〜わたしたちの暮らしと産業を支える〜茨城港日立港区



 海上物流の重要な拠点である茨城港日立港区では、現在「完成自動車の輸出入」と「LNG(液化天然ガス)の受入拠点」を大きな柱として振興を図っています。取扱貨物量も年々増加しており、今後、雇用の拡大や新たな産業の立地、地域経済の活性化につながることが期待されます。今号では、茨城港日立港区の整備状況についてお知らせします。

第3ふ頭地区に新たな岸壁が完成しました

 完成自動車の取扱台数の増加に対応するため、県が整備を進めてきた第3ふ頭地区の水深12メートル岸壁(延長300メートル)と、ふ頭用地(約5ヘクタール)が今年の3月28日に供用を開始し、4月2日に海外で生産された自動車を積んだ船が入港しました。
 今後、県と市が共同で来年3月末の完成を目指し、 ふ頭用地に隣接する約10ヘクタールを、新たなモータープールとして整備を進める予定になっています。
今年の3月に供用を開始した第3ふ頭地区の
水深12メートルの岸壁と約5ヘクタールのふ頭用地


供用記念式典の様子

多くの完成自動車が日立港区に運びこまれます

第5ふ頭地区で2号LNGタンクの建設が開始されました

 平成28年(2016年)3月に本格運転を開始した東京ガス株式会社の日立LNG基地では、今後の更なる天然ガスの需要増大に対応するため、平成32年(2020年)度末の完成を目標に、今年の4月から2基目のLNGタンクの建設工事を開始しました。タンクの大きさは既存の1号LNGタンクとほぼ同じ大きさで、地上式では世界最大級になります。
 また、同基地と神栖市を結ぶ高圧ガスパイプライン「茨城幹線」(延長約92キロメートル)の工事も平成32年(2020年)度末の完成を目指して進められており、日立LNG基地は、日立港区が北関東のエネルギー供給拠点として発展する上で、重要な施設となっています。
地上式PC式LNGタンク

  • 貯蔵容量 23万キロリットル

  • 貯槽外径:約90メートル、高さ:約60メートル

  • 東京ガス株式会社供給エリア概要図

    第5ふ頭地区に入港するLNG船

    日立LNG基地に新しい見学施設が完成しました

     日立LNG基地には、一般見学を開始した平成28年(2016年)5月から、これまで約6,000人以上のかたが見学に訪れています。東京ガス株式会社では、今後も多くのかたに都市ガスの製造過程における保安の確保などについて理解を深めていただくため、基地の敷地内に新しい見学施設「LNGミュージアム」を開設しました。
    LNGミュージアム      

    開館時間

    平日の9時30分〜16時(12時〜13時を除く) *見学時間は約1時間

    対象

    小学校高学年以上 *高校生以下は引率が必要。

    見学料

    無料 *見学の申し込みについては、東京ガス株式会社に問い合わせてください。
    問合せ 東京ガス株式会社日立LNG基地総務グループ 電話番号 0294-25-5801

    茨城港日立港区 〜日立LNG基地の試運転が始まります〜

     日立港区の第5ふ頭地区で建設が進められている日立LNG基地は、平成24年7月の工事着手以来、順調に建設が進み、地上式で世界最大のLNGタンクの姿などが市街地から見えるようになってきました。
     10月中には、基地の稼働に必要な施設や関連設備が完成します。11月中旬にLPG船が入港し、12月上旬には、海外からLNGを積んだ全長約300mのLNG船が入港する予定になっています。
     船が入港すると、LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)をそれぞれのタンクに受け入れ、その際に発生するガスを、環境や安全に十分に配慮して、基地内の煙突などで燃焼して処理する作業が行われます。
     予定では、11月中旬から12月下旬までの間、市街地からも、基地内にある煙突から上がる燃焼処理による炎を御覧になれます。来年3月の日立LNG基地の本格稼働に向けて、LNG船の入港とともに試運転のシンボルの一つとなる光景です。
    問合せ産業立地推進課 内線776


    LNG船燃焼処理による炎(イメージ)

    日立市と茨城港日立港区を全国にPR

    〜公益社団法人日本港湾協会
    平成26年度定時総会が開催されます〜

    新たな発展へと躍進する重要港湾茨城港日立港区

    完成自動車の輸出入拠点 日立港区

     茨城港日立港区は、昭和34年に第一船が入港して以来、半世紀を超える歴史を持った北関東の海上物流の拠点です。現在は、完成自動車の輸出入拠点になっており、港湾とその背後地にはモータープールが整備されています。更に、今後も完成自動車の取り扱い台数の増加が見込まれることから、平成24年度からは、第3ふ頭地区で新たな完成自動車専用ふ頭の整備が進められています。

