旅は楽しい。団体で行くツアー旅行でも、個人旅行でも、貧乏旅行でも、旅は楽しいのであ る。ここに、楽しい旅をする為の心得を、旅のしにくいインドを例にして話したい。 インド・この国ほど旅のしにくい国はないのではないだろうか。インドにハマる人、二度と 行きたくないという人、と様々な感想を抱くであろう。だが、インドの旅は面白い。極端に面 白い。最悪で邪悪な面白さがある。旅は日常から離れる事であり、その意味では、インドの旅 はとてつもない非日常を見る事ができるからである。 まず結論から言おう。「旅行者はインドでまともな旅をしようと思うな!」インドは、まと もな旅はさせてくれない国なのである。ついでに価格交渉をしなければならない国は、「ツー リスト・プライス」での価格交渉であり、現地価格ではないのである。価格交渉のある国で、 旅行者が現地価格で旅をしようとする事自体が、無理という事を肝に銘じるべきである。 それでは、旅に必要な移動手段を考えてみたい。 (1)鉄道
確かに鉄道大国などと書かれてはいるが・・しかし、インドの鉄道で安心した快適な移動は できないのである。ダイヤはいい加減、料金が安ければ小さい窓に鉄格子で人・人・人の暗闇 で、灼熱の阿鼻地獄を体験させられる(この珍し物、恐い物見たさに乗る人もいるが)。高け れば高いで寒すぎる。普通の人間なら、体調を崩さないほうがおかしいくらいだ。これが下痢 になる原因である。だいたい、列車に乗る事自体も大変難しいのである。列車に乗れば、イン ド人でさえ荷物を鎖と鍵で厳重に守っているのを見た時に、安心していられるだろうか。駅の 構内では人がころがり、ひしめきあっている。ホームからは、男女を問わず立ちションベン。 駅はゴキブリと鼠の住居となり、列車から降りればタクシーやリキシャー、はたまた安宿の強 引な客引きの洗礼を受けるのである。 (2)バス
長距離バスと短距離の市内バスに分かれる。とにかく安いのはいいがボロである。路線が分 かりずらくて乗りずらい。市内バスを旅行者が利用するのは難しいのである。 (3)タクシー
これは旅行者にとって、まともな乗り物とはならない。インドのタクシーは、移動手段とは ならないのである。目的地に着く保証がないからである。ましてや、夜は絶対に乗ってはなら ない。危険極まりない乗り物である。 まず、価格交渉から始まる。旅行者と見れば何倍もの料金をふっかけてくる。料金について は、乗る者が納得したならば、それはそれで百歩譲って適正価格としよう。ただし「キチンと 目的地に着けば」の話である。運転手の他に助手席にもう一人インド人が乗ってきたなら、も う、そのタクシーは最悪であり逃げるべきである。逃げられなければその先には地獄が待って いると心しよう。 まず、助手席のインド人がメチャクチャなツアーを勧誘してくる。これはしつこい。実にし つこいのである。狭い車内で逃げようのない旅行者はなんとかはぐらかし、ごまかそうと無用 の努力を強いられる。断っても断っても、執拗な勧誘は続く。そのうち旅行者はどこを走って いるかわからなくなってくる。そうです・・行き先は旅行者の目的地と違うホテル?インチキ 旅行会社?土産物屋?それとも・どこだかわからない路上の上に放り出されてしまう。そして 、最初の価格交渉のお金を払うだけではすまなくなる。どうしてもインドのタクシーを利用し たいなら、昼間で、ある程度の方角がわかっている場所で、運転手一人だけの、こちらから見 つけたタクシーである。これ以外利用してはならない。絶対に利用してはならない。 なお、これに付け加えておきたい。プリペイドタクシーなる物もあるが、これも決して安心 だと思ってはいけない。これも同じ穴のムジナである事を心すべきである。チョットだけマシ かもしれない程度である。 ただし場所によるので特定しておきたい。 **これは、ニューデリ・アーグラー・ヴァナラスである** (4)オートリキシャー
