■ JBL-Control 3 Pro のスピーカーエッジ張り替え
ネットラジオチューナー「i.Radio NTD-9000」に繋いで聴いていたControl 3 Pro。
埃を払おうと、ネットカバーを外したところ、ウレタンエッジにヒビが入っていました。
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「あ‥いよいよウレタンが駄目になったかな!」…
試しにデジタルアンプのボリュームをじょじょに上げていったところ、
低音の振動でウレタンが吹っ飛んで穴が開いてしまいました。
2年前、ウレタンには弾力性がありましたが、だんだん劣化してきたようです。
さて、張り替えてやらねば‥と思いながら、
私の「宝箱」を探すと、セーム革の切れ端しがいくつか見つかりました。
JBL-L26 とは違って、かなり小振りで2枚ともエッジを採れそうです。
しかし、大きさを測るには、まずはスピーカー本体を取り出さなければなりません。
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早速、前面のスチールネットを外し、6角レンチで6箇所のボルトを丁寧に外します。
スピーカー取付ボードは両サイドの窪みのあたりがボンドで固定されています。
くぎ抜きなどの梃子を利用してこじ開けないと簡単には外れてくれません。
コードを傷めないように慎重にSPユニットを取り出します。
裏面の結線箇所は赤と黒を間違えないようにSP側に赤で印を付けます。
SPユニットは4本のボルトナットで取付けてあります。
6角レンチとプライヤーを使います。
SPユニットが取り出せました。いよいよ、ガスケットとウレタンの残滓を取除きます。
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エッジを留めているガスケットを剥しますが、私はマイナスドライバーを使いました。
市販のウレタンエッジを取付ける場合は、ガスケットはエッジと一体になっています。
いずれ、5〜6年後に再度張替え時期が来ます。
エッジが必要になる場合を考慮して、丁寧に剥し保管しておきます。
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根気の要る作業ですが、フレームにこびり付いたボンドを削り落とします。
コーンの縁に付いているエッジの残りを取り除きます。
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コーン裏に張り付いた古いエッジはコーンを親指で支え、人差し指で裏面をこするようになぞって落とします。
一段落したら型紙を作るために寸法を測ります。
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スケールとノギスを使って採寸し、CADで作図しました。
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思いのほか小さいので型紙は外周と内周を別々に切り抜いて作りました。
画鋲を使って中心を出し、セーム革に2Bの鉛筆でなぞり書きします。
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大きめの裁ちバサミの根元を使って、セーム革を裁断しエッジの完成です。
残ったもう片方のスピーカーを取り外し、同様にコーンとフレームをきれいにします。
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JBL-L26の時とは違って、先にフレームにエッジを張付けます。
コーンにはその後取付けることにしました。
コーンの中心にエッジを仮止めします。
エッジをめくり上げながらボンドを塗り、張付けてしっかり固定します。
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コーンが小さいので面倒ですが、
コーンの裏側に手製のへらを使ってボンドを塗ってゆきます。
一応、塗り終わったら半乾きの状態で、表面からエッジを後側に押し込みます。
再度、へらでボンドをコーンとエッジの隙間に塗り込みます。
コーンの表と裏面を指で挟み込むようにして力を加減しながらエッジを張付けます。
面倒ですが、ボンドは直ぐには乾かないので慌てないでゆっくりやります。
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さて、エッジ張付けの完成です。
このまま一日放置し、逆順にユニットをボックスに取り付け、アンプに接続します。
完成しました。
ウレタンの劣化は徐々にやってくるので、音も徐々に変化してくるのでしょう。
なお、使用したセーム革の厚さは約 0.8mm くらいでした。
2011年11月