風天小畜  乾下、巽上
「垂れ込めた雲。剛を制する道。」
小が大を、陰が陽を、圧し止めている状態。
運気停滞し、何事も意の如くならず。一雨降れば陽光さす如く暫く待てば自ずと運気が開ける。


「小畜」とは「少し留める、あるいは、留められる」という意味であり、ちょっと思い通りにならない、と解せられますし、小銭程度は貯まる、とも解せられます。 また、「小なるものが留める」と言う意味でもありますので、つまらぬことに引っ掛かって進まない、或いは女に止められる、とも解せられます。 今は進めないことが良し、と考え、無理しないことです。まだ機が熟さず、もう少しの努力、もう少しの時間が必要でしょう。
この卦は、一人の女性が大勢の男に取り囲まれている形です。ご参考まで。
(概説)
「願いごと」ー邪魔ありてかなわず。しばし待てばとおる。
「商ごと」ー邪魔あり。時期を待つべし。
「相場」ー低調。しばし待て。
「受験」ー不成績。
「病気」ー長引く。
「就職」ー当分望みなし。
「天気」ー曇り後雨。
「旅行」ー障害あり。見合わせるがよろし。
「開業、転業、移転」ー障害ありて意の如くならず。時期を待つべし。
「失物」ー出で難い。日をおいて再度探せば出る。
「方角」ー東南、北西。
「色」ー白、青、緑
「初爻変爻」の場合:
  思うように進まない、それで良しとすることです。無理に進むと痛手を受けます。

「二爻変爻」の場合:
  人の忠告などよく聞くこと。落ち着いて、落ち着いて。

「三爻変爻」の場合:
  性急に動いて失敗します。夫婦喧嘩や仲間割れなどに注意。

「四爻変爻」の場合:
  努力が認められるでしょう。人から逆恨みされたりしないように注意が必要です。

「五爻変爻」の場合:
  人と協力してよい結果が得られます。勿論成果も分かち合うことです。

「六爻変爻」の場合:
  これまで苦労していることは解決するでしょう。しかし更に進むには危険です。
  とりあえずは、一件落着でお終いにすることです。


小畜は亨(とお)る。密雲あれど雨降らず、わが西郊よりす。

彖に曰く、小畜は柔、位を得て上下これに応ずるを小畜という。健にして従い、剛中にして志行わる。すなわち亨(とお)るなり。
密雲あれど雨降らずとは、往(い)くを尊ぶなり。わが西郊よりすとは、施しいまだ行われざるなり。

象に曰く、風天上を行くは小畜なり。君子は以って文徳をよくす。

初九:復(かえ)ること道による。何ぞそれ咎あらん。吉なり。
   象に曰く、復ること道によるとは、その義吉なるべし。
九二:牽きて復る。吉なり。
   象に曰く、牽きて復りて中に在り、また自ら失わざるなり。
九三:輿(くるま)輻(とこしばり)を説(と)く。夫妻反目す。
   象に曰く、夫妻反目すとは、室を正すこと能(あた)わざるなり。
六四:孚(まこと)あり。血(いたみ)去りタ(おそれ)出づ。咎なし。
   象に曰く、孚あり、タ出づとは、上、志を合わせばなり。
九五:孚ありて連如(れんじょ)たり。富その隣と以(とも)にす。
   象に曰く、孚ありて連如たりとは、独(ひと)り富めるとせざるなり。
上九:既に雨ふり既に処(お)る。徳を尚(たっと)びて載(み)つ。婦は貞なれども氏iあやう)し。
   月望に幾(ちか)し。君子も征けば凶なり。
   象に曰く、既に雨ふり既に処るとは、徳積みて載てるなり。君子も征けば凶なりとは、疑わしきところあればなり。


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