雷地予  坤下、震上
「歓楽の光と陰。蓄えのある倉庫。」
安泰。人集まり喜び満る象。
心に緩みを生じ、安逸に流れて運気を損ね苦労に陥る危険有り。

中吉
「予」は予定の予で「あらかじめ」準備をすることです。そのような心掛けであれば何ごとも成功し、その結果「喜びを得る」ことになりますので、喜ぶという意味もあります。
この卦は、冬の間から蕾が育ち膨らんできた花がいよいよ開く時です。かねての準備が整い、打って出る時です。運気は開け、時の流れに乗って発展します。喜びごともあるでしょう。
ただ、幸運がかえって災いにならぬように気を引き締める事が必要です。万事喜び過ぎないようにすることです。
(概説)
「願いごと」ー成就す。油断禁物。
「商ごと」ー順調に運びて利あり。油断禁物。
「相場」ー活況。
「受験」ー好成績なれど慢心は禁物。
「病気」ー全快するも油断して悪化の兆有り。
「就職」ー目上の引き有りて整う。
「天気」ー平穏。
「旅行」ー平穏な旅なれど油断すると災難に会う。
「開業」ーよろし。
「転業、移転」ーよろし。
「失物」ーすぐ出ないときは盗難のおそれ。
「方角」ー東、西南。
「色」ー黄色
「初爻変爻」の場合:
  自分が準備をしていないのに、人を当てにしてもうまくいきません。

「二爻変爻」の場合:
  「石に介(さかい)す。」とあります。境界をしっかり固める、と言う意味です。
  余計なことに手を出さず、しっかり守ることに専念する時です。

「三爻変爻」の場合:
  他人の成功につられ実力をわきまえず無理をして失敗します。足元をしっかり見ること。

「四爻変爻」の場合:
  人々の信用や助力を得て力を発揮できる時です。躊躇せず進んで下さい。

「五爻変爻」の場合:
  うまく進まぬ時ですが、それが結果として良かったということなります。無理せぬこと。
  持病はなかなか治らぬが、それで死ぬことは無い、とあります。

「六爻変爻」の場合:
  趣味か人間関係か仕事か、何か自分の好むところにはまり込んで危機に陥ります。
  一刻も早く目を覚まして方向転換しなければ破滅です。


予は候を建て、師を行くによろし。

彖に曰く、予は剛応ぜられて志行わる。順もって動くは予なり。予は順もって動く、故に天地もかくのごとし。しかるをいわんや候を建て師を行るをや。
天地は順をもって動く、故に日月過(あやま)たすして四時たがわず。聖人順をもって動けば、すなわち刑罰清くして民服す。予の時義、おおいなるかな。

象に曰く、雷の地を出て奮うは予なり。先王もって楽を作り徳を貴び盛んにこれを上帝に薦め、もって祖考を配す。

初六:鳴豫す。凶なり。
   象に曰く、初六の鳴豫は志窮まりて凶なるなり。
六二:石に介す。日を終えず。貞にして吉なり。
   象に曰く、日を終えず、貞にして吉なるは、中正なるをもってなり。
六三:目于豫(くよ)す。悔ゆ。遅ければ悔いあらん。
   象に曰く、く豫の悔は、位当たらざればなり。
九四:由豫す。大いに得ることあり。疑うなかれ。朋(とも)盍簪(あいあつま)らん。
   象に曰く、由豫す、大いに得ることありとは、志大いに行わるるなり。
六五:貞疾あり。恒に死せず。
   象に曰く、六五の貞疾は、剛に乗ればなり。恒に死せざるは、中いまだ亡びざればなり。
上六:冥豫す。成れども渝(か)うることあれば、咎なし。
   象に曰く、冥豫して上に在り、何ぞ長かるべけんや。


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