国民宿舎「鵜(う)の岬(みさき)」


宿泊利用率30年連続日本一
国民宿舎「鵜(う)の岬(みさき)」



特集子ども通信員リポート
 全国79か所ある公営国民宿舎の中で、宿泊利用率が30年連続で日本一となった国民宿舎「鵜の岬」。
 今号では、県内外から多くの方が訪れる国民宿舎「鵜の岬」の魅力や従業員の思いなどについて、3人の子ども通信員が取材しました。


宇佐美支配人にインタビュー


Profile


日立市出身。国民宿舎「鵜の岬」には、1987年(昭和62年)に入社し、
今年で33年目。座右の銘は「一期一会」。

国民宿舎とは
公営の国民宿舎は、自然公園や国民保養温泉地などの、自然環境が豊かな休養地に建てられた宿泊施設です。全国各地に79施設あり、誰でも気軽に利用できる公共の宿です。
 国民宿舎「鵜の岬」は、茨城県立の施設で、公益財団法人茨城県開発公社が運営しています。

鵜の岬とは

 鵜の岬は、その名前のとおり、「ウミウ」がやって来る岬です。宿泊棟の東側には、砂浜のほかに断崖絶壁の岬があり、そこには全国で唯一の「ウミウ」の捕獲場があります。  


にぎわいを見せる旧国民宿舎「鵜の岬」

 国民宿舎「鵜の岬」は、1971年(昭和46年)に開業した大平洋を望むリゾート型の宿泊施設です。客室58室、宿泊定員204人で、昨年度の宿泊利用率は、86・9パーセントでした。ほかの施設を大きく引き離し、30年連続で宿泊利用率1位を取ることができました。
 国民宿舎「鵜の岬」が建っているのは、約15ヘクタールの伊師浜国民休養地の中です。海と森が織りなす、四季折々の美しい自然を楽しむことができます。



人気の理由や 秘訣 ひけつ

地域の方が”宣伝マン”


 「鵜の岬」は間もなく48歳になります。私たちの先輩たちが「鵜の岬」を作り上げてきてくれたということもありますが、こんなにお客様から「良かったよ」と多くの声をいただけるのは、やはり地域の方のご協力があるからだと思います。「今度お昼行ってみて」や「ここに来ると安心する」、「ゆったりできる」など、皆さんが親戚の方などにお話をしてくださっているのだろうと。本当に地域の方が”宣伝マン”になってくださり、県外を含めて多くの方の来訪につながっているのかなと思います。


  

美 しいオーシャンビューや日の出
なども、階ごとに見え方が違い、
目を楽しませてくれます。



おもてなしの心
 「鵜の岬」では、来てくださったお客様にとって、また帰ってきたくなるような我が家のような存在になりたいと、従業員全員が常に「おもてなし」の気持ちを持ち、一つ一つのサービスを丁寧に行うことを心掛けています。
 例えば、和室の客室に布団を敷く際、合わせて靴磨きも行っています。この取り組みは、約40年続けています。
 また、お客様がお帰りの際は、感謝の気持ちを込めて、姿が見えなくなるまで手を振ってお見送りをしています。
 「鵜の岬」が思い出の場所になるよう、そして、思い出づくりのお手伝いができるよう、お客様をお迎えしていますが、それには、さりげないおもてなしをすること、そして今後もそれを続けていくことが大切なのかなと思っています。


支配人が語る、お客様との心温まるエピソード
 33年働いてきて、思い出はたくさんありますが、その一つとして―

 お子さんが幼稚園の頃から、毎年8月の終わりごろに来てくださる横浜の4人家族(夫妻、男の子、女の子)がいました。
 東日本大震災の頃には、ご夫妻は毎年訪れていましたが、子どもたちは大学生活が忙しいのか、震災直前の2、3年は来ていませんでした。震災後、そのご夫妻から、
 震災の影響で休館になっているとインターネットの情報で知りました。幼稚園の頃からお世話になった『鵜の岬』へ、子どもたちを手伝いに行かせます」
 とお手紙をいただきました。
 そこで私は、「あぁ、このご家族は、ここで家族の絆みたいなものを感じながら帰っていただいていたのだな」と思いました。横浜も少なからず被災している中で、手助けをしてくださるというお手紙をいただき、「鵜の岬」を大事に思ってくださっているのだなと感じました。
 「鵜の岬」は、被災して休館していましたが、多くの方のサポートもあり、震災後50日ほどで、再開ができました。手紙をくださった、このご家族も次の年にご利用くださり、涙が出るほど感動しました。
   ほかにも思い出がありますが、このような心温まるお手紙をいただいたりすると、「鵜の岬」が出会いの場であり、絆を深める場になっていることを実感し、喜びとともに責任の重さを感じます。
 この「鵜の岬」を、皆さんの思い出に残る場所として、いつまでも守っていかなくてはと思っています。

実は・・・宿泊だけじゃない!
日帰りでも利用できる「鵜の岬」の 魅力


レストラン「しおさい」

新鮮な海の幸などをご堪能ください!



