山形に転勤して、五十鈴に事務所兼家を借りた。
3年たって家族全員で東北自動車道を北上し、フエリーで函館へ。
函館の友達の家に一泊し、千歳の家内の実家に帰省することになった。

13
日お盆初日、出発は夜九時半過ぎてから、助手席にカミさん、
私の後ろには息子、横に娘、屋根の上のスキーラックに荷物を
満載にして走り出した


初めはワイワイ騒ぎながらの出発だったが、そのうちカミさんが
「スピード出し過ぎよ、キンコンカンコンうるさい」

「大丈夫だ、110㌔以下で走っているから捕まらない」と私は言うが、
カミさんは「そんなこと言ってない」と大喧嘩になった。

そのうちふてくされて寝てしまい、子供たちもすぐ寝て、一人で運転する
のがつらくなるのはスグだった。
それでも無理をして盛岡近くの矢巾PAで、
少し長めのトイレタイムを取ったら、カミさんの機嫌も良くなりました。

二時ジャスト、秋田県に入る手前の兄畑トンネルを出ると、突然土砂降りの
雨で、前が見えない位になり、スピードを
50キロに落とした。
すると後から来た車が何度もパッシングをする。


上の荷物が落ちそうになっているのかも?と高速道路の雨の中、
停車は交通違反だが仕方なく、止まって確認したが何でもない。
車は?とみるとウインカーも出さず、前に止まっている。

ゆっくり走って横について「どうかしましたか?」と声を掛けたが
何の反応もない。
カミさんが「なんかこの車おかしいよ、
お父さん構わないで行こう」と走り出してすぐ、その車が突然ギューンと
スピードを出して、せまって来て横に止まった。私も止まったが運転席は見えない。

髪の長い女が助手席に座って、こちらを見ようともせず、黙って
まっすぐ前を見ている。

お母さんが「お父さんなんかこの車変だ!行こう・・」と震えた声で小さく言った。

又トンネルを超えてすぐ先の湯瀬パーキングエリアで、すぐに来た後続の
黒い車に止まって貰い訪ねてみた。

「白い車で高速道路に止まっている、変な車見ませんでしたか?」と聞くと、
「いや見なかったよ」とそっけなく返事をされた。
息子が言った「パパ赤い車だよ」
と言う、娘も赤だったという?

その車は私の横に駐車したが、よく見ると濡れていない??
「すごい雨だったですよね?」と聞くと「いや雨は降っていない」と言う、
私の車はべシャ濡れなのに隣の車は全然濡れていない・・・・

やっぱり変だと110番すると「事故ですか、事件ですか」と聞かれ
「いえ、つかぬことをご報告しますが・・」と体験を話すと「わかりました」と言う、
どうもなんか歯切れが悪いので聞いてみた「いや冗談やいたづらで、
言ってるわけじゃあないんですよ!」と強めに言うと「いえそうじゃなく、
たまにわそう言う事があるんです」と言う。ウン?たまにわってどういう事だ?
と半信半疑だったが、取りあえずパトーカーには連絡するとの事。

その後、車の中で話をすると私とカミさんが白い車と言い、子供たちは赤だと
言う助手席で私と息子が見た女の人は、私が髪が長かったと言うと息子が短かったという??

そしてやはり最大のなぞは私の車だけがずぶ濡れだった事だ。
それと今考えるとすごく飛ばして来たのは、二時丁度にあの場所に着くために、
走って来たのかも・・・と思ってしまった。

やっと高速も終わりに近づいた所、青森出口脇の工場で大変な火事が発生していた。
消防車が
13台も出動していて高速道路が煙で一杯になった。「早く出なさい
これから閉鎖するから」と言われてしまった。

何てことが続くのだろう。
函館で友達の家に着いて報告すると、旦那が突然叫んだ「あっ!昨日そのトンネルの事、
テレビで話してたよ、幽霊カーの事!!」・・・

その後青森に単身赴任して、カミさんと一緒に青森に何度も行くが、カミさんは
あの車の止まっていた所がない、山が迫ってすぐわかる場所だというが・・ない・・・・

まるでメビュースの環みたいに、違う時と場所に紛れ込んだのだろうか?