沢地萃  ーー坤下、兌上
「砂漠のオアシス。賑やかな祭り。」
萃とは、人々が集まる意である。それも楽しく、喜んで集まる象である。
人々が集まり、親和し、人と共に富や情報も集まり、豊かに栄える象である。

中吉
この卦は天から降った雨の水が自ずと低いところに流れ集まるように、人も富みも情報も然るべきところに集まるという卦です。人を集めるにも良いということです。盛大に先祖を祭るお祭りをするに良い、と書かれています。 「鯉、龍門に昇る象」とも言われています。
しかし人が集まれば不測の争いも起こります。あるいは競争者も集まって来ます。戦いへの備えも怠り無く、しっかり目標に向かって進むことが大切です。
(概説)
「願いごと」ーかなう。
「商ごと」ー順調に進み利あり。
「相場」ー安定で安値。
「受験」ー好成績。
「病気」ー判断の分かれるところ。
「就職」ー望みかなう。
「恋愛」ー望みかなう。
「天気」ー雨。
「旅行」ーよろし。
「開業」ー進みてよろし。
「転業、移転」ーよろし。
「失物」ー見つかる。
「方角」ー西、西南。
「初爻変爻」の場合:
  心が定まらず迷う時です。方向を定めてしっかり進むことです。

「二爻変爻」の場合:
  人の引き立てでうまくいく時です。事業など方針変更せず進めばうまくいきます。

「三爻変爻」の場合:
  方針が決まらなかったり、途中で他のことに気をとられたりしてすんなり行きません。

「四爻変爻」の場合:
  頼まれたり頼られたりします。万事対人関係に十分配慮すること。

「五爻変爻」の場合:
  運勢が良さそうな割に内実が伴わない時です。そんなこともある、と割り切ること。

「六爻変爻」の場合:
  「涙や鼻水を流して悲しむ」と易の本に書かれています。万事思うに任せぬ時です。


萃は、享る。王、有廟にある。大人を見るによろし。享。貞によろし。大牲を用いて吉なり。行くところあるによろし。

彖に曰く、萃は聚なり。順にして以ってよろこぶ。剛中にして応ず。故に聚なり。王、有廟にあるとは、孝亨を致すなり。大人を見るによろし、享るとは、集まるに正をもってするなり。大牲を用いて吉、行くところあるによろしとは、天命に順ずればなり。
そのあつまるところを観て、天地万物の情を見るべし。

象に曰く、沢の地に上るは萃なり。君子以って戎器を除め、不虞を戒む。

初六。孚(まこと)あるも終わらず。すなはち乱れすなはち萃(あつ)まる。もし号(さけ)べば一握笑を為さん。
   恤(うれ)うるなかれ。往けば咎なし。
   象に曰く、すなはち乱れすなはち萃まるとは、その志乱るるなり。
六二。引けば吉にして、咎なし。孚あればすなはち、やくを用いるに利ろし。
   象に曰く、引けば吉にして咎なしとは、中いまだ変ぜざればなり。
六三。萃如(すいじょ)たり、嗟如(さじょ)たり。利ろしきところなし。往けば咎なけれど小しく吝なり。
   象に曰く、往けば咎なしとは、上巽(した)がえばなり。
九四。大吉にして、咎なし。
   象に曰く、大吉にして、咎なしとは、位当たらざればなり。
九五。萃(あつ)めて位を有(たも)つ。咎なし。孚(まこと)とせらるることあらざるも、元永貞なれば、悔亡ぶ。
   象に曰く、萃めて位を有つとも、志いまだ光(おお)いならざるなり。
上六。せいし、弟洟(ていい)す。咎なし。
   象に曰く、せいし、弟洟すとは、いまだ上に安んぜざるなり。


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