高校友達の下宿

私は北海道の千歳高校に入ったころ、長沼に近い中央や泉郷から、市内に下宿を
している友達が結構いた。

Sもその一人で、良く下宿に遊びに行ったものだ。Sは性格が良くバンジョウを弾き、
一種独特な個性の持ち主で
大変好感が持てた。私達は彼の下宿によく集まり、遅くまで遊んでいた。

彼は大手のバイクメーカーに入り、部長まで経験していたが、さもありなんが正直な感想です。

下宿の為あまり遅くまでいると、おばさんから叱られるため、2階の窓からオシッコをしたのだが、
音を出さないよう、そして一階の屋根まで静かに、物に伝わらせて流す。最後にはヤカンの水を
静かに流し、匂いがしないように気を使ったものだ。これは窓ショウと言っていた。

その頃我々の時代は、いつも腹を空かせていた。そこでラーメン屋の息子として、
一番安い食い物を考えた。20円でラーメンの玉を買ってくる。それを味の素をダシに、
少しの水で煮立てて醤油を掛けて焼きそば風にしてよく食べていたものだ。

ある時、「暇だね、何かして遊ぼうよ」の会話の中で、暗くなった前の道を見て考えた。
前の道はアーケードの繁華街を抜けて、丁度暗くなるところで人通りも余り多くない通りである。

「おい、このお菓子の箱にゴミを入れて、キチンと包装したらそれを見た人は、どんな反応を
示すだろう?」これが発端でした。うまく包装し、辺りが完全に暗くなった頃、ついに罠は掛けられた。

部屋の電気を消して三人で窓の隙間から、縦に頭を三個並べて最高のドッキリが始まった。
道路の端であまり目立たないように仕掛けて、すぐやってきたのは中年の男性だった。
ふと立ち止まり足でソッと蹴る。これは中に入っているかどうか確かめる仕草だろう・・

重さを感じたその人は、すぐにあたりを見回し、静かに持ち上げ脇に抱えてすぐに歩く始める。
まるで拾った事等忘れたように、ソサクサと忙し気にその場を立ち去るのだ。
もう見えなくなった頃に、三人は腹を抱えて爆笑するのだった。

男と女の違いはあった。男は周りを見渡し誰も見ていないか注意して、行動を起こすが女性は
堂々と手に取って降ってみる人もいた。我々は何人目で持って帰るか賭けていたが、何回やっても
結局すべて初めの一人が持ち帰る。

後から開けた時どんな顔をするのか?それが家に帰って家の人の前だと、どんな言い訳をするのか
話は尽きなかった。考えれば他愛のない子供のいたずらだったが、仕掛ける事の楽しさ、包装をしながら
笑いながらよき時間を過ごしたものだと思う。大人になって友達同士で遊ぶ内容でないことは確かだ!

そういえば、最近の同窓会でそんな話もしたいな、と思うこの頃である・・・