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子曰、 「学而時習之。 不亦説乎。 有朋自遠方来。 不亦楽乎。 人不知而不慍。 不亦君子乎。」 |
子曰はく、 「学びて時に之を習ふ。 亦説ばしからずや。 朋有り遠方より来たる。 亦楽しからずや。 人知らずして慍みず。 亦君子ならずや。」と。 |
現代語訳/日本語訳
先生はおっしゃった、
「教えられたことを受け入れて、そのたびごとにそれについて復習して身に付ける。
なんと喜ばしいことではないか。
遠くから同門の学友が来る。
なんと楽しいことではないか。
人が自分を認めてくれなくても不満を持たない。
なんと君子らしいことではないか。」
解説
★子曰、「学而時習之。不亦説乎。
しいはく、「まなびてときにこれをならふ。またよろこばしからずや。
「習」は"身につくようにする・習熟する"。
「字時」は"そのたびごとに"。
「不亦〜乎」は感動の形で、"なんと〜ではないか"。
「説」は「悦」に通じ、心の中に沸いてくる喜びを表す。
★有朋自遠方来。不亦楽乎。人不知而不慍。不亦君子乎。」
ともありゑんぱうよりきたる。またたのしからずや。ひとしらずしてうらみず。またくんしならずや。」と。
「友」が"志向を同じくする者"を指すのに対し、「朋」は"同門の学友"をさす。
「楽」は喜びが心の外に現われたもの。
「慍」は"不満を持つ"。
三省
本文(白文・書き下し文)
曾子曰、 「吾日三省吾身。 為人謀而不忠乎。 与朋友交而不信乎。 伝不習乎。」 |
曾子曰はく、 「吾日に三たび吾が身を省みる。 人の為に謀りて忠ならざるか。 朋友と交はりて信ならざるか。 習はざるを伝ふるか。」と。 |
現代語訳/日本語訳
曾子は言った、
「私は一日に何度も自分のことを反省する。
人のために画策するときに、真心を尽くさずにいなかったか。
朋友と交際するときに、自分の言葉に責任を持たずにいなかったか。
よくわかっていないことを教えなかったか。」
解説
★曾子曰、「吾日三省吾身。
そうしいはく、「われひにみたびわがみをかへりみる。
「三」は、"3"の意味と、"何度も"の意味がある。
ここでは教科書の注に従い、後者で解したが、個人的には前者のほうが合うと思う。
曾子とは、曾参(そうしん)[字は子輿]のこと。
親孝行と実直さで知られた。
呉起(呉子)の師であると伝えられている。
★為人謀而不忠乎。与朋友交而不信乎。伝不習乎。」
ひとのためにはかりてちゆうならざるか。はういうとまじはりてしんならざるか。ならはざるをつたふるか。」と。
「忠」は"まごころを尽くす"。
「朋友」は"友人"。
「朋」が"同門の学友"を指すのに対し、「友」は"志向を同じくする者"をさす。
「信」は"自分の言葉に責任を持つ"。
「習」は"習熟する"。