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改造と改良メモ

一枚もののシートをクッション性のあるシートに交換
シート取替え前 シート取替え後
薄くて硬い背シートは長時間座っていると仙骨部が圧迫されて
じょく瘡や姿勢が崩れる原因にもなってしまうことも考えられます。
このユーザー様の車いすの背シートも張り調整のできない一枚ものになっているため、
仙骨部分と思われる部分に圧力が集中していたと思われる背シートのたわみが見られました。
座面に体圧を分散するクッションを使用するように背中部分にもクッション性を持たせ、
なおかつ正しい座位をつくるための調整機能は必要ではないでしょうか。


手順1
1.この車いすは3年ほど屋外用として使われていたものを新車購入を機に、室内用として使っているそうです。一枚ものの背シートは仙骨部分に力が加わっていたようなたわみが見られます。
手順2
2.後ろからのショットです。屋外で3年、屋内用として5年ほど使用した車いすだそうです…屋内使用は傷みが少ないためユーザー様の中には10年、15年ものの車いすもあるようです。
手順3
3.さて、作業はここからです。まずは側板を留めているリベットを外します。方法は6mmくらいのドリルを使って頭の部分を飛ばします。飛ばすのは背シートが留めてある4箇所と上下2箇所。
手順4
4.リベットの頭部分を飛ばしたら、残った軸を3mm前後の六角レンチで押し込んで抜き落とします。リベット外しはシート交換の中で一番手間のかかる作業かもしれません(^ ^;)
手順5
5.リベットが外れたら、側板を止めているボルトを外し、あとは背シートを上に引っぱり上げて取外し完了。
手順6
6.ここで正しい姿勢をつくる要となるインナーベルトを取付けます。事前に寸法を計っておいたのでサイズはピッタリです!
手順7
7.大体の位置が決まったところで、側板を止めるボルトを通すための穴を空けます。穴を空ける位置に白のマジックでマーキングをしたら、一度外して穴開け機でパチンッと空けます。
手順8
8.穴が空いたら再度シートをはめ、ボルトを通し締めつけます。そして新しいリベットを打ち込みます。リベットの下穴は千枚通しでグリグリやりました。
手順9
9.こんな感じです!インナーベルトが付いてしまえば、ほぼ出来上がりです。
手順10
10.クッション性のあるアウターシートとコーナーパッド、背中のベルトを隠すポケット付きのカバーをペタペタとマジックテープで固定します。
手順11
11.最後にお尻に敷いたクッションが抜けないようにするためのヒップレザーを取付けて作業終了。あとはユーザー様の体形に合わせてベルトで調整します。
手順12
12.ついでにホイールを22インチから24インチに変更してしまいました。古く感じた車いすも背シートを交換しただけで新車と見違えるほどになりました…ちょっと大げさかな


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