28「兌為沢」(だいたく)

飲んで楽しむだけが友ではない

親しい友と、うまい酒を飲みながら話し、時の過ぎるのも忘れる、楽しいことです。しかし、いつもそれだけでは駄目なんです。

麗沢(りたく)は兌(だ)なり。君子もって朋友講習す。

麗は連なっていること。沢はここでは口の象と見て、麗沢は口と口が並んでいる状態。二人が口々に発言をする、この象を見て君子は、朋友と共に学び、共に益するよう努めるものであります。

論語にもこう書かれています。

学びて時にこれを習う、また説(よろこ)ばしからずや。朋(とも)あり、遠方より来る、また楽しからずや。

新しいことを学び、それを復習して身につける、これは喜ばしいことではないか。
そうすれば同じ志の友が遠方からも集まり、共に切磋琢磨する、これまた楽しいことではないか。

「友あり、遠方より来る、また楽しからずや。」と思い出話にうち興じて杯を重ねる、ま、それもよろしいが、本来の意味もお忘れなきように。


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