風水渙  ーー坎下、巽上
「帆に風を受け港を出る船。春風に雪解。」
氷に閉ざされていた港に春風吹き、帆に風を一杯に受けて船が出港するように、運気が開け喜びある象。
気の緩みに要注意。

中吉
「渙とは離れるなり」とあるように、渙は、離れて行く、散らす、という意味です。懸案の問題が解決し、心に引っ掛かっていたわだかまりが散っていく、という明るい意味があります。
またその一方、「離散」で、人が離れていく、集中力や結束力が散漫になる、ということもあります。こんな時は、そうならないように何か緊張感を保つようなことが必要になります。
(概説)
「願いごと」ーかなう。
「商ごと」ー成功し利有り。
「相場」ー先安。
「受験」ー好成績。
「病気」ー回復する。
「就職」ー進む。
「恋愛」ー進み喜びを得る。
「天気」ー好天気。
「旅行」ーよろし。
「開業」ーよろし。
「転業、移転」ーよろし。
「失物」ー何処かへ行ってしまい出ず。
「方角」ー北、東南。
「初爻変爻」の場合:
  問題解消の兆候が見えます。目上の人などの助力で良い方向に進むでしょう。

「二爻変爻」の場合:
  これまでの憂い事や問題が解決し心の平安を得ます。念願も叶うでしょう。
  安心しすぎて気を緩めず、更に一歩進む気構えが必要です。

「三爻変爻」の場合:
  「その身を散らす。悔なし。」とあります。自分のことを顧みず人に尽くすとよろしい、ということか、
  或いは、なりふり構わず力のある者に救援を求めれば助かる、ということか二通り考えられます。

「四爻変爻」の場合:
  これまでの体制や方針などを一旦解散し新規に編成することでうまくいくでしょう。

「五爻変爻」の場合:
  知識にしろ財産にしろこれまでの蓄積したものを分かち与えることで発展が得られます。
  初心を貫く意志が必要です。

「六爻変爻」の場合:
  君子危うきに近寄らず、です。火中の栗を拾ったりせず、退去するのが良策です。


渙は、亨(とお)る。王有廟にいたる。大川を渉るによろし。
貞(ただ)しきに利(よ)ろし。

彖に曰く、渙の亨(とお)るは、剛来たりて窮せず、柔外に位を得て上同す。
王有廟にいたるは、王すなはち中に有るなり。大川を渉るによろしとは、木に乗りて功有るなり。

象に曰く、風の水上を行くは渙なり。先王はもって帝をまつり、廟を立つ。

初六:用って救うに馬壮んなれば吉なり。
   象に曰く、初六の吉とは、順なればなり。
九二:渙のときその机に奔(はし)る。悔亡ぶ。
   象に曰く、渙のときその机に奔るとは、願いを得るなり。
六三:その躬を渙(ち)らす。悔なし。
   象に曰く、その躬を渙らすとは、志外に在るなり。
六四:その群を渙らす。元いに吉なり。渙るときは丘(あつま)ることあり。夷(つね)の思うところに非ず。
   象に曰く、その群を渙らす、元いに吉なりとは、光大なるなり。
九五:渙のとき、その大号を汗にす。渙のとき王として居るも咎なし。
   象に曰く、王として居るも咎なしとは、正位なればなり。
上九:その血を渙らし、去りて遠く出づ。咎なし。
   象に曰く、その血を渙らすとは、害に遠ざかるなり。


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