私が本格的に初恋と言える恋をしたのは、高校生になってからだと思う。
Nは同じクラスでお父さんが開発局か、営林署に勤めていて自宅が白鳥湖にあった。
私はよく自転車で白鳥湖まで36号線を走り、彼女の家の電気が付いているのを見て、
ホッとして心の中で「がんばれよ!」と声をかけて帰ってきたものだ。
片道1時間、よく通ったものだとあの頃の、純情さに笑い出しそうです。
彼女とはよく文通らしき?交換日記らしきもの?をしていた記憶がある。
彼女の写真を1枚持っていたが、、聡明な眼差しがふっくらした笑顔に
とてもよく合い、胸がキューンとしたものです。
同じ演劇クラブの一期先輩にO部長がいて、演技力、人をまとめる力、ワイドな魅力に
大変な信頼を寄せていたのだが、ある時Nから「桑原君、私Oさんから付き合って欲しいと
言われたんだけど、どう思う」と聞かれた。
すごく驚いたのと、「何で俺にそんな事言うんだよ!」と腹が立った。
ちょうどその頃文化祭があって体育館の裏に行った所、Nが一人で歩いてくるのにあった。
二人とも気まずい雰囲気で、余り話をしていなかった時期。
その時急に強い風がが吹いて、彼女のスカートを思い切りまくり上げたのだ。
「キャーッ!!」と彼女はスカートを抑えてしゃがみこんでしまい、私は茫然として
、すぐに引き返して来た。
きっと見ちゃいけない物とみてしまった罪悪感と、彼女の神聖さを壊しちゃいけないと・・・
私が結婚をして千歳に帰郷し、元旦に千歳神社でバッタリ会ったことがある。
お互い子供連れで「しばらく」と声をかけすぐ別れたのだが、家内いわく、
「やはり子供連れでおんぶして歩く姿は、貴方のイメージと掛け離れていたんじゃない?」と
今でも言われるが、どういう訳か私の記憶にはその時の彼女の姿は残っていない・・・・