侵入し、小島を殺害して現金約7000円を奪ったほか、同市三俣町の川浦種吉(当時81歳)方でリンゴ2個(300円相当)を盗み、金品を奪おうと妻を包丁で刺して重傷を負わせ、川浦の胸や首を刺して殺害するなどした。1審の裁判員裁判は判決で「自分よりもはるかに小柄で非力な高齢者に対する一方的な凶行で卑劣かつ冷酷」と指摘し、被害者らに対する「強い殺意」や計画性を認定。2人の命が奪われた結果の重大性などを踏まえ、死刑を言い渡していた。これに対し、土屋被告側は「1審判決は動機や殺害の計画性などについて評価を誤っている」として控訴。2017年9月に始まった控訴審では「強い殺意はなく量刑が重すぎる」と主張し、無期懲役への減刑を求めていた。その後、弁護側が上告。

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