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Posted Jun. 23, 2016

China's Military Strategy

The Author: The State Council Information Office of the People's Republic of China

訳者前書

中国国務院報道弁公室から2015年5月26日に発表された2015年国防白書「中国の軍事戦略」を公式英訳版 China's Military Strategyから重訳。同白書は隔年発行で、報道によれば日本語を含めて7か国語で公式の翻訳版が出されているが、残念ながらネット上には掲載されていない(模様)。

あくまで英訳からの端折っての重訳のため、公式版の日本語訳とは内容が異なる可能性に充分留意すること。訳語の統一には殆ど拘らず。

翻訳に当たっては中国安全保障リポート2016及び中国積極防御軍事戦略の変遷(どちらも防衛研究所)を大いに参考した。

中国語の表示については試行中。

Typo, 誤訳の指摘は歓迎。- E-mail

目次

I. 前書

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世界は今日、未曾有の課題に直面しており、中国は改革と発展の重要局面にある。偉大な国家復興という中国の夢を実現するそれらの努力において、中国人民は、平和維持・発展の追及・繁栄の共有のために世界の平穏に協力することを望む。

中国の運命は、全般的に世界の運命と密接に関係している。繁栄・安定した世界は中国に機会をもたらし、一方で中国の平和的発展もまた全世界に機会をもたらす。中国は平和的発展の道のりを一貫して歩み、自主独立の対外平和政策や本質的に防御的な国家防衛政策を追求し、覇権主義やあらゆる強権政治に反対し、覇権や領土拡張を決して目指さない。中国軍は、世界平和を維持する信頼出来る軍であり続ける。

精強な国家防衛力を持った強軍の建設は、中国を近代化する戦略的任務の駆動力であり、中国の平和的発展に向けた安全保障上の約束である。国家戦略目標に適う中国の軍事戦略は、自国の軍隊の建設や運用の青写真や管理の包括的な方針である。この新しい歴史的なスタート地点で、中国軍は自身を国家安全保障環境の新たな課題に適応させ、新たな情勢に向けた強軍建設という中国共産党の目標に向けて確固として歩み、新たな情勢での積極防衛の軍事戦略方針を履行し、国家防衛や軍の近代化を加速し、毅然として中国の主権・安全保障上や発展の権益を守り、“2つの百年”の国家戦略目標を果たし、中国国家の偉大な復興を果たす中国の夢を実現するという強い保証を提供する。

II. 国家安全保障情勢

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今日世界では、多極化に向かうトレンドや経済のグローバル化が強まっており、情報社会が急速に実現している。国家は運命共同社会でますます繋がっている。平和・発展・協力・相互利益は不可逆な時代の流れになった。

パワーバランス、グローバルな統治体制、アジア太平洋の地政学的展望、経済の国際的な競争、科学・技術・軍事分野に歴史的変化に現れているように、国際情勢に重大な変化が起きている。世界平和のための軍隊が台頭し、戦争に対峙する要因となった。見通せる未来において世界大戦は起きず、国際情勢は全般的には安定するだろう。しかしながら、覇権主義・強権政治・新干渉主義(neo-interventionism)の新たな脅威がある。権力・権利・権益を再配分する国際的な競争の激しさが増している。テロ活動は一層厄介だ。民族・宗教・国境・領有権争いといった頻発する課題は、複雑で不安定である。地域によっては、小規模戦争・紛争・危機が再び勃発する。従って、世界は局部戦争の直近・将来双方の脅威に依然として直面している。

全般的に外部環境は有利で、中国は自国開発のため、多くを実現する時期にとって戦略的機会となる重要な期間が続くだろう。中国の包括的な国力・核心的な競争力・危機対抗能力は、特に向上しており、中国は成長する国際的な地位や影響力に浴している。国内的には、中国人民の生活水準が著しく向上し、中国社会は安定している。開発途上の大国である中国は、依然として多様で複雑な安全保障上の脅威、同様に外部の妨害や課題の増加に直面し、自存(subsistence)及び発展に関する安全保障上の懸念、伝統的・非伝統的な安全保障上の脅威が入り混じっている。従って、中国には国家統一・領土保全・開発権益を守る困難な任務がある。

