中学2年の時だったと思う。
先生は余り経験のない女性のM先生、この頃私達だけじゃなく、男より女の方が言葉の使い方を知っている時代でした。

原因は掃除の事だと思った・・と言うか私が後から揉めている時に、途中から口を出したんだと思う。「女のくせに・・」とか「生意気なこと言うなよ」とか、口で男が負けている時、それも明らかに男が悪いのが分かっている時に、私がしゃしゃり出て・・男連中から見たらそういう風に映ったと思う。

「やめろよ、そんなこと言ううな!お前ら悪い謝れ」確か、頭ごなしに言ったと思う。
男連中は間違えているのはわかっているが、上げた手を下ろせずにいる時に俺がそう言った事で、上げた手は俺に向かった。

「何?桑原テメエ何様のつもりだ、女の味方するのか?」と言われたが、一方的に悪いことを通そうとすることに、ものすごく腹が立った。
「ダメだやめろ!そんなこと言うな、ちゃんと話し合えばわかるはずだろう?」

その言葉を聞いてなおさら、引っ込みがつかなくなった連中は、俺に矛先に定めた。
「リンチだ!桑原リンチにするぞ!手と足を黒板に抑えろ!」

黒板に数人が、俺の手と両足を抑えて宙釣りにした。ようはキリストスタイルである。
Fが「よし桑原を誰かビンタしろ、よしK、お前桑原と仲いいよな、お前だ。お前が桑原をビンタしろ!」

Kは泣きながら「いやだ、俺出来ない、桑原を殴るなんて出来ない・・」と泣きながらかぶりを振った。
FMは「じゃあ次はお前だ、お前がやらないと次はお前が生けにえだ!それでもいいんだな!」と高圧的にカサに来て胸倉をつかむ。

「いいからKやれ!構わん、お前の事は何にも思わん、只こいつら自分で手を汚さないで卑怯だ、お前が俺の為にやられる事はない。お前が後からひどい目に合う事は俺が嫌だから、お前がけりを付けろ!」

そういうと泣きながら俺をビンタした。みんな笑いながら「オラオラ力が入っていないだろう、もっとしっかり殴らないと次はお前だぞ」とはやしたてている。

俺は「お前らいつか後悔するぞ、卑怯なことはするな」と叫んでいたのを思い出す。
ただその後どうなったのかは、覚えていない・・・

つい先年同窓会でMにあった。「あの時の事覚えているか」と聞いたら
「お前がエエカッコシイするから当たり前だ」と言われた。

「確かになー」引っ込みがつかなくなったのを、後味が悪いようにあまり感じていないのかなと思ってしまった。俺は昔の事だから笑って「そんな事もあったなー」と聞き流してくれると思ったが・・チャント御覚えていたのは驚きだ・・・

その時のMや、リーダー的存在だったTも地元で、いまだに存在をしっかり見せつけている