夏草夢幻


    
Eternal Time - Pompei - --夏草やつわものどもが夢の跡--


「曽良旅日記」によると、芭蕉は五月十三日(陽暦六月二十九日)、 義経が最後立てこもった高館に立ち寄っている。

「奥の細道」では、「三代の栄耀一睡の中にして、大門の跡は一里こなたに有り。秀衡が跡は田野に成りて。金鶏山のみ形を残す。先ず高館にのぼれば、北上川南部より流るる大河なり。・・・さても義臣すぐってこの城にこもり、功名一時の草むらとなる。「国破れて山河あり、城春にして草青みたり」と、笠打ち敷きて、時のうつるまで泪を落としはべりぬ。」とある。

ここでは、芭蕉らが高館で夢の跡を見ている様子として描いた。

第20回総合水墨画展(2015年8月6日〜16日、国立新美術館)に出品、国際カレッジ賞を受賞

(727mm x 909 mm, 2015)
""高館(たかだち)"とは ?" 義経最期の地と伝られている。中尊寺の東方、北上川に望む丘陵が高館で、頂上に天和三年(1683)伊達綱村によって建てられた義経堂がある。(久富哲雄、おくのほそ道 全訳注、講談社学術文庫)
""漢詩"とは ?" 訪平泉高館
首夏遊丘望古原
山河百草圧枝繁
昔時俳聖空揮涙
如夢興亡弔鬼魂
        杜正
書き下し文
題名:平泉 高館 を訪う
首夏 丘に遊びて 古原を望めば
山河の百草 枝を圧して繁る
昔時の俳聖 空しく涙を揮く
夢の如き 興亡 鬼魂を弔う
        杜正

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