地沢臨  兌下、坤上
「栄華の巷を低く見て。移り行く四季。」
盛運至り、諸事順調の象。
昇れば下る運勢の波を忘れず、驕らぬよう気をつけ、諸事円満解決に心がけるべし。

大吉
「臨(りん)」は「臨(のぞ)む、上から下を見る」と言う意味です。漫然と見るのでは無く、なにかをしようと積極的な気持ちで見ることです。
運勢は上昇中です。何ごとによらず思い通りに進むでしょう。地位が上がることもあるでしょう。
しかし、「八月に至れば凶あらん。」です。八月(旧暦では九月)には立秋となり、燃え盛るような夏も終わり秋の気配がします。今の盛運もやがては衰運に移ることを忘れず、心を引き締めることが必要です。
「願いごと」ー成就す。
「商ごと」ー順調に運びて利あり。相手との円満な交渉に心がけよ。
「相場」ー活気有り高値期待。
「受験」ー好成績。
「病気」ー全快するも油断は禁物。
「就職」ー願いかなう。
「天気」ー晴れ。
「旅行」ーよろし。
「開業」ーよろし。
「転業、移転」ーよろし。
「失物」ー出ず。
「方角」ー南西、西。
「色」ー黄、白
「初爻変爻」の場合:
  人があなたに同調し成果を挙げます。独善にならぬよう注意すること。

「二爻変爻」の場合:
  「吉にしてよろしからざるなし。」とあります。誠に盛運です。諸事積極的に取り組んで吉です。
  なお、「八月に至れば凶あらん」を忘れず、心を引き締めることは常に必要です。

「三爻変爻」の場合:
  「見方が甘い。良いところ無し」とあります。
  甘言に騙されたり、甘く見て失敗したりせぬ様注意が必要です。
  役割が重すぎる、ともあります。立場に固執せず引き下がることも良いでしょう。

「四爻変爻」の場合:
  正しく見るので失敗はありません。信頼できる人を用いるとうまく行きます。

「五爻変爻」の場合:
  「臨」の卦の意味を十分理解し適切な判断をして万事大いに吉です。

「六爻変爻」の場合:
  「敦(あつ)く臨む」、事に当たり慎重にしなさい、です。一歩退き、方針を堅持して内の充実を図る時。また時が来ます。


臨は大いに亨(とお)りて貞(ただしき)によろし。八月に至れば凶あらん。

彖に曰く、臨は、剛ようやくにして長じ、喜びて順がい、剛中にして応ず。
太いに亨りてもって正しきは、天の道なり。八月に至れば凶あらんとは、消すること久しからざればなり。

象に曰く、沢上に地あるは臨なり。君子もって教思すること窮まりなく、民を容(い)れ保(やすん)ずること限りなし。

初九:咸(かん)じて臨(のぞ)む。貞にして吉なり。
   象に曰く、咸じて臨む、貞にして吉なりとは、志正を行えばなり。
九二:咸(かん)じて臨(のぞ)む。吉にして利(よ)ろしからざるなし。
   象に曰く、咸じて臨む、吉にして利ろしからざるなしとは、いまだ命に順(したが)わざるなり。
六三:甘んじて臨む。利ろしきところなし。既にこれを憂うれば咎なし。
   象に曰く、甘んじて臨むとは、位当たらざるなり。既にこれを憂うれば、咎は長からざるなり。
六四:至りて臨む。咎なし。
   象に曰く、至りて臨む、咎なしとは、位当たればなり。
六五:知にして臨む。大君の宜(よろ)しきなり。吉なり。
   象に曰く、大君の宜しきとは、中を行うの謂なり。
上六:敦(あつ)く臨む。吉にして咎なし。
   象に曰く、敦く臨むことの吉なるは、志内にあればなり。


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