世界経済や戦略的重心が今までになく急速にアジア太平洋地域にシフトし、米国は”リバランシング”戦略を継続して、この地域における軍事プレゼンスや軍事同盟を強化している。日本は戦後のメカニズムから逃れる労を惜しまず、軍事及び安全保障政策を見直している。そうした発展は、この地域の他国の深刻な懸念を引き起こした。中国の領土主権・海洋権利及び権益に関しては、一部の海の向こうの近隣国が挑発的な行動を取り、合法的に占有されている中国の環礁や島嶼における軍事プレゼンスを増強している。一部の地域外の国家はまた、中国に対して頻繁に上空及び海洋監視で南シナ海の事情に関わることでも忙しい。このように、海洋権利や権益を守ることが中国の長期的な任務である。領土に関する特定の係争が依然として燻り、朝鮮半島や北東アジアは不安定さに包まれており、地域的なテロ・分離主義・過激派がはびこっている。これら全てが、中国周縁での安全保障や安定に負の影響がある。

* a tiny fewの記述が気にかかったので原文を読むと該当箇所の表現は高频度とあり、原文を優先して頻繁にと訳した。

台湾問題は中国再統一や長期発展に影響しており、再統一は国家復興路線において必然的なトレンドである。近年は台湾海峡両岸の関係は平和的発展が確固として維持されているが、不安定さの根本的な原因が取り除かれた訳ではない。また、”台湾独立”分離派やその活動は依然として、海峡両岸関係の平和的発展に対する最大の脅威である。さらに、中国は政治的な安全や社会の安定を維持する膨大な任務に直面している。“新疆ウイグル地区独立”及び”チベット独立”分離派は、深刻な損害を与えている。特に“新疆ウイグル地区独立”派のエスカレートする過激なテロ活動による。加えて、反中派はこの国において“色の革命”を煽るという彼らの意思を決して曲げない。結果的に、中国は国家安全保障や社会の安定の点で一層の問題に直面している。中国の国益が伸長するに連れ、その国家安全保障は国際的・地域的な混乱、テロリズム、海賊、自然災害、疫病によって一層脆弱となっている。また、エネルギー・資源・戦略的海上交通路(SLOC)に関連する海外権益の安全保障、同じく海外の機関・人員・アセットが喫緊の課題となっている。

世界の軍事における革命(RMA)は新たな段階に進んでいる。長距離・精密・スマート・ステルス・無人兵器や装備は、ますます洗練されたものになっている。宇宙空間やサイバー空間は、あらゆる当事者にとって、戦略的競合における新たな制高点(commanding heights)となった。戦争の形態が、その情報化の発達を推進させている。世界の主要大国は、自国の国家安全保障戦略や国防政策を積極的に修正し、軍の再編や部隊のリストラクチャリングを加速している。前述した軍事テクノロジー及び戦争の形態における革命的な変化は、国際政治や軍事的展望に大きなインパクトがあるだけではなく、中国の軍事安全保障に対する新しく、また深刻な問題を提示している。

III. 中国軍の使命と戦略任務

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中国の国家戦略目標は、共産党が結党100周年を祝う2021年までに全分野において、小康社会の建設を完成することであり、また中華人民共和国が建国100周年を迎える2049年までに、繁栄し、強大で、民主的で、文化的に優れ、調和のとれた近代的な社会主義国家を建設することである。それは、中国国家の偉大な復興を実現する中国の夢である。中国の夢は、我が国を強大にするだろう。中国軍は、中国の夢の一環としてその軍事力を強大にする彼らの夢を引き受ける。強軍なくして、国家は安全にも強大にもならない。新たな歴史的時代において、新情勢下での強軍建設という共産党の目標を目指して、中国軍は確固として共産党の絶対的指導の原則を支持し、戦闘効率を唯一かつ基礎的なスタンダードとして維持し、栄光ある伝統を受け継ぎ、また彼らを共産党の指導に沿う人民武力の一部とし、戦って勝利し、職務の美風を誇りとする。

