「二爻変爻」の場合:
障害が目前です。待てば状況が好転します。
「三爻変爻」の場合:
余程覚悟をして自重しないとずるずると窮地にはまり込みます。とにかく時を待つこと。
「四爻変爻」の場合:
窮地に陥りますが、人の助勢を得て脱出できるでしょう。
「五爻変爻」の場合:
悠々と待つのは良いが、気を緩めないように。時間が問題を解決してくれます。
「六爻変爻」の場合:
思いがけない客が三人来るので、これを敬えば吉、とあります。
思いがけないことで運勢が動くでしょう。流れに逆らわず運勢が開けます。
彖に曰く、需は須なり。険前にあるなり。剛健にして陥らず、その義困窮せず。
需は孚(まこと)ありて、おおいに亨(とお)る、貞なれば吉、とは、天位に位す。正中なるをもってなり。
大川を渉(わた)るによろしとは、行けば功あるなり。
象に曰く、雲、天に上がるは需なり。君子は以って飲食宴楽す。
初九:郊に需(ま)つ。恒(つね)を用いるに利(よ)ろし。咎なし。
「需は待つ也。険前に有る也。」
「需」は需要の需で、待つ、と云う意味です。何故待つのか。危険が目の前に有るからです。
貴方は今王の命をうけて旅をしている。途中、川に行く手を阻まれた。数日来の雨で水かさが増えている。日も暮れかけてきた。しかし何としても急いで渡りたい。貴方には力がある。それに何といっても王の命令である。さあ、どうする?
あなたは川岸に立って思案をしている状態です。
そして、今は待ちなさい、とこの卦はは教えています。
「剛健にして陥らず、その義困窮せず。」
危険を前にしたとき、自分に能力や権力が有るからと云って、無理やり押し通ろうとせず、一旦待つことです。さすれば危険に落ちて身動きとれなくなるようなこともありません。
「雲の天に上るは需也。君子以って飲食宴楽す。」
あなたは力が有る、そして進むべき義の有る人です。だからこそ、今は慌てずに、美女でも侍らし、酒でも飲んで待っていればいいのです。明日になれば難無く川を渡ることができるでしょう。
雲が天に上ればいずれは雨が降る、じたばたせずにそれを待てばいいのです。「君子」は、そうするものです。