「損」は損得の損ですが、商売などで損をするという意味とは少し違います。人の為に自分の持つ物を減らす、ということです。被災者への寄付などがそうです。
人のために苦労をしたり出費があったりしますが、何かの形で将来自分にプラスとなる投資と考えることです。
損得はどちらの立場から見るかの相対的な事柄です。こちらが損すれば相手は得します。
卦でも「損」を上下ひっくり返した卦、すなわち相手側から見た卦は「益」です。
また、出費せずして利益をあげることは出来ません。
今回はあなたが儲けを相手に譲る番、あるいは、今は出費をする時、と言うことです。やがてあなたが得をする番、あるいは利益を上げるとき、が廻ってくるでしょう。
「願いごと」ー今はかなわず。やがて誠意がとおる。
「商ごと」ー今は損をするがやがて取り返すことが出来る。
「相場」ー今は安いがやがて上がる。
「受験」ー今回は不成績も次ぎは好成績をおさむ。
「病気」ー急には回復せぬが養生に努めればやがて全快す。
「就職」ー今回は望みかなわず。
「恋愛」ー誠実さがやがて通じる。
「天気」ーやがて回復す。
「旅行」ー注意をして進むべし。
「開業」ー暫くは損をしてもやがて成功す。
「転業、移転」ー無理に進むことなし。
「失物」ーすぐには見つからず。やがて見つかる。
「方角」ー西、北東。
「初爻変爻」の場合:
出費や苦労を余儀なくされる時ですが今はぐずぐずせずにそれに従うことです。
あとでプラスになるでしょう。
「二爻変爻」の場合:
進んで投資などはせぬこと。外に向けて動きたい気が高まる時ですが自分の持ち場を守ること。
「三爻変爻」の場合:
三人行けば一人を損し、一人行けばその友を得、とあります。
仲間連れより単独行動が成果をあげます。目的も一つに絞るのがよろしい。
「四爻変爻」の場合:
病が治り喜び有り、と書かれています。今困難な状況なら良くなるでしょう。
「五爻変爻」の場合:
間違いなく吉、とあります。
思いがけない良いことがある、あるいは思いがけずうまくことが運ぶでしょう。
しかし、うっかり気を緩めないように注意が必要です。
「六爻変爻」の場合:
これまでの苦労や出費が報いられ、大いに成果をあげる時です。
公益の精神を忘れないように。
損は、まことあれば元吉にして咎なし。貞(ただ)しくすべし。往(い)くところあるによろし。なにをかこれ用いん。二器もって祭るべし。
彖に曰く、損は下を損して上に益し、その道上行す。損してまことあれば元吉にして咎なし、貞(ただ)しくすべし、往(い)くところあるによろし、なにをかこれ用いん、二器もって祭るべしとは、二器もてするはまさに時あるべしとなり。
剛を損して柔を益すに時あり。損益盈虚は、時と共に行わる。
象に曰く、山下に沢あるは損なり。君子以って忿(いかり)を懲らし欲を塞(ふさ)ぐ。
初九:事を止めて速やかに往けば、咎なし。酌(はかり)てこれを損す。