新たな局面において、中国が直面する国家安全保障は、我が国の歴史上に類を見ないほどに一層多くの議題を包含し、遥か遠方に及び、長期的になっている。内外問わずに影響を及ぼす要因は、かつてなく複雑である。従って、国家安全保障に関する全体的視野を保持し、内外安全保障・本土及び民間安全保障・伝統的及び非伝統的安全保障・自存及び発展の安全保障・中国自身の安全保障や世界共通の安全保障バランスをとることが肝要である。また、

中国の国家安全保障目標を実現し、国家安全保障の全体的視野を満たすため、中国軍事戦略を革新的に発展させ、軍事作戦及び任務を遂行させる新たな要求が持ち上がっている。国家安全保障や開発権益を保護する新たな要求に応じ、中国軍は軍事力行使を一層強調した有利な戦略態勢を実現に一層努め、国家の平和的発展に実質的な安全保障の保証を提供する。変革する安全保障状況から生じる新たな要求に対応し、戦闘し、勝利する能力を確固とするため、軍は戦略方針や作戦上の考慮を絶えず刷新する。世界的なRMAから生じる新たな要求に対応し、軍は新たな安全保障ドメインでの変化に細心の注意を払い、軍事的競合における戦略的主導権を確保することに一層努める。国家の伸長する戦略的権益から来る新たな要求に対応し、軍は地域的・国際的を双方の安全保障協力に積極的に参加する、また効率的に中国の海外権益を保護する。また、中国の改革の全面的深化から生じる新たな要求に対応し、共産党の統治を支えるために強固な軍であり、また発展する中国式社会主義のために信頼できる軍であるため、軍は民軍統合(CMI)の道を追求し、積極的に国家経済及び社会建設に参加し、社会の安定を確固として維持する。

中国軍は、新たな歴史的時代においてその任務を効率的に実施し、厳然として共産党の指導力と中国式社会システムを支持、中国の主権・安全保障・開発権益を保護し、中国の発展にとって戦略的機会の重要な時期を守り、地域及び世界の平和を維持する。また、あらゆる面で小康社会の建設を完成させ、中国国家の偉大な復興を果たす強い保証の提供に努力する。

中国軍は主に下記の戦略的任務を担う。

IV. 積極防御戦略方針

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積極防御の戦略概念は共産党の戦略思想の中核である。革命戦争の長い経験から、人民軍は戦略的防御と作戦上及び戦術的な攻勢の整合の堅持、防御の原則の堅持、自衛及び先制を受けた後の攻撃の堅持、”攻撃を受けない限りは手出ししないが、攻撃されれば断固反撃する”という姿勢の堅持に要約される一連の積極防御の戦略概念を発展させてきた。

1949年に共産党が結成されると、中央軍事委員会は積極防御の軍事戦略方針を打ち出す。後には国家安全保障環境の発展や変化に合わせて、数度に渡って改訂している。1993年、軍事闘争準備の起点を現代技術、特にハイテク条件下における局部戦争の勝利に置いた新時期軍事戦略方針が発表された。2004年には同方針が一層具体化され、軍事闘争準備の起点は情報化条件下における局部戦争に勝利することに改められた。

中国式社会主義の本質、基本的な国家権益、平和的発展の道のりを歩む客観的要求は全て、中国が一貫して積極防御の戦略概念を堅持、強固にすることを必要としている。国家安全保障や発展戦略の方針を受け、また新たな歴史的時期における状況や任務の要求から、中国軍は積極防御の軍事戦略方針の履行を継続し、時代が求める軍事戦略方針を強化する。軍は戦略ビジョンを一層拡充し、戦略思考を更新し、さらに前向きな戦略方針を打ち出す。包括的アプローチは、戦争準備と戦争防止、権利保護と安定性の維持、抑止と戦闘、戦時の作戦と平素の軍隊の活用の調和が取られる。また将来を見据えた計画や管理に重点を置いて、有利な態勢を作り、包括的に危機を管理し、断固として戦争を抑止し勝利する。

新情勢下での積極防御の軍事戦略方針の履行に当たり、中国軍は軍事闘争準備の起点を修正する。戦争形態や国家安全保障状況の進展に合わせて、軍事闘争準備の起点は海洋軍事闘争及び海洋軍事闘争準備を重要視する情報化局部戦争に勝利することに置かれる。軍は、効率的に大規模危機を統制し、適切に連鎖反応に対応し、確固として国家の領土主権・統一・安全保障を保護する。

