風地観  坤下、巽上
「大地を吹き行く風。冷静な眼力。」
盛運より衰運に移らんとする時。
何事につけ誠実、真摯の心を保つこと。状況を良く観察し、敢えて危険を冒さぬ心がけが必要。

中吉
「観」は「見る」と言う意味ですが、下から上を見上げる、という雰囲気を持っています。また、「観察」や「観心」と言うように、じっと見る、目で見てさらに心で見る、裏まで見通すくらい見る、ということです。今は行動するより立ち止まって状況を見極める時です。ぱっと見ただけで良さそうだと思って動いたりすると失敗します。
物質的な利益より精神的な面に良い卦です。
(概説)
「願いごと」ー一見かないそうに見えるが困難。焦らず時節を待つべし。
「商ごと」ー利あらず。時節を待つこと。
「相場」ー波乱。今後は安値へ。暴落も。
「受験」ー不成績。
「病気」ー病状不安定。
「就職」ー不調。誠実に取り組み、時節を待て。
「天気」ー不安定で荒れ模様。
「旅行」ー平穏ならず。見合わせるがよし。
「開業」ー時期を得ず。
「転業、移転」ー出来る限り見合わすべし。
「失物」ー出ず。既に人手に渡るか。
「方角」ー東南、西南。
「色」ー青、黄
「初爻変爻」の場合:
  眼力不足です。見込み違いや見落としで失敗します。人の意見も聞き判断すること。
  重要な判断は後回しにした方が良いでしょう。

「二爻変爻」の場合:
  「隙間から見る。君子のすることでは無い。」と書かれています。
  大局を見ることが出来ず失敗する恐れが有ります。

「三爻変爻」の場合:
  冷静な判断で失敗しませんが、過信は禁物です。

「四爻変爻」の場合:
  上の者から厚遇を受けることがありますが、良く見るというこの卦の本質を忘れぬように。
  「国の光を観る」とありますが、「観光」の語源です。

「五爻変爻」の場合:
  分に応じた対応をすること。周りに十分目を光らせるのがよろしい。

「六爻変爻」の場合:
  気苦労の多い時です。無理に進まない方がよろしい。


観は手洗いて薦めず。孚(まこと)ありてぎょう若たり。

彖に曰く、大観上にあり、順にして巽、中正もって天下に観すなり。観は手洗いて薦めず、孚(まこと)ありてぎょう若たりとは、下観て化するなり。
天の神道を見るに四時違わず。聖人神道をもって教えを設けて天下服す。

象に曰く、風の地上を行くは観なり。先王もって方を省み、民を観て教えを設く。

初六:童観す。小人は咎なし。君子は吝なり。
   象に曰く、初六の童観は小人の道なり。
六二:覗い観(み)る。女の貞に利ろし。
   覗い観る、女の貞とは、また醜(は)ずべきなり。
六三:我が生を観(み)て進退す。
   象に曰く、我が生を観て進退すとは、未だ道を失わざるなり。
六四:国の光を観る。もって王に賓たるに利ろし。
   象に曰く、国の光を観るとは、賓を尚(たっと)ぶなり。
九五:我が生を観る。君子なれば咎なし。
   象に曰く、我が生を観るとは、民を観るなり。
上九:その生を観る。君子なれば咎なし。
   象に曰く、その生を観るとは、志いまだ平かならざるなり。


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