雷水解  ーー坎下、震上
「雪解け。難問解決。」
長い間あたりを閉ざしていた氷が融けて明るい春が来るように、努力の甲斐あって懸案の問題が解決する象。
時期を逸すること無く、速やかに行動を起こすとき。

大吉
「解」は問題が解決する「解」でありますが、何もしないで自然に解決するのではなく、解決に向けて行動した結果のことです。
動くことで運勢が開けるという意味もあります。転勤、移転、旅行などに関係します。
「解」はまた約束が解消する「解」でもあります。契約ごとなど注意が必要です。ただ、解約してうまく行く、ということも有ります。
どちらを取るかは占った問題によります。
緊張が解けて気が緩み、新たな問題を起こすことのないように、気を付けることが必要です。
(概説)
「願いごと」ーかなう。直ちに行動すべし。
「商ごと」ー成功す。商機を逸せぬように。
「相場」ーやがて高騰する兆。
「受験」ー好成績。
「病気」ー全快す。
「就職」ー望みかなう。躊躇せず進むべし。
「恋愛」ー躊躇せず進めばかなう。
「天気」ー雨。
「旅行」ーよろし。
「開業」ー躊躇せず進むべし。
「転業、移転」ー躊躇せず進むべ。
「失物」ーすぐには見つからず。
「方角」ー北、東。
「初爻変爻」の場合:
  解の始まり。懸案の問題が解決しそうで、まだもう一歩、というところです。
  ゆっくり構えて、支障は有りません。

「二爻変爻」の場合:
  これまでの努力が報いられる時、進んで好機を掴む時です。
  調子に乗って行き過ぎたり、騙されたりしないよう注意が必要です。

「三爻変爻」の場合:
  実力以上の目標に固執したり、見込み違いだったり、不注意などで難儀を被らぬように注意。

「四爻変爻」の場合:
  親しい者や旧い関係、手慣れた手段や慣れ親しんだ習慣などを切り捨てる事が必要になります。

「五爻変爻」の場合:
  諸事思うようには進まない時。この爻の「解」は約束などが解約される「解」でしょう。

「六爻変爻」の場合:
  困難解消です。進んで事の処理に当って良い時です。ただし、気を緩めるのは危険です。


解は、西南によろし。往くところ無なければ、それ来復して吉なり。往くところ有れば、夙(はや)くするときは吉なり。

彖に曰く、解は、険にして以って動く。動きて険より免るるは解なり。
解の西南によろしとは、行きて衆を得るなり。それ来復して吉とは、すなはち中を得ればなり。往くところ有れば、夙くするときは吉とは、行けば功有るなり。
天地解けて雷雨おこり、雷雨おこりて百花草木皆甲拆(たく)す。解の時、大いなるかな。

象に曰く、雷雨おこるは解なり。君子以って過を赦し、罪を宥(なだ)む。

初六:咎なし。
   象に曰く、柔剛の交わりは義として咎なきなり。
九二:田(かり)して三狐を獲(え)、黄矢を得たり。貞なれば吉なり。
   象に曰く、九二の貞吉は中道を得ればなり。
六三:負い且つ乗り、寇の至を致す。貞なれど吝なり。
   象に曰く、負い且つ乗るとは、また醜(は)ずべきなり。我より戎を致す。また誰をか咎めん。
九四:而(なんじ)の拇(おやゆび)を解く。朋至りてここに孚(まこと)あり。
   象に曰く、而の拇を解くとは、いまだ位に当たらざればなり。
六五:君子、維(これ)解くことあらば、吉なり。小人に孚(まこと)あり。
   象に曰く、君子、解くことあるとは、小人退くなり。
上六:公もって隼を高塀の上に射る。これを獲てよろしからざるなし。
   象に曰く、公もって隼を射るとは、もって悖(もと)れるを解くなり。


(解説)

「往くところ無なければ、それ来復して吉なり。往くところ有れば、夙(はや)くするときは吉なり。」
行ってやるべき仕事があるときは早く行ってケリをつけるのがよろしい。行ってもやるべきことが無い時にはさっさと帰ってくるのが良ろしい。
行く必要が有るのにぐずぐずしているのは良くないが、来てみれば大した用事も無かったのに、折角来たのだから、などと余計なことをするのも、碌なことは有りません。


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