新情勢下での積極防御の軍事戦略方針の履行に当たり、中国軍は基本的な作戦教義を刷新する。多方面からの安全保障脅威に対応し、また現行の自身の能力に合わせて、軍は柔軟性・機動性・”貴方は貴方の戦い方があり、私には私の戦い方がある (你打你的、我打我的)”という自主の原則を堅持する。統合戦闘部隊が情報優位・精密打撃・統合作戦を特色とするシステム対システムの作戦に打ち勝つために従事する。

新情勢下での積極防御の軍事戦略方針の履行に当たり、中国軍は軍事戦略のレイアウトを最適化する。中国の戦略地政学的環境・その直面する安全保障の脅威・彼らが担う戦略任務の観点から、軍は各軍の担任エリアを明確に区別し、彼らを相互支援させ、有機的に一体となって行動するための戦略配置及び軍事配備の全体計画を策定する。宇宙やサイバー空間のような新たな安全保障ドメインの脅威に対処し、世界の共通安全保障を維持する。中国軍は、中国の海外権益に関連する重要分野で国際的な安全保障協力を進め、そうした権益の安全保障を守る。

新情勢下での積極防御の軍事戦略方針の履行に当たり、中国軍は下記の原則を保持する。

V. 軍事力建設の発展

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新情勢での軍事戦略方針の実施において、中国軍は強軍建設という共産党の目標にしっかり集中し、国家の核心となる安全保障上の必要性に対応し、情報化軍事力の建設及び情報化戦争に勝利することを目指し、包括的に国防及び軍の再編を深化させ、中国式に軍事力の近代的システムを建設し、恒常的に多様な安全保障脅威に対応し、多様化する軍事的任務を遂行する能力を継続的に強化しなくてはならない。

人民解放軍と人民武装警察部隊の各軍及び各兵科の発展

機動作戦・多次元な攻勢及び防御の戦略的要求に沿って、中国陸軍は戦域防御から戦域間機動への切り替えを継続する。小型・多機能なモジュラー化部隊の建設の過程において、陸軍は自身を多方面における任務に適応させ、多目的に戦闘部隊の能力を開発し、統合作戦用に戦闘体系を構築する。陸軍は、精密・多次元・戦域間・多機能かつ継続作戦の能力を上昇させる。

近海防御及び遠海護衛の戦略的要求に沿って、中国海軍は”近海防御”から、”近海防御”と”遠海護衛”の結合型にその焦点を徐々に移行する。また、複合的・多機能かつ効率的な海上戦闘体系を構築する。海軍は、戦略抑止・反撃・海上機動・洋上統合作戦・包括的防御・包括的支援の能力を強化する。

空天一体能力の建設及び攻防作戦実施の戦略的要求に沿って、中国空軍は国土防空から攻防兼備への焦点移行に尽力し、情報化作戦の要求に適う航空宇宙防御体系を構築する。空軍は、戦略早期警戒・航空打撃・防空及びミサイル防衛・情報化対抗・空挺作戦・戦略的投射及び包括的支援の能力を増進する。

精強かつ効果的な核及び通常双方のミサイルを保有する戦略的要求に沿って、第二砲兵は自身を情報化の面において再編し、科学技術の信頼性に裏打ちされた兵装の自主刷新を推進し、ミサイルシステムの安全性・信頼性・効率性を強化し、核常能力の結合を特色とする体系を向上させる。第二砲兵は、戦略抑止、核反撃、中・長距離精密打撃の能力を強化する。

多機能で、効果的に社会の安定性を維持する戦略的要求に沿って、人民武装警察部隊(武警)は警護・治安、社会安定性の効率的な維持、事態対応、安定維持、対テロ作戦、緊急援助及び災害救援、緊急支援及び航空支援のために部隊の発展を継続する。また、警護・事態対応・対テロ・安定維持に力点を置いた部隊体系を向上させる。武警は、警護や情報化条件下における事態対応に中心に多様化する任務の実施能力を強化する。

