私が息子に「男っちゅう者は・・・」と、話したことが2回ある。

一回目は幼稚園でのことだ。その日幼稚園バスから下りて先生から、
カミさんが「今日、史君は女の子のおなかを殴って泣かしたのは、
いけないとよくお話してください」と言われたとの事。それを聞いた私は
「フミナリー
!おまえなにやってんだ!」大声で怒鳴りつけたのでした。

普段カミさんには大きな声を上げる事はあったが、子供にはそれが初めてでした。

「お前なに考えているんだ、いいか、男はなー、女を守るもんだ。男は外で働く、
だから女より力があるんだ。女に手を上げるのは男として最低だ。
これからパパと約束だぞ、絶対に女の子には手を上げないと、分かったな!」
そういうと目に一杯涙をためて「ウンわかった、やくそくする」それから息子は、
絶対に女性に手を上げない男になりました。

大きくなってから息子曰く「あの時は恐かった、あんなに親父が怒るなんて
思わなかったから、ああ俺とんでもない悪いことをしたんだなって思った。
ずっと覚えてたよ」

二回目は史成の嫁さんと初めて会った時だ。

その日二人をどこかに車で送って行った時だと思う「史成、男っちゅう者は
口では女に負ける、細かいことは女に任せておけ、どんと構えていざと言う時に、
家族を守るために行動を起こせ、それが男だ」

するとすぐに「あらお父さん、それは女に対する偏見です。女を軽く見ている
事ではないですか?」と言われた。
ん?なんでこいつにお父さん
て言われなきゃならないんだ?それにしてもはっきり
ものを言う女だな。まいいか、これ位の方が史成には丁度いいかもしれない・・・
これが息子の嫁の第一印象でした。

スゲーッ強いカミさんになると思ったのですが、優しく人の弱さを知り、
寛容の気持ちを持った、聡明な女性でした。