 ランチ(11時〜14時。ラストオーダーは13時30分)で利用することができます。

大広間・小広間




日帰りの宴会や華やかな婚礼、家族の誕生日、 同窓会などのパーティーに利用できます。

芝生広場




林に囲まれた芝生広場で、海の香りを感じながら、グラウンド・ゴルフなどでも利用できます。

カラオケルーム歌鵜


持ち込み自由!みんなで食事を持ち寄って、
レッツ、カラオケ!



店員16人のカラオケルームが2部屋あります。
日帰りの方は、昼の部(10時〜15時)で利用できます。

のパラダイス


近くには、実際にウミウを捕獲する、
「ウミウ捕獲場」があります。



鵜の岬は、長良川などの鵜飼で使うウミウの捕獲が許された全国で唯一の場所。
そのウミウを間近に見ることができます。

スイレン池




 夏には大きな池の一面に、ピンクや白に色づいた手のひらほどの大きさの花が、太陽をいっぱいに浴びせながら咲き誇ります。

愛と絆の鐘



 人々が愛情を受け絆を大切に生きることを願って、平成18年に造られたモニュメント。大切な人と鐘を鳴らしてみてはいかがですか。




 そのほかにも、会議や研修、パーティーなどに利用できる「カントリープラザ」(200人収容)があります。また、近くには、国民宿舎「鵜の岬」旧館の跡地に建てられ、露天風呂から太平洋を一望しながら入浴できる天然温泉施設「日立市鵜来来の湯十王」、「快水浴場百選」や「日本白砂青松百選」に選ばれた、白い砂浜と松林が美しい「伊師浜海水浴場」などもあります!
取材を終えて


豊浦中学校2年
佐竹由菜さん

 今回は、国民宿舎「鵜の岬」で取材をしました。近所にあるのですが、知らないことが多かったです。海がとても近く、日の出がとてもきれいに見えるそうです。ホテルには和室と洋室があり、どちらの部屋からも、解放感のようなものを感じました。風通しも良く、窓から見る景色がとてもきれいです。
 また、車いすを使用している方のために通路の幅が広くなっています。
 そして、施設だけでなく、従業員の方々もおもてなしの心で思い出づくりのお手伝いをしており、最後まで素敵な時間を過ごすことができます。家族のようにお客様と接することで「第二のふるさと」となるように、お客様から育てていただくということにはとても驚きました。ありがとうございました。


日高中学校2年
矢内楓真さん

 僕は国民宿舎の「鵜の岬」を取材させていただき、とても貴重な体験やお話を聞くことができました。
 今回の取材で一番印象に残ったのは、支配人の「鵜の岬」に対する思いが強かったことです。その理由は、自分がインタビューをしたときにその質問に対してより詳しく、そして深く話をしてくださいました。そのため、そのお話からどれだけ苦労したかが伝わってきて共感することができました。
 最後に、今回の取材を通して僕が感じたのは「どれだけ小さなことや細かなことも毎日続けていけばきっとうまくいくときが来る」ということです。
 このように今回の子ども通信員を通して学べたことはたくさんあり、それらを心に留めて今後の自分の成長につなげていきたいです。



十王中学校2年
鈴木琴羽さん

 今回、「鵜の岬」で取材をして、普段は見ることのできない裏側を見ることができました。まず、部屋については、和室や洋室とお客様の好みや用途に合わせて選ぶことができます。現在、6割は新しく改良されており、壁紙の色を落ち着く色へ変え、お客様のご意見に耳をかたむけて、全館空調から個別空調へと変わりました。部屋から見える景色については、1階変わるとがらりと印象が変わってとても面白かったです。7階で見させていただいた景色は「地球はまるいんだな」と思わせるような、今まで見たこともない素晴らしいものでした。また、8階の大浴場では、女湯から日の出を見ることができるそうです。
 この取材を通じて、「鵜の岬」がなぜたくさんの人に愛され利用されるのか、あらためて知ることができました。
第二のふるさと

これからも、お客様が「みんなで集まるときは『鵜の岬』にしよう」と思っていただけるような、お客様にとっての「第二のふるさと」になれるような施設を目指して―。

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