重要な安全保障空間における部隊の発展

海洋は、中国の恒久平和、長期的・安定的かつ持続的な発展に関連する。陸が海よりも勝るという伝統的メンタリティーは捨て去らなくてはならない。また、海洋管理・海洋権利及び権益の保護に大きな重要性を与える必要がある。中国は、自身を海洋強国とする戦略的な支援を提供するため、国家安全保障や開発権益に釣り合う近代的な海上軍事力体系を開発し、国家主権及び海洋権利・権益を守り、戦略的海上交通路や海外権益を保護し、国際的海上協力に参加することが必要である。

宇宙空間は、国際的な戦略的競合における制高点となっている。関係各国が、宇宙戦力や機材を開発しており、宇宙空間が武装化される兆しが見られる。中国は、宇宙空間の平和的利用を以前から主張し、宇宙空間の武装化や軍備競争に反対している。また、国際的な宇宙協力で積極的に役割を引き受けている。中国は宇宙空間の動きに遅れることなく、このドメインでの安全保障の脅威や課題に対処し、国家経済や社会発展を果たす宇宙アセットを確保し、宇宙空間の安全保障を維持する。

サイバー空間は、経済や社会発展の新たな柱となり、また国家安全保障の新たなドメインとなっている。サイバー空間での国際的な戦略的競合がますます凶暴になりつつあり、相当数の国家がサイバー戦力を開発している。ハッキング攻撃の主要な被害者の一人である中国はサイバーインフラに対する重要な安全保障の脅威に直面している。サイバー空間が軍事安全保障において一層重要となっており、中国はサイバー部隊の開発を促進する。また、重大なサイバー危機を食い止め、国家のネットワークや情報セキュリティーを確保し、国家安全保障及び社会安定性を維持するため、サイバー状況察知能力・サイバー防衛・サイバー空間での我が国の取り組みの支援・国際的なサイバー協力への参加を強化する。

核戦力は、国家主権及び安全保障を守る戦略的な礎石である。中国は、核兵器の先行不使用の政策を追求し、本質的に防御的な自衛核戦略を堅持してきた。中国は、非核保有国もしくは非核地域に絶対に核兵器を使用せず、脅威を与えることはない。また、決して他国と核軍備競争することはない。中国は、核能力を常に国家安全保障の維持に必要な最低限度としてきた。中国は、核戦力体系を最適化し、戦略早期警戒・指揮管制・ミサイル突破・即応性・生残性・保護能力を向上し、中国に核兵器を使用ないし脅迫する他国の脅威を抑止する。

軍事力建設の手段

思想・政治活動の強化: 中国軍は常に、思想・政治建設を最優先に扱っている。また、新情勢下での政治活動の強化向上に努めている。軍は核心的社会主義的価値の実践・進展、現代的革命軍人の核心的価値の涵養、栄光ある伝統や美風の進展を継続する。さらに、軍は共産党の絶対的な軍事指導の一連の基本的原則と制度を保持し、共産党の全階層での創造性・団結力・戦闘効率を増し、新世代の革命軍人の崇高な精神・適性・勇気・清廉・美徳の涵養に尽力し、軍が何時如何なる状況でも、共産党中央委員会及び中央軍事委員会の指導に決然と従うことを確固とし、一貫して人民軍の本質と目的を保つ。

後方支援の近代化推進: 中国軍は、近代戦争を戦い勝利するための支援を提供する後方支援システムを建設し、軍の近代化に貢献し、情報化に向けて再編するため、関連する政策・機関・支援部隊において後方支援を再編し、戦略的な後方支援展開を最適化する。支援モデルを刷新し、新たな支援手段を開発し、戦時備蓄を増強し、後方支援情報システムを統合し、規則・基準を改訂し、最新の注意を払って補給・支援を組織化する。

先進的な兵装の開発: 情報優位・システム構築・自主刷新・持続的発展・総合的な計画・優先順位の強調を保ち、中国軍は兵装更新を加速し、情報戦に効率的に対応し、任務遂行を支える兵装システムを開発する。