    完成自動車の輸入の様子

    日立LNG基地建設による新たな発展

     第5ふ頭地区では、東京ガス株式会社が平成27年度末の稼働を目標に、日立LNG基地の建設を進めており、日立港区は、LNG(液化天然ガス)の新たな受入拠点としても発展することが期待されています。

    第5ふ頭地区で建設中のLNG基地

    成長する日立港区を全国的にPR

     市では、完成自動車の輸出入とLNGの受入拠点として成長が期待される日立港区を全国的にPRするとともに、交流人口拡大による地域経済の活性化を目的に、今年度の日本港湾協会の定時総会を誘致しました。定時総会は、5月28日(水曜日)に日立シビックセンターで開催され、全国から千人近い会員や港湾関係者が訪れます。

    整備が進む第3ふ頭地区

    日立LNG基地建設事業


     茨城港日立港区第5埠頭では、東京ガス鰍ェ日立LNG基地を建設中です。
     今号では国道245号から見える日立LNG基地をピックアップします。
     このLNG基地建設は、日立港区の利用拡大ばかりではなく、新たな産業の立地による雇用の拡大など、地域経済の活性化を図るために、茨城県と日立市が誘致し、東京ガス鰍ェ進めている事業です。このLNG基地は、さまざまな災害を想定して、安全性の高い施設として整備しています。

    日立LNG基地とは

     海外から輸入した液化天然ガス(LNG)を貯蔵し、都市ガスを製造する施設で、東京ガス鰍ノとっては東京湾以外で建設する初めての基地となります。
     このLNG基地は、北関東地域へ都市ガスの供給拡大を図ることを目的に、平成24年11月から本格的に工事が始まり、およそ10ヘクタールの敷地に、海外からLNGを運搬してくる船舶を受け入れるための大型桟橋や、大型の貯蔵タンク、LNGを気体にして都市ガスを製造する気化施設などが整備されます。
     また、ここで作られたガスは建設中のパイプラインを通り、茨城県をはじめとした北関東のガス需要の増加に対応します。

    建設中のタンク(構造図)


    タンク内部の工事の状況


    ※建設現場の写真は、市が取材時に撮影したものです。

    LNG(液化天然ガス)とは

    ◆メタンを主成分とする天然ガスをマイナス162℃に冷却し、気体から液体に変えたものです。
    ◆体積が気体の時に比べ600分の1となり、タンカーなどによる大量輸送が可能です。
    ◆太平洋圏を中心とした諸国から輸入されており、日本の基幹エネルギーの一つとなっています。
    ◆無色・無臭の液体で、硫黄分などを含まないのでクリーンに燃焼し、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の発生量が、石油や石炭と比べ大幅に少ないという優れた環境特性を持っています。

    安全対策について

    地震対策=LNGタンクは、阪神淡路大震災を契機に改定された指針等に基づき、高レベル地震動に対応した設計でしたが、さらに耐震強度を上げた設計としています。
    津波対策=津波が発生しても、設備の安全・保安は確保される設計となっています。しかし、電気設備などが浸水すると、基地からのガスの送出が長い期間停止してしまうため、東日本大震災の津波の状況を踏まえ、基地の稼働に重要な電気設備についても嵩上げを行うなど、より高い安全基準で作られています。

    *LPG(液化石油ガス)
    プロパン・ブタンなどを主成分とし、圧縮することにより、常温で容易に液化できるガス燃料の一種で、
    一般にはプロパンガスと呼ばれています。供給するガスの熱量を調整するために使用します。
    *BOG圧縮機
    LNGタンク内への入熱により、自然に気化したガスを昇圧して送り出す設備で、タンク内のガス圧力を所定の圧力に保つ働きをしています。

    茨城港日立港区の整備

     茨城港日立港区(平成20年に日立港・常陸那珂港・大洗港を統合し、「茨城港」が発足したことにより、日立港は「茨城港日立港区」となりました)は、石油製品や鉱産品などの取り扱いや、釧路向けのRORO船(貨物を積んだ車両が、そのまま船内外に自走できる貨物専用船)の運航など北関東地域の海上物流の拠点となっているほか、メルセデス・ベンツの国内最大の輸入港として、また日産自動車の北米東海岸向けの完成自動車の輸出拠点となるなど自動車物流拠点としての機能が高まっています。加えて、北関東地域へ都市ガスを供給するためのLNG(液化天然ガス)の新たな受け入れ拠点として、東京ガス株式会社による「日立LNG基地」建設工事も進んでいます。
     東日本大震災から約4年。港湾施設の復旧工事がほぼ完了し、多様な物流需要に対応するため発展を続ける茨城港日立港区の整備状況についてお知らせします。

