本堂
■平成9年2月:落慶
本堂内部・地蔵菩薩
金清寺本尊
地蔵菩薩(じぞうぼさつ) | |
釈迦の没後、弥勒菩薩が出現するまでの無仏の世に現れて衆生を救済する菩薩。 わが国には奈良時代から見られ、平安時代後期の『今昔物語』には、三二の地蔵説話が収録されている。鎌倉・平安時代になって、いっそう深く民間に根ざしていった。また、『地蔵本願経』には、「母を救ったり、孝養や慈愛をすすめた」という意味のことを説いている児童救済の地蔵尊・子育て地蔵・安産地蔵・子安地蔵。また、勝軍地蔵・矢拾い地蔵などのように、戦場における霊験をたたえられているものもある。また『地蔵本願経』の菩薩供養によって生ずる十種の利益によると思われる田植え地蔵・田刈り地蔵・屋根葺き地蔵・火伏せ地蔵・刺抜き地蔵・六体地蔵がある。 |
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地蔵菩薩の形像は、頭に宝冠をのせ、左手にのぼりを立てた蓮華如意をもち、右手に宝珠をもって連台に安座するものであるが、後世では、内に菩薩行を秘し、外に比丘を現ずる僧体で、左手に宝珠・右手に錫杖をもつ像が広くつくられた。これは『延命地蔵』に由来するもので、俗に延命地蔵ともいわれる。また、勝軍地蔵は甲冑をつけて馬に乗っている。 |