新たなタイプの軍人の育成: 中国軍は、要員訓練の戦略的な計画を継続し、軍事的な人的資源のシステムを完成する。軍は、優秀な人材を確保し、情報戦の要求に答える教育を受けた要員を一層育成するために軍事教育機関の再編を深化し、教育機関・部隊訓練・軍事的プロフェッショナル教育が三位一体となった、新たなタイプの軍人の訓練システムを向上させる。

厳しい訓練を積み、法に則った軍の運用努力の向上: 全様相で軍の革新・近代化・組織化を進めることを目標とし、中国は、国防・軍建設の法治主義のレベルを向上するため、法に則った軍の運用に関する理論や実践を刷新・開発し、よく整備された中国式の軍法システムを構築する。

軍事理論の刷新: 共産党の改革理論の指導の下、中国軍は将来の戦争に勝利要件を満たす先進的な軍事理論体系を提示するため、軍事作戦の研究を進め、近代戦争に勝利するメカニズムを研究し、機動性・柔軟性を特色とする戦略・戦術を刷新し、新情勢下での軍事力建設の理論を開発する。

戦略的管理の向上: 中央軍事委員会及び司令部/総部の機能・機関を最適化し、各軍の指導・管理システムを向上し、要求ベースの計画及び計画ベースの資源配分を堅持する必要がある。中国軍は全体的かつ調整された計画立案の体系やメカニズムを提示する。軍はまた、戦略資源の全般的な監督・管理、主要計画の工程内監督・危機コントロールを進め、戦略評価のメカニズムを改善し、関連評価システム、相互に補完する標準・規定を定め・向上する。

民軍統合(CMI)の重層的発展

軍民統合の指導原則に従い、軍事活動に民間支援を結合させ、中国は全要素・多数のドメイン及びコスト効率の高い民軍統合の様式を提示するため、メカニズムを向上し、形態を多様化し、視野を拡げ、統合の度合いを高めることで軍民統合に邁進する。

重要セクターにおける民軍統合の加速: 強力な政策支持を受けて、中国はインフラ・重要テクノロジー分野・主要工業の統一された軍民標準の確立に努力する。また、民間教育機関での軍の要員の訓練、国防産業による兵装開発、後方支援を民間支援システムに外部委託する方法・手段を模索する。中国は、軍民インフラの共同建設・利用、海・空・宇宙の共同探索、調査・測量・航海・気象・周波数スペクトルといった資源の共有を促進する。そうすることで、軍民の資源は、一層の互換が効き、相互に補完して利用が可能になる。

民軍統合運用メカニズムの構築: 統一された指導・軍民調整・軍民のニーズの接合点・資源共有を特色とする民軍統合の開発メカニズムを国家レベルで設立する必要がある。さらに、全体的な軍民計画や連携開発の様式を固めるため、関連する軍民機関の管理責任を向上させ、軍民双方のセクターの一般基準を改良し、政府による投資、税制優遇及び金融支援を提供し、軍民連携開発を奨励する立法を促進する政策体系導入の研究が必要である。また、軍事能力及びそのセクターの共有を推進し、軍民共同で大規模危機に対応するメカニズムを確立する必要もある。

国防近代化の体系・メカニズムの向上: 中国は国防教育を増進し、一般市民の国防に関する注意力を向上する。予備役部隊の建設・構成の最適化の進展を維持し、海軍・空軍・第二砲兵及び戦闘支援部隊の比率を高める。予備役部隊の編制・運用法は多様化される。中国は、国防近代化における科学技術への取り組みに専念し、一層の情報資源の徴用に備え、専門化された支援部隊を建設する。中国は、情報化戦争に勝利し、危機及び戦争の双方に対応する要件を満たす国防近代化システムを建設することを目指す。

VI. 軍事闘争準備

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軍事闘争準備は、基本的な軍事的実践であり、平和を守り、危機を抑制し、戦争に勝利するための重要な保証となる。軍事闘争準備を推し進めるため、中国軍は、抑止と戦闘の全般的な能力を強化するため、戦闘・勝利の能力要件を満たし、主要な問題・難問の解決を焦点とし、実際的な準備に堅実に作業し周到に取り組む。