インド旅行で良くも悪くも、これに関わらずに済んだ旅行者はいないはずである。関わらな いで済んだとすれば、団体のツアーの人達ぐらいかもしれない。この人達とて自由行動で街中 に出れば、イヤでも関わってくるはずである。道を歩いていれば「ハロー」「ホエヤー・ユウ ー・ゴー」などと話しかけて来る。価格交渉をした時に「アズ・ユー・ライク」なんて言葉が 出たなら関わらない方がいい。ましてや、ホテルの前で客待ちしているのは最悪である。しつ こい・しつこい・とにかくしつこい。なんでこんなにしつこいんだ・と思うくらいしつこい。 だが、このオートリキシャーは、タクシーよりはマシな乗り物である事は確かである。旅行 者の心構え次第では便利な乗り物となる。小回りはきくし、街中にはウジャウジャといる。従 って目的地に着いたら、同じオートリキシャーを利用してはならない。相手は一度利用すると 「ここの出口で待っている」とか言いながら、もっと乗らせようとする。それはキチンと断っ て、払う物は払って、二度と乗ってはいけない。もし乗れば、土産物屋か、その類へ連れて行 かれるのである。「このオートリキシャーは親切ないい人だ」などと思ってはいけないのであ る。そんなに簡単に、この人はいい人、悪い人と判断できる訳はないのである。あくまで仕事 で、こちらはお金を払う客である事を忘れてはならない。 ただしこれも場所によるので特定しておきたい。 **これは、ニューデリ・アーグラー・ヴァナラスである** (5)リキシャー
そう、自転車の人力車である。移動手段としては行動範囲が狭いのが難点だが。相手は一人だ し、ある程度安心して乗る事ができる。ただし、価格交渉は絶対に必要な行為ではある。必ず 何倍もの料金をふっかけてくるが、かわいい程度である。ここは一つ、価格交渉を楽しんでか ら乗らせてもらうユトリを持ちたい。 このインドというアッツイ国で、リキシャワーラーの背中を見て乗っていれば、「多少は多 くお金を払ってもいいのではないか」と言う気持ちになってしまう・・そしたらチップを払え ばいい。インドで安心して乗れる乗り物である。
乗り物については以上で終わりたい。 次に「乞食さん」である
これが困るのである。カースト制度とバングラディッシュの難民の人たちの、ある種の職業 とも思えるのだが・・。これは個人・個人で考え方をしっかり持って接していくべきである。 いくらやってもキリは無い。 しかし、小さな子供が赤子を抱いてズボンの裾にしがみついてきたり、道端で赤子を抱いて 手を差し出す女性の眼を、そして、道路を這いずりながら物乞いをしてくる人達を、どこまで 無視できるか・・という事である。これは、まさに生きる為の凄惨な戦いなのである。 結論として、乞食はいるのである。インドに行く以上は仕方の無い事なのである。従って、 ある程度は無視をする。しかし、無視する事によって、後でイヤな思いをするような場面に出 くわすので、あらかじめポケットに小銭を用意しておく事である。そして渡すなら、渡す場所 をよく考える事である。相手は一人ではないのである。一人に渡せば次から次へと手がのびて くるからである。 バクシーシって?
