そらちゃんは、今年一年生になりました。
そらちゃんはいつもニコニコしている、じいちゃんが大好きです。
友達はみんな虫やカエルが大嫌いですが、そらちゃんは全然気になりません。

なぜこんな形をしているんだろう?なぜこんな色をしているんだろう?と
じいちゃんを困らせます。でもじいちゃんは「みんな同じだとわからないでしょう、
いろんな形や色があるから、見分けがつくんだよ」といっしょうけんめい説明します。

久しぶりに早く起きたそらちゃんは、庭に来て「じいちゃんおはよう」と言って
すぐ、しゃがみ込みました。
じいちゃんが声を掛けようとしましたが、いつもと
違って様子が変です。
しゃがんでじっと何かを見ているのです。
じいちゃんは後ろからそっと見ると、それは毛虫でした。

背中が割れて、中からシワシワの光るものが、少しづつ出てきました。
気のせいかなと思いましたが、毛虫の黒くなったカラから出てくるとき、パリパリと
音がしています。

出てきたものは、だんだん色がついてきました。それは黄色の色でした。

濡れてチヂンでいた羽が、少しづつ大きくなって行きます。
しばらくすると、はっきりわかったのは前に見たことのあるキアゲハです。
しばらくしてキアゲハは、ブルッとふるえると飛びだっていきました。
「じいちゃん!」と、大きな声を出してふり向いたら、すぐそばでじいちゃんが、
ニコニコしながら頭をなでてくれました。

じいちゃんは言いました「そらちゃんすごいもの見たね、あんな小さなみにくい毛虫が、
あんなにきれいなチョウチョになるんだ」「うん、きれいだった」

「この子はなんてすごい子供なんだろう」じっと見続ける集中力に、おどろいたじいちゃんでした。

 今日はとても暑くなると天気予報が言ったとおり、とっても熱い日差しです。
じいちゃんは庭に子供プールを出して、水を入れてくれました。


そらちゃんは、春のあたたかい日のことを思い出しました。
前に畑でカエルが川に落ちたとたん、スーイスーイと足を広げて泳いで行ったのです。

早速カエルを探して三匹つかまえた、そらちゃんはプールに放してあげました。
やっぱり思った通り小さい子ガエルは、シャカシャカと足を動かして泳ぎだしました。

「じいちゃん見ててね」いうがはやいか、走って家に飛び込みます。
「ママー早く水着だしてー」じいちゃんはカエルの番兵ですが、カエルはすぐにプールの壁から
這い上がろうとします。あっちに行ったり、こっち行ったりじいちゃんは大忙しです。
 

はだしのままそらちゃんは「じいちゃんカエルにげてない?」といって、一緒にプールで
遊び始めました。
小さなカエルがそらちゃんのおなかにたどり着き、おへそまで上がってきました
「きゃーくすぐったい!」とそらちゃんは大さわぎです。

そこにとなりの小学5年生の、カナちゃんが通りかかりました。ちょっと足を止めた
カナちゃんは、カエルを見て「キャー」といって走って逃げていきました。

そらちゃんは、やっぱり毛虫やカエルの、生き物が大好きです。