    ※建設現場の写真は、市が取材時に撮影したものです。

    整備が進む第3ふ頭地区

     茨城港日立港区第5ふ頭地区では、近年、メルセデス・ベンツの完成自動車の国内最大の輸入拠点となっているほか、日産自動車の北米向け高級車の輸出港となるなど、完成自動車の物流拠点としての機能が高まっています。
     完成自動車の貨物需要の増大に対応するため、荷さばき場や保管エリア、港湾施設、モータープール(完成自動車の保管場所)の拡張が必要となり、市では平成24年に茨城県と共同で、第3ふ頭地区の公有水面の埋め立てを開始し、新たな完成自動車専用ふ頭の整備を進めています。
     この工事は、平成27年度までの4年間で行われ、約12ヘクタールを埋め立てる計画です。
     昨年の6月に海を閉め切るための護岸が完成し、8月からは、日立LNG基地建設の海上工事で発生した浚渫土(しゅんせつど)を利用して、埋め立て工事を行っています。

    埋立工事の様子

    第5ふ頭地区LNG基地の整備状況

     第5ふ頭地区では現在、日立LNG基地の建設が進んでいます。
     LNGとは液化天然ガスの略称で、日立LNG基地は、海外から輸入したLNGを貯蔵し、都市ガスを製造する施設です。
     日立LNG基地建設は、日立港区の利用拡大ばかりではなく、新たな産業の立地による雇用の拡大など、地域経済の活性化を図るために茨城県と日立市が誘致し、東京ガスが進めている事業です。東京ガスにとっては、東京湾以外で建設する初めての基地となり、北関東地域へ都市ガスの供給拡大を図ることを目的に、平成24年11月から本格的に工事が始まりました。
     昨年の9月には、直径約88メートル、高さ59メートル、容量23万キロリットルという、世界最大の地上式LNG貯蔵タンクの屋根上げが行われました。
     その他、LNG気化器や管理棟の躯体工事などが行われています。また、海上では、海外からLNGを運んでくる船舶を受け入れる大型桟橋の躯体建設などの作業が進められています。

    LNGタンクの建設の様子
    タンクは直径約88メートル、高さは59メートルで、大型旅客機がまるごと入ってしまうほどの大きさです。

    今後の整備について

     第3ふ頭地区公有水面の埋立工事は、平成27年度末に完了する予定です。
     埋立完了後は、完成自動車を保管するモータープールを整備するため、引き続き舗装工事や照明、フェンスの設置工事を行います。
     また、これに併せて、平成29年度末の供用開始を目標に、水深マイナス12メートル岸壁の整備を並行して進める予定となっています。
     第5ふ頭地区のLNG基地の中で進められている各種工事については、平成27年10月頃の完了を目標としており、同年12月にLNGを積んだ最初の船舶が入港し、初めて液化天然ガスを受け入れる予定です。
     その後、各種検査、試運転を行い都市ガスの製造・供給ができることを確認し、平成28年3月に営業運転を開始する予定となっています。

    第3ふ頭地区の整備の様子
    新たな完成自動車専用ふ頭を整備するため、公有水面の埋立工事を行っています。

    日立港区での出来事

    昭和32年

    • 第1ふ頭着工

    昭和34年

    • 第1船入港

    昭和35年

    • 第1ふ頭供用開始

    昭和42年

    • 港湾法による重要港湾に指定

    昭和56年

    • 第2ふ頭供用開始
    • 第5ふ頭供用開始

    平成元年

    • 大型練習帆船「海王丸」一般公開

    • 第4ふ頭供用開始

    平成3年

    • 自動車専用船(メルセデス・ベンツ)初入港

    平成4年

    • 帆船「サンタマリア号」 一般公開

    平成13年

    • 日産自動車内航船輸送開始

    平成14年

    • 北朝鮮船籍貨物船「チルソン号」座礁

    平成20年

    • 日立港、常陸那珂港、大洗港を統合し、「茨城港」発足

    平成22年

    • 日産自動車による北米向け乗用車の輸出開始

    平成24年

    • 日立LNG基地建設工事着工
    第3ふ頭地区埋立工事着工

    TOP
    Hitachi Media Club