日立LNG基地建設事業
茨城港日立港区第5埠頭では、東京ガス鰍ェ日立LNG基地を建設中です。
今号では国道245号から見える日立LNG基地をピックアップします。
このLNG基地建設は、日立港区の利用拡大ばかりではなく、新たな産業の立地による雇用の拡大など、地域経済の活性化を図るために、茨城県と日立市が誘致し、東京ガス鰍ェ進めている事業です。このLNG基地は、さまざまな災害を想定して、安全性の高い施設として整備しています。
日立LNG基地とは
海外から輸入した液化天然ガス(LNG)を貯蔵し、都市ガスを製造する施設で、東京ガス鰍ノとっては東京湾以外で建設する初めての基地となります。
このLNG基地は、北関東地域へ都市ガスの供給拡大を図ることを目的に、平成24年11月から本格的に工事が始まり、およそ10ヘクタールの敷地に、海外からLNGを運搬してくる船舶を受け入れるための大型桟橋や、大型の貯蔵タンク、LNGを気体にして都市ガスを製造する気化施設などが整備されます。
また、ここで作られたガスは建設中のパイプラインを通り、茨城県をはじめとした北関東のガス需要の増加に対応します。
建設中のタンク(構造図)
タンク内部の工事の状況
※建設現場の写真は、市が取材時に撮影したものです。LNG(液化天然ガス)とは
◆メタンを主成分とする天然ガスをマイナス162℃に冷却し、気体から液体に変えたものです。
◆体積が気体の時に比べ600分の1となり、タンカーなどによる大量輸送が可能です。
◆太平洋圏を中心とした諸国から輸入されており、日本の基幹エネルギーの一つとなっています。
◆無色・無臭の液体で、硫黄分などを含まないのでクリーンに燃焼し、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の発生量が、石油や石炭と比べ大幅に少ないという優れた環境特性を持っています。
安全対策について
地震対策=LNGタンクは、阪神淡路大震災を契機に改定された指針等に基づき、高レベル地震動に対応した設計でしたが、さらに耐震強度を上げた設計としています。
津波対策=津波が発生しても、設備の安全・保安は確保される設計となっています。しかし、電気設備などが浸水すると、基地からのガスの送出が長い期間停止してしまうため、東日本大震災の津波の状況を踏まえ、基地の稼働に重要な電気設備についても嵩上げを行うなど、より高い安全基準で作られています。
*LPG(液化石油ガス)
プロパン・ブタンなどを主成分とし、圧縮することにより、常温で容易に液化できるガス燃料の一種で、
一般にはプロパンガスと呼ばれています。供給するガスの熱量を調整するために使用します。
*BOG圧縮機
LNGタンク内への入熱により、自然に気化したガスを昇圧して送り出す設備で、タンク内のガス圧力を所定の圧力に保つ働きをしています。 |