情報システムに基づいたシステム対システム作戦能力の強化: 中国軍は、戦闘効率の発生方法を再編するステップを加速し、多様な作戦部隊・モジュール・エレメントの全作戦能力への統合に情報システムを用いる。また、全エレメントはシームレスにリンクし、各種作戦プラットフォームが単独或いは共同で機能する統合作戦システムを段階的に確立する。中国軍は、システム対システムの作戦能力を阻害する喫緊の問題への対処に努力する。軍は、情報資源の模索し、効率的な利用法を見出し、偵察・早期警戒及び指揮管制システムの建設を進め、中・長距離精密打撃能力を開発し、包括的な支援システムを向上させる。専門的・合理的・機敏かつ効率的の要件に沿って、軍は中央軍事委員会の指揮機関及び統合作戦の戦域司令部システムを確立・向上させるべく努力する。

全方向・ドメインにおける軍事闘争準備の推進: 複雑な地政学的環境の理由から、中国はあらゆる戦略的方向性及び安全保障ドメインにおいて各種脅威及び課題に直面している。従って、軍事闘争準備は全体的な戦略的情勢のバランス及び安定を維持するために、よく計画され、重点的、包括的また調整された方法で実施されなくてはならない。中国軍は、伝統的・新たな安全保障ドメインの双方で軍事闘争準備の全体的な計画を立案する。また、国家主権や安全保障を守り、国家の海洋権利及び権益の保護、また武力紛争や危機への対処に備える。兵装類の更新・作戦様式の変革を適用するため、中国軍は戦場配備及び戦略的事前配備を最適化する。

不断の戦闘即応の維持: 中国軍は、日常的な戦闘即応の向上、高度な警戒態勢の維持、細心に国境・沿岸・及び防空哨戒及び警護任務を継続する。陸軍は、機敏性及び効率的な対応を確保するため、相互に繋がる戦略的方向性・諸兵科連合及びシステム化された作戦支援を以って戦闘即応システムを向上させる。海軍は、恒常的な戦闘即応哨戒を編成・実施を継続し、関連海域での軍事プレゼンスを継続する。空軍は、平時・戦時における適応性・全次元対応・全領土到達の原則の遵守を継続する。第二砲兵は、平時における適切な警戒レベルの維持継続する。平時・戦時の要求を兼備する原則を遵守し、平時・戦時を問わず警戒及び戦闘準備を維持することで、統合され、機能的で機敏かつ効率的な作戦任務システムを完成させる。

現実的な軍事訓練の強化: 中国軍は、戦略的重要性の戦闘訓練への現実的状況の付与し続ける。また、軍事訓練及び評価のアウトラインに従って、兵士を厳しく訓練する。軍は、作戦及び訓練メソッドを日々刷新し、軍事訓練の基準やレギュレーションを改め、現実の戦闘環境を訓練に提供する大規模かつ包括的な訓練基地を建設する。中国軍は、実動訓練(live-setting)・ITベースの模擬訓練・現実の戦闘を基準にしたフェイス・オン・フェイスの対峙訓練を継続実施する。また、指揮所訓練・統合及び共同訓練を強化する。軍は、複雑な電磁気環境・複雑かつ不慣れな地形・複雑な気象条件での訓練を進める。現実の戦闘要求を訓練に取り入れるため、訓練管理及び監査システムも設置する。

戦争以外の軍事作戦(MOOTW)に備える: 中国軍が新時代の責任や任務を遂行し、作戦能力を強化する重要アプローチの必要要件として、軍は緊急救助及び災害救援、対テロ・安定維持、権利・権益の保護、警護任務、国際平和、国際人道支援及び災害救援(HA/DR)といったMOOTWを継続実施する。軍は、MOOTW能力構築を軍事力近代化及び軍事闘争準備に取り入れ、緊急指揮メカニズムの設立、緊急部隊建設、プロフェッショナルの訓練、支援任務特化装備、関連政策及び規則を取りまとめることに特段の注意を払う。軍事的緊急対応指揮システムは国家緊急管理メカニズムと歩調を合わせる。中国軍は、統一組織・指揮・部隊の科学的運用・迅速かつ効率的な活動・関連政策及び規則の厳守を追求する。

