地山謙  艮下、坤上
「豊かに稔る稲穂のように。」
平安、順調の良運
稲穂は豊かに稔るほど頭を垂れる如く、自らを驕らず、謙虚を心懸ければ平安、良運が続く。

中吉
「謙(けん)」は謙虚、謙遜の謙でへりくだると言う意味です。しかも、能力があるもの、身分が高いものが身を低くするのです。天皇陛下が被災者の避難施設を廻られる時、腰を屈めて床に座った人と同じ目線で話をされますね。あれです。自分に能力があっても自慢せず謙虚にしていれば自ずと人徳が出るし、ことも進みます。
しかし謙虚な態度を貫き通すことは難しく、結果失敗することになるよ、とこの卦は警告しています。「君子は終あり」最後までそれを通しおおせるのが君子です。
「願いごと」ー謙虚なれば成就す。
「商ごと」ー順調に運ぶ。利に淡泊であるべし。
「相場」ー安い。将来は上がる。
「受験」ー好成績。
「病気」ーじょじょに全快する。
「就職」ーかなう。
「天気」ー晴れ。
「旅行」ー平穏な旅。
「開業」ーよろし。焦らぬこと。
「転業、移転」ーよろし。
「失物」ー出る。
「方角」ー北東、西南。
「色」ー黄灰色
「初爻変爻」の場合:
  謙虚に徹しれば大いに進みます。計画も地道に進めるのがよろしい。

「二爻変爻」の場合:
  人に付き従って成果を上げることが出来ます。

「三爻変爻」の場合:
  苦労をしますが一途に努力すれば成果を上げることが出来るでしょう。
  「男子裸の象」と言われていますので参考まで。

「四爻変爻」の場合:
  「謙をヒ(さしまね)く」とあります。謙徳ある賢者をヒけば「利ろしからざるなし」です。
  控えめにすることで運気が開けます。おだてに乗って飛び出さぬように。

「五爻変爻」の場合:
  謙虚にして侮られるときは攻めねばならない。なかなか対処が難しい時です。

「六爻変爻」の場合:
  謙虚でも疑われたり攻撃されたりしたときは攻めねばならない。仕方が有りません。


謙は亨(とお)る。君子は終りあり。

彖に曰く、謙は、亨る。天道は下済(かせい)して光明なり。地道は低くして上行す。
天道は盈(えい)を欠きて謙に益(ま)し、地道は盈(えい)を変じて謙に流(し)き、鬼神は盈(えい)を害して謙に福(さいわい)し、人道は盈(えい)を悪(にく)みて謙を好む。
謙は尊くして光り、卑(ひく)けれどもこゆべからず。君子の終なり。

象に曰く、地中に山あるは謙なり。君子は以って多を減らし寡を増し、物を計り施しを平らかにす。

初六:謙謙す。君子以て大川を渉る。吉なり。
   象に曰く、謙謙す。君子卑をもって自ら牧(やしな)うなり。
六二:鳴謙す。貞にして吉なり。
   象に曰く、鳴謙す、貞にして吉なりとは、中心より得たればなり。
九三:労謙す。君子終ありて吉なり。
   象に曰く、労謙す、君子とは、万民服するなり。
六四:利(よ)ろしからざるなし。謙をヒ(さしまね)く。
   象に曰く、利ろしからざるなし、謙をヒくとは、則に違わざるなり。
六五:富めりとせずしてその隣と以(とも)にす。もって侵伐するに利ろし。利よしからざるなし。
   象に曰く、もって侵伐するに利ろしとは、服せざるを征するなり。
上六:鳴謙す。もって師(いくさ)を行(や)り邑国を制するに利ろし。
   象に曰く、鳴謙すとは、志いまだ得ざるなり。もって師を行り邑国を制すべきのみなるなり。


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