「二爻変爻」の場合:
「泰」の最盛期です。今の状態を維持するため相当な努力をする時です。
新規にことを始めたりせず現状を固め、内の充実に努めるのがよろしい。
「三爻変爻」の場合:
平かなるものにして陂(かたむ)かざるはなく、往くものにして復(かえ)らざるはなし、です。
「泰」の終期です。これまで順調に来たことに陰りが出ます。じたばたすることはありません。
運勢とはそう言うものだと考え、事態の収拾に努力するのがよろしい。
「四爻変爻」の場合:
「翩翩(へんぺん)として富めりとせず」、我こそは、などと思わず蝶のように軽やかにわが身を処しなさい。
衰運の始まりです。自分の分限をわきまえて無理をせぬことです。
人を信頼して任せるとうまく行くかも知れません。
「五爻変爻」の場合:
かつての隆盛のころと同じようにするのは無理です。
今の状態を認識し、自分は一歩退いて叉の盛運のときを待つことです。
「六爻変爻」の場合:
「城壁が崩れ平地となる、戦をしてはならない」とあります。
盛運の終わりです。挽回策を考えるより、如何にうまく撤収するかを考えることです。
彖に曰く、泰は小行き大来る、吉にして享(とお)るとは、すなはちこれ天地交わりて万物通ずるなり。
内陽にして外陰なり、内健にして外順なり、内君子にして外小人なり。君子は道長じ、小人は道消するなり。
象に曰く、天地交わるは泰なり。后(きみ)もって天地の道を財成し、天地の宣を輔相し、もって民を左右す。
初九:茅を抜くに茄たり。その彙(たぐい)と以(とも)にす。征(ゆ)くも吉なり。