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6号機修理  2007/8/25

 2年前に制作したコンサートタイプのウクレレのトップ板に割れが入ってしまいました。
この楽器は既製品のスプルースのまねをして杉の柾目をトップに使ったのですが、 スプルースと違い日本で育った杉の木は夏の成長が大きいため、目の粗い柾目になっています。 

作るときから弱いだろうと思い裏に補強板を貼り付けていたのですが、 ちょっとぶつけてしまい写真のようになってしまいました。 

私が初めて40年前に買ったウクレレも、娘が1才の時踏み台代わりにウクレレの上に乗って壊してしまい、 このときは修理できないくらい壊れたのでそのまま廃棄されてしまいましたが、 今回は自分で作った物なので修理しようと思います。

裏板をはがす 2007/8/27
 表か裏の板をはがさないと修理出来そうに有りません。
表板はセルバインドもしていますし、裏板をはがす方が簡単そうです。
接着剤は木工ボンドなので濡らせばはがれるはずです。

写真左上のようにきれいにくっついている板ですがしょうがありません。 左下の写真のように塗れ雑巾でまわりを囲みます。
最後には中に水を入れて内側からも染み込ませました。

上下のブロックのところがなかなか染み込みませんでしたが、 アイロンをあてながらすきまにカッターの刃をさしこんでやっとはがれましたが、 写真右のように水分とアイロンの熱でぐにゃぐにゃになってしまいました。
特に割れに弱い板なので普通より入念に補強が入れてあります。

裏板を貼る 2007/8/31
 せっかく丁寧に裏板をはがしたのに板のソリを直そうとして割ってしまいました。
写真のようにかなりひどくそってしまっています。しょうがないので、裏板を交換することにしました。 同じくケヤキですが、節のまわりのちょっと硬めの場所です。

今までと同様に5mmくらいあった板厚を1.5mmくらいまで薄くして貼り付けました。
今度はネックがついたままなので治具は使えません。直接手製のクランプで固定します。

修理完了 2007/9/1
 裏板を薄くするのに堅かったので少し苦労しましたが、綺麗に修理をすることができました。
表板の方もまあまあの出来だろうと思います。

ただ、もう二度と表板を割ることが無いように表板の裏に着けるブレイシングを1本増やし表板は補強だらけになってしまい、 むく材の1枚板の特徴がまったくなくなってしまいました、 がちがちに固めたせいで音が響かなくなってしまったのです。

特に低音の響きが悪く音量も小さくなってしまいました。
せっかくボデイや指板にセルバインドまでしてかっこよく作ったのにざんねんです。

表板を何か他の板と取り替えるかどうかまよっています。やはり柔らかい杉板の表板にはだいぶ無理があったようです。

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