今更ながら D級アンプをつくってみた!


その2 特性を測ってみた! が・・・w

やばいです・・・。
こんなに悪いのか? それとも測定方法が悪いのか・・・

(1) 差動出力を何とかせねば・・・

前回、BTL 出力なため PC で測定できない! というのを説明しましたが、どういうことなのかといいますと 下図のような理由によります。


図1 まずいでしょ?

PC で歪み率を測定する場合、音声出力と音声入力を使用するのですが、この構成だと PC の GND がショートしてしまいます。 これではまずいです。 というわけで、思いついたのがトランスを使用して音声入力と音声出力を絶縁してしまう手です。

補足 : 私は USB 接続のオシロスコープをよく使うのですが、このオシロもよく考えないと PC の GND とショート してしまうので注意ですw なので、アナログのオシロも手放せない・・・やっぱスタンドアローンなオシロがいいですな・・・

図2 これなら大丈夫

これならば、GND 電位が違ってもショートすることはありません。 まあ、幸い手元に ST-78 というトランスがあるのでこれを使用します。


図3 ST-78

ちなみにこれは、インピーダンス 10[kΩ] 1 : 1 のドライブ用トランスです。 (なんで持ってるのですが、ニキシー管やってるときにビビりなんで音声入力を絶縁したときのものですw)

(2) ST-78 の特性を測ってみる

トランスを使用するとどのくらい歪み率が増加するのかを最初に調べました。 回路は図の様にして PC の音声出力、入力間にトランスを挿入して評価しました。


図4 こんな風にして測ってみた!

図5 ST-78 の特性

100[Hz]は致命的ですが、1[kHz]、10[kHz]は、さほど歪みがなく何とか使用できそうです。

補足 : 入力の 10[kΩ] をもっと低くすれば、低域ももっと伸びるとは思いますが、 ライン出力でドライブできなくなる可能性もあります。 まあ、今回は 100[Hz] は測定しませんw

(3) 測定してみる!

なんじゃこりゃーーーーーー!!!

こんなに悪いのか?
測定方法が悪いのか?


図6 THD+N (8[Ω]負荷)

図7は、1[kHz] 1[Vpp] の出力波形です。 なんか、サイン波になんか変なノイズが見えます。


図7 アンプの出力

ん・・・発振してるのか? それとも、PWM ノイズがでてきているのか? と思い拡大してみると・・・


図8 拡大

ぱっと見は 320[kHz] って所でしょうか? PWM のノイズかねぇ・・・なんかちょっと周波数違うけど。


図9 wave spectra の様子

図9 は、wave spectra の画像ですが、壮大に1[kHz]の高調波がでています。 ここまで大きいと歪み率の測定値は妥当でしょうね。 まあ、仮に PWMノイズが LPF で取り切れていないとしても、これが 1[kHz] の高調波になるのか? といえばハテナですな?

測定すると言い張ったものの、こんな結果で本人も納得していない状態です・・・。 うーん・・・本当にここまでひどいのでしょうか? カタログスペックはもうちょこっといいので、この結果は正直あんまり当てにならないのかなと思っております。


図10 データシートのスペクトラム

図11 データシートのTHD+N

めんどくさいけど差動アンプで評価してみましょうかねぇ・・・ですが次回は未定です。 なんか、まともなアンプ(10W程度AB級で)作ろうかなぁ・・・と思い始めてきたので・・・w
というか誰かいい測定方法を教えてくださいませ・・・

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