「バクシーシ」とか・・訳のわからない慣習?である。インドやエジプトなどで使われてい る言葉である。「喜捨」とか訳されているようである。「喜捨」と訳せば聞えはイイが、簡単 な話が「金をよこせ」ではないか。それも、急に、低い小さな声で、イヤラシク脅すが如くに 手をさし出して「バクシーシ」だと?富める者が貧しき者に云々とか・・路上で素直に物乞い をする乞食さんに渡すほうがまだマシである。渡さなければ「クレイジー」などと罵声を浴び せかけてくる事を承知しよう。 「ちょっと見るだけ」
・・と言われても、絶対相手にしてはならない。ついていけば手厚いもてなしを受ける。大 切に、そして親切に飲み物を勧められて応対してくれる。それでも断る勇気を持っている人な ら別です。時間を持て余して暇であっても、イヤな思いをするだけである。それを覚悟で見る のは自由である。しかし、どうして訳のわからない日本語が使われるのだろうか。
「チープ・チープ」「安い・安い」
どうもこの言葉が好きな人種が多い。この言葉を連発されると「フッ」とそんな気になるか ら不思議である。必要の無い物はどんなに安くても高いのである。 ウソ?が多い
ウソか真か親切か。道を尋ねたとしよう。知らなくても親切に教えてくれる。一人に聞いた だけで信用してはならない。複数に聞こう。どうも「知らない」という言葉を知らない人が多 ようである。 変に親切な人が多い
「今日は、あそこは休みだから」とか、「こっちの方がイイ」とか・・変に親切な人が多い のはなぜだろう?そしてその言葉はウソである。 なぜ話し掛けてくるか
よく考えてみよう。見知らぬ人が何の為に話し掛けてくるのかを・・特にインドはひどい。 話し掛けてくるインド人にとっては、外国人は皆、金持ちに見えてる筈である。貧乏旅行をし ているバックパッカーといえども大金持ちなのである。確かにバックパッカーは貧乏旅行をし ている。だからと言って貧乏ではないのである。お金は持っていない「POOR」と言っても 少なくとも数万円は持っているハズである。彼らの物価・賃金から見れば、それは大金持ちで ある。大金を持って街中を歩いている旅行者を黙って見過ごす訳がない。あの手この手で話し 掛けて、貧しさ故に一攫千金を狙ってくるのです。見知らぬ旅行者に話し掛けて来る国はだい たい決まってる。日本で、見知らぬ外国人旅行者に話し掛ける人がいますか?一緒に付き合っ て案内する親切な人がいますか?相手が聞いてこない限り、こちらからあまり話しかけはしな いでしょう。何かの目的があれば別ですが・・・ 結論として、インドでインド人に話し掛けられたら、それは相手にとって「下心」という目 的があるから、と思って大部分が間違いない筈です。そう思って「かけひき」を楽しみましょ う。 体調を崩すな
インドは暑いのである。だから水をいっぱい飲む。カレーという刺激物を食べて、質の悪い 油で揚げた物を、牛や犬の糞尿の街中で食べ、極寒のクーラーで体調を崩し、執拗なインド人 の言葉の攻撃やトラブルで精神は疲れ果て、これで体調不良(下痢)にならない方がおかしい ではないか。持参の薬で治ればイイが、病院の世話にならないようにしたいものである。 挨拶をしよう
これは団体さんのツアーにお願いしたいです。たぶん添乗員さんの注意事項かもしれないけ れど・・知らない人と口をきくな・・同じ旅行者同士です。すれ違う時に「こんにちは」程度 の挨拶はしたいものです。ともすれば、こちらから「こんにちは」と挨拶をしても「私達は、 あんた達と違って、高級な旅行をしている」とでも言わんばかりに無視をされる事が多い。寂 しい限りです。山登りでは、すれ違う時「こんにちは」と挨拶するではないですか。爽やかに いきたいものです。 いい旅しよう
ツアー旅行でも、個人旅行でも、貧乏旅行でも、旅は「思い出に残る楽しい旅」にしたいも のです。「体力」「経済力」「時間」「目的」「性別」とを考え合わせて、自分に合った旅を したいものです。貧乏旅行を競い合うのもいいでしょう。これは特にインドを旅する人に多く 見受けられます。安さを競って独房のような窓も無い不衛生な部屋に泊まり、挙句の果てに体 をこわした時、それはもう旅ではないでしょう。インドだからと言って、外国だからと言って 「麻薬」が許される訳はありません。そんなヤツは論外です。1ルピー程度でインド人と喧嘩 をして楽しいでしょうか。旅行者同士で安さを競って楽しいでしょうか。 特にインドは、他の国と違って独特の雰囲気を持っています。旅行者が接するインド人は残 念ながら大体がお金を目当てに近づいてくる人達です。これらを全て排除しようとすればイン ドの旅はつまらなくなってしまいます。ホントに親切な人達ともたくさん会いました。危険の 及ばない範囲では仕方の無い事です。自分の予定する行動を、他人の言葉で簡単に変更しない 事が大切ではないでしょうか。自分の目で確かめましょう。自分で出来る事は自分でやりまし ょう。「旅行者は、インドでまともな旅をしようと思うな!」インド人を見る目を養い、自分 を信じて「NO PROBLEM」とおおらかに「思い出に残るいい旅」をしたいものです。 以上、独断と偏見と経験で書いてみました。 |