IYと言うガリバー企業のBYが、私の家にダルマ持参で2度ほど、飲みに来たことがある。
勿論そこは接待などは大変厳しい企業でしたが、BYは「いやあ桑原さんはその辺十分
理解して貰える人と思うから・・・」と屈託がない。

お互い背中の看板を外し、将来の夢とか家族の事を話している時、カミさんが
Iさん、実は私近所の人とネクタイ作りに挑戦しているのですが、今回出来上がった
ネクタイ、今着ていらっしゃるスーツにとてもよく似合うと思うの、よろしければ貰って
頂けませんか?」と切り出した。

Iさんは「そんな大事な物貰う訳には行きません」と固辞していたが、「チョットしてみて」と
カミさんに言われ締めてみると、これが抜群によく似合う。
私は少し悔しかったけれど・・・
本当にスーツとネクタイのセンスが抜群にぴったりで、Iさんも「オーッ!」と言ったまま相好を崩し、
大変うれしそうだった。

商品の安売りはせず、条件ももっと出せともいわず、大変紳士的でした。
売り場での販促物を本部で用意して貰ったり、催事場を決めて頂いたり本当に協力的でした。
その後は安売りをしない事への協力の下、初めて北海道でカッパ座の公演を、午前中IYさんの
お客様メインで行ったりと、北海道にいる間ずいぶんお世話になりました。

以前S専務が東京で挨拶に行った時、Iさんは常務になられていて「桑原さんはお元気ですか?」と
聞かれたそうです。専務は「クワ!何故そう言う事を言わない、言えば処遇も考えたのに!」と
言われましたが、会社で自慢すべき事ではないし、そう言う事をしない人だとIさんは思っていたはず。
ですから、私はそれで良かったと思っています。

しかし、やはりカミさんのバックアップが、非常に大きな力を持っていた事は大きい。
長く会社にいられた事もカミさんのお陰であり、カミさんに頭が上がりません。
心から感謝しています・・・・