VII. 軍事安全保障協力

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公共・包括的・協力及び持続的な安全保障の概念を追求して、中国軍は如何なる第3勢力とも提携せず、対立せず、命令されない軍と軍の関係の発展を継続する。軍は、公正・効率的な集団的安全保障メカニズム及び軍事的信頼醸成措置(CBM)の確立、中国の平和的発展に有利となる安全保障環境作りに努力する。

全面的な軍と軍の関係の発展: 中国軍は、中国・ロシア間協力の包括的戦略的パートナーシップの枠組においてロシア軍との交流や関係を加速し、さらなる分野、さらなるレベルで軍事協力を促進する包括的・多様な・持続的枠組を拡大する。中国軍は、相互信頼を進め、リスク防止及び危機を管理するため、二国間での大国関係の新モデルに沿って米軍との軍事関係の新モデルを拡張し続ける。国防会合や交流・協力を進め、信頼醸成措置のメカニズムを強化し、主要軍事活動の通知や上空・洋上で遭遇した際の安全に関する行動規則を改善する。友好・誠実・相互・包括的な近隣外交の精神において、中国軍は近隣諸国のカウンターパートとの関係を進める。また、軍は欧州のカウンターパートとの軍事関係のレベルも引き上げ、アフリカ・ラテンアメリカ・南太平洋のカウンターパートとの伝統的友好的軍事関係を継続する。中国軍は、上海協力機構(SCO)における国防及び安全保障協力を進め、拡大ASEAN国防相会議(ADMM+)・ASEAN地域フォーラム(ARF)・シャングリラ会合(SLD)・ジャカルタ国際防衛ダイアログ(JIDD)・西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)といった多国間の会合や協力メカニズムへの参加を継続する。中国軍は、安全保障の新たな枠組やアジア太平洋地域における平和・安定・繁栄の支援協力を確立に努力する象山フォーラム(Xiangshan Forum)のような多国間イベントの開催を継続する。

現実主義的な軍事協力の追及: 相互の尊重・対等性、相互利益やオール・ウィンの協力を元に、中国軍は、世界各国のカウンターパートと現実主義的な協力を継続する。状況変化に応じて、中国軍は他国軍と共に新たな分野・新たな内容(content)・新たな協力関係のモデルを常に模索する。国防政策・軍の構築・機関教育・後方支援及び相互理解を促す他分野・相互信頼及び理解に関して、他国軍との幅広い会合や交流が実施する。相互支援及びそれぞれの国防能力を強化するため、中国軍は要員訓練・物的支援・装備及び技術において、関係国との協力も進める。統合作戦能力を強化するため、多層的かつ各ドメインで二国間及び多国間の統合演習・訓練を関連する各軍が実施する。中国軍は、非伝統的分野から伝統分野に至る訓練及び演習の分野を拡大する。積極的に国際海上安全保障会合や協力に参加し、伝統的及び非伝統的な海上安全保障の脅威に協力して対処する。

国際的な責任及び義務の遂行: 中国軍は、国連平和維持活動への参加を継続し、国連安全保障委員会のマンデートを厳守し、平和的な紛争解決へのコミットメントを維持し、発展・復興を促進し、地域平和及び安全保障を保護する。中国軍は、国際的な災害救援及び人道支援で積極的に参加し続け、プロフェッショナルの救援チームを被災地救援や防災に派遣し、救援物資及び医療支援を提供し、救援及び防災分野における国際交流を進める。前述の作戦を通じて、軍もまた自身の能力や専門知識の強化が可能となる。誠実に中国の国際的な義務を履行し、我が軍はアデン湾もしくは必要とされる他の海域で護衛任務を継続し、他国海軍の任務部隊と交流・協力を進め、共に国際的な海上交通路を確保する。中国軍は、幅広く地域及び国際的な安全保障事案に対処し、緊急通知・軍事リスクの事前通知・危機管理・紛争コントロールのメカニズム確立を促進する。国力成長に伴い、中国軍は国際的な平和維持及び人道支援といった作戦への参加を段階的に進める。また、さらなる国際的な責務や義務を担うため最大限を尽くし、一層の公共安全保障財(public security goods)を提供し、世界平和及び公共の発展に一層貢献する。

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