「二爻変爻」の場合:
なかなか困難な状態から抜け出せません。酒でも飲んでいるうちに状況が好転するかもしれません。
「三爻変爻」の場合:
進むに進めず、止まることも出来ず、とにかく苦しい時です。何とかこれより悪くならない様にするだけです。
「四爻変爻」の場合:
好転したように思えても安心出来ません。まだまだ状況は甘く有りません。
「五爻変爻」の場合:
危険は有りますが困難な状況打開の為の方策を講じるときです。
「六爻変爻」の場合:
行動して悔いることが有っても行動することで脱出できるでしょう。
彖に曰く、困は剛おおわるるなり。険をもってよろこび、苦しみてそのとおるところを失わず、それただ君子のみか。
貞なれば大人は吉とは、剛中をもってなり。云うこと有るも信ぜられずとは、口をたっとべばすなはち窮すなり
象に曰く、沢の水無きは困なり。君子はもって命を致し志を遂ぐ。
初六。臀株木(しゅぼく)に困(くる)しむ。幽谷に入りて、三歳までみず。
「「かつるい」に「げつごつ」に苦しむ。ここに動けば悔い有り。悔いることありて行けば吉なり。」 「かつるい(刺だらけの蔓草)」にからまれ、「げつごつ(心臓がギイギイ泣くほど)」に苦しんでいる状態です。動けば傷だらけになる。しかしここでじっとしたままくたばってしまうのは、敵の思う壷です。あなたは、こうなった経緯を反省し、冷静に状況判断をした上で、ダイ・ハードの主人公の如く、少々の怪我は覚悟の上で、いや腕一本位は失う覚悟で、敢然と脱出するのです。そうすれば窮地は開けます。しかし、あなたに出来ますかな?
「困(くる)しみてその亭(とお)るところを失わざるは、ただ君子のみか。」
困難の中にあっても、正しい道を踏み外さずに進むことが出来るのは、君子だけではないかと、易には書かれています。