31「天下同人」(どうじん)

人との交わりは広く公明正大に

同人雑誌の同人で、志を同じくする者が集い事を為そうとすることです。

人と同じくするに野においてす、享る。大川を渉るによろし。人と同じうするに宗においてす、吝なり。

人と同じくする、同志が集まり力を合わせる、それは野原のなかのように誰からも見られる場所で、公明正大に堂々とせねばならない、そうすれば大事を決行し目的を達することが出来る。宗においてす、とは身内や仲間内だけですることで、そんなケチくさい、度量の狭いことでは大したことは出来ない。

易には「大川を渉るによろし」という文言が何箇所かに出てきますが、大川は黄河のことで、これを渉るというのはルビコン川を渉る、というニュアンスでしょう。ただ黄河はルビコン川に比ぶべくもない大河ですが。

小事を謀るには仲間内だけ団結すれば良いかもしれませんが、大事を為そうとするにはオープンでなければならない、これは社会のあらゆるケースに言えることではないでしょうか。


<易語録目次へ戻る>
<最初のページに戻る>